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International Mindedness 国際的な視野とは何か?

今回のnoteでは、この夏フィンランドで日本文化について授業を通して現地の小学生、高校生に届けたり、地域のコミュニティカレッジ(市民大学)で地域の方向けに日本文化のワークショップを開いたことについてまとめていけたらと思います。プログラム(Global Teacher Program in Finland)の概要については、以下のホームページを参考にしてもらえたらと思います。

フィンランドで日本文化を伝え、フィンランドの教育について学ぶプログラムをはじめたのは2018年2月になります。当時大学生だった私は、プログラムを運営する上で大切にしていたことがありました。

それは、南アカデミーiBS外語学院 代表取締役学院長 南徹(みなみとおる)先生の「自国を知らずして国際人を名乗るなかれ、そのために英語を利用せよ。英語を使って世界を闊歩せよ!」という言葉です。この言葉は今でも私の人生の軸の1つになっています。当時英語に苦手意識を持っていた私に、英語は手段であり、大切なのは英語を使って何を伝えるのか。ということに気づかせてくれました。

大学5年生の時に、フィンランド教育を学びに現地へ半年間渡航したのですが、現地の教育システムを理解するためには、現地にある様々な文化や自然、歴史、人を理解する必要がありました。拙い英語で、フィンランドの小学校、中学校、高校、専門学校を訪問し、気付けば半年で30校の学校を周り、日本の文化について現地の子どもたちに伝える日々を過ごしていました。そしてお互いの文化を伝え合うことで、現地の方との距離感が縮まったり、心と心がつながっていく感覚をもつことができました。帰国後も、お互いの文化(価値観や教育等)について交流できるプログラムを丁寧につくっていきたい想いで今もフィンランドとの文化交流プログラムを続けています。

今回のプログラムでも、現地の小学校で3回、高校生向けに1回、地域の方向けに1回の日本文化のワークショップを行いました。今回のnoteでは、コミュニティカレッジでの日本文化のワークショップについて、現地でどんなことをしたのか、現地ではどのような反応だったのかについてまとめていけたらと思います。

・コミュニティカレッジでの日本文化ワークショップ

コミュニティカレッジの校長先生が作成

当日は現地のユーチューバーの方が撮影に来て素敵な動画にしてくれました。子どもたちの顔が映せないようで制約の中でつくって頂きました。

ワークショップでは、まずは沖永良部島の「えらぶゆりの花」を私が三味線で演奏し、沖永良部島出身の子(当時高校生の時に私が運営していた中高生のユースセンターに来てくれていた)がエイサーを披露してくれました。そして、みんなで「えらぶゆりの花」を円になって踊りました。その後はチョイスタイムで、書道、折り紙、日本の遊び(だるまさんが転んだ等)から選ぶことができ、20名近く、幼稚園生から小中高生、地域の大人も参加をしてくれました。

中には、5年前に私が現地の高校で働いている時に開いた日本文化のワークショップに参加をしたことを覚えており、今回のイベントも仕事終わりに駆けつけて下さった方もいました。当時1年生だった娘さんが、イベントをきっかけに日本の文化に興味をもって家で折り紙をしたり、日本のアニメを見るようになって、こういう機会があることにとても喜ばれていました。

また、今回三線を現地で披露できたのも、沖永良部島に3年間住んでいる時に出会った三線の先生との出会いがあったからです。三線の先生は、楽器が苦手な私に今でも週に1度、丁寧に三線を教えて下さっています。先生の想いとして「世界や色々な場所で沖永良部島の島唄を広めてほしい。」と伝えてくれたことが今でも大きなモチベーションになっています。そして、沖永良部島に住むことで、日本の良さに気づくこともできました。日本には、今でも昔からある伝統的な音楽や文化、方言が地域に根付いて残っています。私にとって沖永良部島は第二の故郷のような場所でもあるので、島唄を通じて日本の文化について海外の人に伝えられるように改めて練習をしていこうと思いました。目標は高く、海外でも三線を教えて、現地の方と一緒に歌ったり、演奏したり、踊れたりしたらいいなと思っています。

さて、このnoteのタイトルにもある「International Mindedness(国際的な視野)」という言葉ですが、NIS Stories「国際教育とIBプログラムを理解するための用語集」には次のように説明されています。

この概念の根底にあるのは、多様な意見や文化を尊重し、地域及び国際的なコミュニティ、環境についての関心、私たちの世界にプラスの変化をもたらすべく行動を起こす意欲といった一連のスキルや行動、価値観である。

参考リンク

私自身、沖永良部島という島に出会うまで、根っこの部分でフィンランドが教育先進国で日本は教育が遅れているという感覚がどこかにあった気がします。だから、日本で地域おこし協力隊として教育を仕事にするとき、地域へのリスペクトが欠けていたことで、地域の方とコミュニケーションが上手くいかない経験をしたことがあります。

しかし、3年間島に住むことで、多くの葛藤と出会いながら大切なことを学ことができました。社会で何かのアクションをおこす時には、まずは相手を知るために参加をすること、そして地域の人と共に学ぶこと、そして地域の方と共につくっていくというように、少しずつ地域の考えや文化を尊重しながら、その地域にとってもプラスの変化をつくっていく行動を起こすことがどういうことなのかについて学ぶことができました。

今、行っているフィンランドでのプログラムでも同じです。近年PISAの学力調査の結果が下がってきているフィンランド。「フィンランドの教育は失敗だったのか?」ということが日本のメディアでも取り上げられています。フィンランドの新聞記事で「日本の教育関係者がフィンランドの学校現場を視察してがっかりしていた。」という記事が一面に上がったことがあります。

私たちは、視察をする時に見えている景色は氷山の一角で、その背景にどのような教育システムがあって、どんな価値観が社会の中で共有されているのか目に目ないものがたくさんあります。もし、国際的な視野を育んでいたら、質問のタイミング、内容、方法等も変わってくるのではないかなと思います。

自分が生まれ育った社会にある価値観とは異なる価値観に出会ったとき、最初は戸惑うかもしれません。相手が、社会でなくとも、人との出会いでも自分とは異なる価値観を持った人と関わる中で最初は戸惑うこともあると思います。さらに、もしこの時自分の考えや価値観が正しくて、相手の考えや価値観が明らかに間違っていると思った時にどのような行動をするとよいのでしょうか?

自分の考えをしっかりと伝える。
相手にあなたの考えや価値観は間違っていると伝える。
あるいは…。

もしかすると、自分の国にある文化を伝えることで、相手にその国で大切にしている価値観が伝わり、相手の受け止め方、見え方も変化するかもしれないです。

今回のnoteのキーワードは「International Mindedness 国際的な視野とは何か?」について、まとめてみました。

いつも読んでいただきありがとうございます。

moimoi!

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