身の丈から一歩先を目指し続けた、Chatworkらしい社内イベント
新卒で入った会社はテレビ局。そこで記者をやってました。
テレビの記者なので、番組の企画を制作することが多く、放送日が近づくと徹夜で作業をすることもしばしば。
編集の方と作った映像をデスクやプロデューサーにチェックして貰うも、ダメ出しをされ作り直しを命じられ、編集し直して、まだダメ出しをされ、、
企画が完成したときには、精魂が尽きてしまい、オンエア中に寝るということもしばしばでした。
今回のそのスキルが最近の仕事で多少なりとも役に立った「社内イベント」の話をしたいと思います。
ちなみに、冒頭のテレビ局の話は20年ほど前の話です。今はきっとそんなことはないはず。
キャリアの話は別の機会でできたらと思っています。
Chatwork社の社内イベント
2022年6月現在、Chatwork社では半年に1回、1日かけて開催する全社合宿(Cha会といいます)と毎月1時間開催する全社昼礼(Cha室といいます)の2つの全社員が参加する社内イベントを開催しています。
いずれも、現在はオンラインで開催しています。
社内イベントをする目的としては、大きく2つです。
「現在は」と書きましたが、
コロナ禍前は、半年に1回のCha会は、リアルな場に全社員一堂に会して、開催していました。
リアル開催のころの集合写真です。2019年の夏です。
半期の振り返りや次の半期にやることなど事業の話に加え、活躍した社員の表彰式や懇親会など、会社としての一体感を醸成するコンテンツとして機能していました。
しかし2020年も明け、コロナ禍で原則在宅勤務となると、リアル開催が難しい状況になります。
ちょうど、会社として戦略を明確にし、その実行に向けて、人員を強化しているタイミングで、毎月新たに入社する社員が増えた時期と重なりました。
入社した社員が能力を発揮してもらうためには、当社の環境を理解し、適応してもらうことが重要です。(中途入社の社員のオンボーディングについては、別の機会で書きたいと思います)
この「会社の雰囲気・カルチャー」といった言語化できないが新入社員にとって重要な部分が、オンボーディングなど入社当日から、すべてオンラインに切り替わったことにより、伝える機会が大花火大幅という部分が大きな課題の1つでした。
そこで、2020年7月、オンラインという制約の中で、この課題を解決できるのかを考えて全社集会を企画し、実施しました。
ここで自分がテレビ局に務めていた経験を活かすことができました。
今考えるとなかなか大味な企画でしたが、役員や社員からも大きな反響をいただき、社員のエンゲージメント向上に寄与できました。
これ以降、2年間で4回のオンラインの全社合宿と、毎月のオンライン全社昼礼を行っています。
さて、ここからは、具体的にCha会(半年に1回の全社合宿)をどのようにやっているのか、説明します。
企画のコンセプト決め
現在の経営課題が何で、社員に何を伝えたいのか。
この全社合宿で社員のみなさんがどういう状態になったら成功と言えるのかを、運営メンバーと役員で議論して決定します。
その上で大まかな流れを決めて、プロジェクトとしてキックオフします。
コンテンツ決め
そのコンセプトに基づいて、どういうコンテンツ(コーナー)が必要なのかを決めていきます。
戦略をしっかり伝えたい部分と、会社のカルチャーをしっかり伝えたい部分など、いずれも役員や担当部署と議論し、何に重点をおいて伝えたたいかを決めて、それが画面越しで伝わるように、イベントを主管するBX(ブランドエクスペリエンス)部が中心となり演出を考えます。
こちらは当時の進行表です。
機材
コンテンツや演出を決めていく上で重要なのが機材です。
伝えたいことをしっかりと表現する上で、映像・音声・配信のクオリティは重要だと考えています。
自社で保有している機材は、こういったものがあります。
などなど、プロが利用しているようなものになります。
このあたり、今と少し構成は違いますが、過去にイベントの配信環境について書いている記事がWantedlyに掲載していますので、こちらもご参照ください。
https://www.wantedly.com/companies/chatwork/post_articles/300941
これ以外にも、当日の機材のセッティングや配信の運営も、社内のメンバーが行っています。
はじめは、人事+有志で行っていましたが、本格的にオンラインイベントの運用をすることになり、BX部内で明確にミッションとして持つことにしました。
なぜここまでやるのか
機材もプロ仕様のものだったり、運営も自社のメンバーでやっていたりで「配信業者にお願いしたほうがよいのでは?」という意見も社内で出たことがありました。
しかし、オンラインの社内イベントには、フェーズに応じた期待値が重要だと考えています。
安定した配信をすることが目的であれば、外部のプロにおまかせするという選択肢を取るべ
きですが、イベントの目的は「社員エンゲージメントを高めること」です。
テレビ番組と違うのは「内輪でやっている」ので、スタッフも同じ社員であること。
同じ会社の社員が「手作り」で運営していることは、画面から伝わります。
そういう点では、イベントを運営するプロセスも重要です。
そして、なるべく高いクオリティでコンテンツをお届けする「チャレンジ」が大事で、その上で失敗しても、改善すればよく、それが当社のバリューでもあります。
視聴者である社員にバリューを体感してもらうためにも、「手作り感」に触れてもらうことが大事だと考えています。
ただし、これは当社が、250人ほどの規模だからできること。
500人、1000人になると、全社員はもはや「内輪」でなくなってくるので、完全な内製にした場合、エンゲージメント向上効果に対する内製コストが高くなる可能性があり、運営方法の見直しが必要になると考えています。
あくまで、身の丈から一歩先ぐらいを意識することが大事
気をつけないといけないこと
視聴者は、前回のイベントのクオリティが基準になります。
「エンゲージメント向上」のためには、その基準を超えていく必要が出てきます。
作る側も、できる限り良いクオリティを追求します。
プロジェクトメンバーにデザイナーが参加してもらっていることで、毎回高いレベルのロゴやセット、字幕、VTRなどが作成され、社内エンゲージメント向上に寄与してもらっています。
一方で、制作物に妥協しないのがプロのデザイナーです。ギリギリまで、クオリティを追求し、多くの時間を割いてしまうことがあります。
しかし、あくまでエンゲージメントを上げるためのインナーブランディング施策の1つ。
やりすぎると、制作側の長時間労働になってしまい、もはやテレビ局の制作会社の様相を呈してきます。
さらにその状況を知った他の社員が心配して、エンゲージメントが上がるイベントにならなくなってしまいます。
見てもらう人の期待値の調整のためのクオリティコントロールも含めて、
制作時間などに一定の上限を設けることなど、内製が過剰にならないことが必要です。
さいごに
今2022年7月のCha会に向けて、プロジェクトメンバーが企画を進めてくれています。
今回は、新たな試みとして、東京・大阪・福岡の3拠点にパブリックビューイング会場を設けて、Live配信コンテンツを社員が集まって見ることができる形で開催予定です。
どうしてもオフラインの臨場感に勝るものはありません。
そこにいかに近づけていけるか。
メタバースなど、様々な手段が増えているので、いろいろなチャレンジをしてChatworkらしい社内イベントを作り続けていきます。
余談ですが、20年前、ベーカムのテープを編集機に入れて、ジョグダイヤルで編集していた頃から、しばらく離れていたあいだに、映像編集や配信がものすごく民主化されていることに驚きました。
キャッチアップのために「自分でも編集機材を揃えようかなー」って一瞬思ったのですが、沼になりそうなのと、プライベートで取りたい動画なんてないことに気がついたので、辞めました。
なので、会社のイベントでインプット得ることにします。
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