自己紹介の代わりに…その1
大変ありがたいことに僕には父親も母親も兄も姉もいる家庭で育っていますが、いつも服は兄のおさがり、または近所から譲り受けるおさがりの服、母親が一生懸命選んで買ってきてくれる昭和色満載の服でした。
当時小学生だった僕もやはり周りが羨ましかったなというのを覚えています。両親にも本音が吐けず気を使い過ぎて遠慮してしまう幼かった僕。この世に生を受けてきっと歓迎されて生まれてきたにもかかわらず、両親と兄姉のもとで、この家で当たり前のように生きて生活をして行ってよいのに、今では哀れなことですが、当時の僕には僕が知らない集団の家にお邪魔してるような感覚が抜けないまま幼少期をずっと過ごしました。
自分一人で抱えこんでしまった疎外感とでも言うのでしょうね。兄や姉は遠慮なく彼ら彼女らの信頼する親にものを言えてただ羨ましい、だから兄姉に対して強い嫌悪感を抱えたまま、一方的に心理的距離を取り壁を持ち続けました。父親は娘達を溺愛し、息子にはひとつも言葉かけすらないじゃないか、それなのに周りに威張り腐ってる!という歪んで屈折した苛立ちや自分勝手な嫌悪感で長い長い時間の中で失望したり憎しみに渦どこか家族という得体のしれないものは僕という少年にとって何なのか分からない、分かろうとしないままに、気づけば成人の歳になってました。
高校生までは大人の言うことを守って学校の勉強だけしてれば済むんだ、少年の死守していた心理的空間はこれにより誰にも侵されることもない、このまま死ぬ時まで平穏に過ごせればそれでいい、どうせこんな僕が社会に溶け込んでいける訳がない、だから長生きなど出来ない(したくない!)のだから。
本音で社会とぶつかろうとしない少年は上辺だけの作り上げた偽りの性格を生み出し、他人からも家族からも目の前の相手からも勿論自分自身からも正面から逃げてばかり。
当時の口癖を覚えてる。「どうせ自分なんか…」「大嫌い」「ならもういいよ…」
こんな少年に友人が集まるわけがなかった。責任を周りのせいにし続けるモンスターが出来上がったのでした。
こんな息苦しいだけの実家で生きて行きたくない
、もう側には居られない。大学に入ればいい。大学に入ってしまえばきっと向こうから何かやってくる、何か見つけられるはず。完全なる恥でしかない世間知らずのモンスターの冒険がこうして始まりました。
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