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「学校」をつくろうプロジェクトスタート

私が勤めているサニーサイドインターナショナルスクールで「学校」をつくろうプロジェクトが始まりました。まずは、私が勤めている学校の雰囲気とプロジェクトの背景が少しでも伝えられたらと思いますので、動画をご覧いただけたら嬉しいです。

この学校プロジェクトの趣旨(詳細)は以下のページを読んでいただけたらと思います。

「そもそもプロジェクト名の『学校をつくろう』の学校が何を表しているのか?」
サニーサイドインターナショナルスクールは文科省も推進している次世代型グローバル教育「国際バカロレア(IB)初等教育プログラム」の認定校であり、学校としての機能は果たしていると思います。しかし、文科省の定める一条校ではないので、国からの金銭面のサポート(補助)はない中で運営されています。一方で、一条校でないことで、学習指導要領のポイントを押さえながら自由な実践をすることができています。
ちなみに、令和元年度の日本国内の一人当たりの学校教育費は以下のようです。

令和元年度の在学者一人当たり学校教育費は,小学校では98万9千円、中学校116万8千円、高等学校(全日制課程)は123万1千円となっている。また,特別支援学校が742万6千円と最も多く、次いで高等学校(定時制課程)の201万2千円となっている。

参考「小・中・高等学校の在学者数と一人当たり学校教育費の推移(リンク)」

もちろん、地方自治体によって児童生徒数は異なるので、自治体によって差はありますが、大凡小学校段階では1人あたり100万円の予算が使われていることになります。ちなみに、私がインターンをしていたフィンランドの自治体では、小学生1人あたりの予算が年間9000€=1,536,478円(1€=170円で計算)と日本の平均よりも1.5倍の金額が予算で使われていることが分かります。

ちなみにサニーサイドインターナショナルスクールの授業料は設備充実費を含めて月額60,000円(参考リンク)になります。これは、年間にすると児童一人当たり約72万円の予算になります。日本全国で広がっているオルタナティブスクールの授業料も大凡これぐらいのレンジであるので、義務教育と比べると少ない予算で学校運営がされている現状です。

「学校」とは何かについては、以下のnoteにもう少し詳しく考察したものを載せておきます。(オランダの教育制度についても少し触れています。)

日本において、一条校以外に国が補助金を出すことには賛否両論が多くあると思います。国がオルタナティブな学びを認め補助金を出すことで、保護者と児童は子どもの特性やニーズに合わせて学校を選択できるようになります。これはオランダの学校選択制に似ています。すると、これまでの学校教育制度は崩れる可能性があり、オルタナティブスクールに児童生徒が流れてしまい、結果的に国が負担する学校数が増えることに繋がったり、子どもたち一人ひとりの基礎学力の担保をするための管理が難しくなります。学力の面では、日本はOECD「生徒の学習到達度調査 PISA」2022度の結果を見ると、OECD諸国の中でかなり高いことがわかります。

参考:OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022のポイント(リンク

一方で、不登校児童生徒数の推移のグラフを見てみます。グラフからも、近年不登校児童生徒数が増えてきていることが分かります。

参考:令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(リンク

今の日本の現状としては、学校に通えている児童生徒の基礎学力はOECD加盟国の中でも高い成果が出ており、その一方で年々既存の公教育システムでは学ぶことができない、或いは学ばないことを選択している児童生徒が増えてきていることが分かります。

さて、話は「学校をつくろうプロジェクト」に戻りますが、このプロジェクトを通して、私たちの学校だけでなく、日本全国にあるオルタナティブスクールの学校の存在を知って、実際にみてほしい思いがあります。私たちの学校は、日本に数多くあるオルタナティブスクールの1つの事例になります。それぞれの学校に、それぞれの教育の特色があり、その教育のあり方から何か新しい視点を得ることができると思います。私自身も、日本の公教育以外の教育現場を見て、自分自身が受けてきた教育以外にも様々な教育メソッドや考え方、教育実践があることを知り、様々な観点から教育というものを考えるようになりました。その度に考えます。

「教育の正解ってなんだろう?」
「良い教育ってなんだろう?」
「そもそも教育現場に1つの正解は存在するのでしょうか?」

私たちの学校も、多くの人に見てもらうことで、フィードバックをもらい、私たち教職員にとっても実践を振り返る場になり、子どもたちにとっても、自分たちが何を学んでいるのかを学校にいる人以外に伝えることで、振り返る場になります。

