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空き家対策ミニ知識:サブリース契約は慎重に

こんにちは。ゆうき行政書士事務所です。
昨今話題のサブリース契約について、ゆっくり見ていきたいと思います。


サブリース契約とはなんぞや

サブリース契約とは、大家さんが所有しているアパート等を一括でサブリース事業者(不動産業者や不動産管理会社)が借りて、入居者に部屋を又貸しする形の契約です。

アパート等のサブリース契約を検討されている方は 契約後のトラブルにご注意ください! 金融庁、消費者庁、国土交通省 資料より抜粋

大家さん(上の図の貸主)が管理会社にアパートの管理だけを委託する契約とちょっと似ているので、共通点と相違点を書いてみます。

サブリース契約と管理委任契約の違い

【サブリース契約】
・管理業者が大家さんからアパート等の全室を借り上げる賃貸借契約
・管理業者が手数料を引いた一棟分の家賃を大家さんに支払う
・管理会社から大家さんに払う賃料について、空室保証(空室が出ても関係なくこの金額を支払います)という契約をすることがある
・大家さんと管理業者の契約が賃貸借契約のため、借地借家法が適用され、大家さん側から管理業者に解約をしにくく(借地借家法第28条)管理業者からは契約期間中でも解約することができる
・管理業者が入居者から賃料を受け取る
・管理業者に入居者の家賃の決定権がある
・管理業者が建物の管理を行う
・管理業者が入居者の賃料トラブルの対応を行う
・大家さんがリフォーム代金を原則として支払う

【管理委任契約】
・管理業者に大家さんが管理業務を委任する委任契約
・管理業者に大家さんが管理委託費(管理手数料)を支払う
・大家さん、管理会社、原則としてどちらからも契約を解除できる
・大家さんまたは管理業者が入居者から賃料を受け取る(契約による)
・大家さんに入居者の家賃の決定権がある
・管理業者が建物についての管理を行う(管理の範囲は契約による)
・大家さんが賃料トラブルの対応を原則として行う
・大家さんがリフォーム代金を原則として支払う

サブリース規制法とは

サブリース契約の形を使って社会問題となった「かぼちゃの馬車事件」https://si-hd.org/overview/pumpkin

をはじめとして、管理業者が賃料を減額したり、解約したりすることによるトラブルが発生したことから、サブリース規制法(正式名称:賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律2020年12月15日施行)ができました。
主な内容としては以下の通り。

・不当な勧誘行為の禁止(第29条)
・誇大広告の禁止(第28条)
・特定賃貸借契約前の重要事項説明(第30、31条)
・「勧誘者」も規制の対象(※)
(※)特定のサブリース業者と関係をもち、大家さんにサブリース契約(厳密にはマスターリース契約といいます)を結ばせようとする者を「勧誘者」と規定し、勧誘者も第28条、29条の規制を受けることとしています。

サブリース規制法の違反を発見した場合は

サブリース規制法の違反行為を発見した場合、こちらのサイトから申出書をダウンロードしてメールを送ることができます。また、個別の相談先も掲載されています。

なお、サブリース規制法の違反があった場合は、是正するための指示を行うこと、その業者の公表(第33条)業務停止命令とその業者の公表(第34条)、や懲役(第41条、42条)、罰金(第41条〜45条)過料(第46条)に処せられることがあります。

ちょっと感想

サブリース契約は一見メリットが大きいように思いますが、管理会社側は家賃の減額請求や解約請求できることなど、大家さんにとってのデメリットを十分理解した上で、慎重に判断することが大切かと思います。

国土交通省ホームページより

次回は、リースバックについて見ていきたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。

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