小商いミニ知識:初めての会社設立 その1(定款認証手数料が安くなる!について)
こんにちは。ゆうき行政書士事務所です。
今年もあと少しになりました。2024年のうちに会社設立の定款認証手数料が安くなるというお話がありますので、ご紹介いたします。
株式会社を作るには公証役場で定款認証手数料が必要です(合同会社は不要です)
今回安くなるといわれる定款認証手数料、株式会社設立の際に必ずかかる金額なので、まずはどう変わるか見ていきましょう。
最安プランができました!
現状の手数料では、資本金の額に応じて
資本金100万円未満の場合は定款認証手数料が「3万円」
100万円以上、300万円以下「4万円」
300万円以上「5万円」
だったのですが、
今後は
①資本金100万円未満
②発起人が自然人で、かつ、3人以内
③発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける
④取締役会を設置していない
場合には、
定款認証手数料を1万5000円に改めるとのことです。
財務基盤の弱いスタートアップ企業の支援が目的とのこと。
変更予定日は2024年12月1日。もうすぐですね。
そもそも、株式会社ではなくて合同会社にしようか迷っています
会社を作ろう!と思った時に、合同会社か株式会社か、悩む方もいらっしゃると思います。簡単に、手続き面での共通した部分と異なる部分をご紹介します。(実態の違いは別記事にいたします。)
合同会社と株式会社の設立で共通する手続き
主に共通して必要な手続きはこちらです
・資本金の払込(現行法では1円でOKとなっています)
・定款の作成(会社の憲法と言われます)
・設立登記、代表印の登録(法務局への届出します)
・登録免許税の支払い(株式会社と合同会社で金額は違います)
・税務署、労働局、年金事務所などへの届出(税務署以外は状況により届出が不要な場合もあります)
異なる手続き
【株式会社のみ必要】
・公証役場での定款認証
手続きで大きく異なるのは「公証役場での定款認証」となります。
こちらについて、もう少し見ていきます。
公証役場って何?
公証役場とは、大事な契約などをするにあたり、作った書類を法的に正式な文章にしてくれる場所です。定款認証の他に、離婚の際の財産分与や養育費の契約を公正証書にすることや、別記事で書いた公正証書遺言の作成なども公証役場で行われています。
なお、公証役場で働いている公証人は、退職された裁判官や弁護士の方なので、キャリアを積まれた紳士が色々手続きしてくださるイメージです。
定款って何?
会社の組織や事業の目的などを文章に起こしたものが定款です。
定款の記録媒体は、紙でもPDFなどの電子データ(電子定款)でもよしとされています。
定款認証の流れ
紙の定款の場合は印紙税がかかってしまうので、今回は電子定款で、且つ公証役場に行く前提で手続きの流れを見ていきます。
①定款を作る
パソコンで文書を作るイメージです。
②実質的支配者の申告書に記入する
書類の名称がものものしいですが、株の保有状況を報告する書類です。以下の日本公証人連合会のホームページからダウンロードできます。
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4#newteikan
③申請する公証役場にメールか対面で、内容のチェックを依頼する
事前チェックは基本的に依頼します。この時点では定款はワード(編集可能)の状態でやりとりします。
④公証役場からチェックが終わったデータを受領したら、認証を受ける日をメールか電話で予約します
⑤定款をワードからPDFに変換し、「登記・供託オンラインシステム(※1)」指定の方法で電子署名(※2)を行います。
⑥登記・供託オンラインシステムにログインして、手順に従い申告書を作成、電子署名をつけた定款を添付しアップロード
⑦公証役場へ定款をアップロードした旨を連絡
⑧公証役場から準備完了の連絡
⑨認証を受けに必要な物(CD-ROMやお金)を揃えて公証役場に出向く
定款認証手数料の他に、登記申請用に定款の謄本を作ってもらうため、
その謄本手数料として2000円程度(1枚250円で通常は8枚程度)かかります。
⑩公証役場で認証を行う
認証が終わると、認証した定款をCD-ROMに焼いてくれます。
(※1)登記供託オンラインシステム
登記や供託をオンラインで申請できるサイトです。電子署名をするソフトなどもこちらのサイトからダウンロードできます。
(※2)電子署名
個人もマイナンバーカードを使うと電子署名が作れます。ICカードリーダーが必要なので、それも踏まえてご検討ください。士業に依頼する場合は電子署名に対応している方かご確認ください。
雑感
国がスタートアップ企業の支援に積極的ということで、個人的には新しいビジネスが生まれることが楽しみです。次回は合同会社と株式会社の中身の違いについて見ていきたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。