自分だけ面白い映画でいいじゃないか
The Last Letter From Your Lover
女性ライターが、取材の過程で、50年前に書かれた一通のラブレターを見つけた。
調べを進めて同じ宛名の複数の手紙も発見する。それらはある資産家の妻が夫に隠れて愛した男性から受け取ったものだとわかり、女性ライターは二人の濃密な時間と叶わぬ思いを知る。手紙の宛先だった私書箱は現在も解約されていないことも判明した。
1960年代の情熱的な恋愛物語と、恋と将来に悩む女性ライターの今が交互に描写されていく。
スマホのチャットが日常の女性ライターが、通信手段が限られていた時代の恋愛を想像するという設定。僕は電話のできない関係だった古い恋愛の記憶を蘇らせた。
映画の見方に良し悪しなんてないし、強いて言えばいろいろな見方を楽しみたい。
映画そのものの仕上がりとは関係がない、自身の記憶や思考を刺激されたりってことだってその映画の価値だ。
それは他の人には共感されない自分だけのレビュー。
余談だけど、僕は沢木耕太郎の映画エッセイが好き。「《愛》という言葉を口にできなかった二人のために」と「世界は《使われなかった人生》であふれている」という本にまとまっている。