この「学校をつくろうプロジェクト」が私たちの学校に遊びにくるきっかけになればと思っています。これまでにも、私の友人が10人以上が私の学校に遊びにきてくれています!多分、私は自分の働いている学校をいろいろな人に見てもらうことが好きなので、是非見にきて、一緒にこれからの教育について語るきっかけになればと思います。

なかなか訪問するにあたり、きっかけがなかったりすると思います。例えるなら、スタバという空間が好きだとしたら、コーヒーを買うことで気兼ねなくいくことができていると思います。もし、店員さんがいる無料のスタバだったら、ちょっと入りにくいと感じる人もいると思います。(私は無料だと入りにくいと感じる人です笑)実際に沖永良部島で中高生の居場所(ユースセンター)で学んだことですが、無料だと行きずらいと感じる人は一定数いました。何かを買うという目的があって、行くきっかけになり、行きやすくなりこともあります。

今、これまでに訪れた友人に学校を訪れて感じたこと、考えたこと、疑問に思ったこと、印象的だったことを聞いているので、楽しみにしてもらえたらと思います!

▼ サニーサイドインターナショナルスクールをみた率直に感じたこと
◎ 印象的だったこと
・1年生でもリフレクションでしっかり文章が書けていたこと
→大人が過小評価して、学びを奪っている機会があるのかも
・先生たちも生徒も生き生きとしているように見えた。
・学校内にラーナープロファイルなどの掲示がたくさんされていて、朝のアセンブリでも問いかけがあって、あれらを通して、共通言語や学校の文化が形作られているのかなと思った。
・元公立校の先生がおっしゃっていたこと
┗公立と学び方は違うけど、大切にしていることや向かっている場所はあまり変わらない
┗遊んでいるように見える瞬間も多いけど、真剣に考えている時間は圧倒的に多いと思う。
・いじめが起こりやすいように思われる10歳前後の子どもたちの中で、口論やけんかはありつつも、陰湿ないじめが見受けられなかったこと。
・子どもたちは、一番最初の最初から、私に気さくに声をかけ、仲良くしてくれたこと。
・香愛先生は、 “子どもたちに言ってあげなければならないこと”、”人に迷惑をかけてしまうこと” を中心に指摘すると教えてくださったこと。
・"子どもたちに考えさせること" を大切にされていること。
・「単一の科目を超えた学びの提供」という考え方。
- 自分が年齢とか学年に対して固定観念を持っていることを再確認。PYPからMYPへのつながりを見れた。それに、1年生の先生が「できないと思うとできない」(聞いたことは結構あるけど)を体現していた。
- 未来への光があるようなないような世界だった。(生きる力をつけているけど、受験の関係で、IBをやめている人がいるのは寂しい)意味があると信じて進んでいきたいけど、症例がないから心配している親。振り切りたいけど今の社会の中で生きると思うと難しい…。
- 「環境」の影響って本当にあるなと思った。私のところは、一条校だから、しっかりしているところはしっかりしていて、その分頭がお堅いイメージで柔軟性に欠ける。サニーサイドは、振り切っているなあと。
- 先生たちの悩みが、学校経営とかそういうところに向いていなく、どうこれを楽しく学ぶか・どう伝えるかとかに重きを向けることができる環境。
- IBの大切にしている価値観(学習者像や理念)は練り上げられているものなんだなぁ。(自分が受けてる時は気づかない)
- 「振り切れていない社会」(評価される社会と生きる力とかを大切にする世界とのギャップ)を感じた学校

◎ 疑問に思ったこと
・彼ら彼女らはどんな大人になるんだろう
┗どんな進路に就くんだろう

最後に私たちの学校の様子を表すいくつかの写真をシェアします!
(主に掲載許可がある私の教室、掲示物、授業の様子です笑)

  • ・G5/6の教室
    ゆっくり休める空間と、対話がしやすい環境づくりを大切にしています。

・昨年度の掲示物(学びのドキュメンテーション)
子どもたちがこれまでに何を学んできたのかを辿れるように、ユニットを通して学んだこと(思考のプロセス)を掲示しております。

毎月のLearner Profile
この月は「考える人(=Thinker)」を深める月でした。全部で10個あるLPを毎月1つずつ深めていきます。

是非、私たちの学校に遊びにきてもらえたらと思います!

実は、サニーサイドの小学部でも採用を始めています!現段階の情報はこちらになります!もし、興味がある方は、メール等でご連絡いただくか、まずは学校の雰囲気を見るために遊びにきてもらえたらと思います!

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