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相続ミニ知識:相続人の切り札!?相続放棄について その1(放棄するのも期限あり)

こんにちは。ゆうき行政書士事務所です。
相続はお亡くなりの方の財産を分ける一方で、負債も分けることになります。お亡くなりの方の負債を払えない!というときに一考の余地がある、相続放棄についてみていきたいと思います。


相続財産を放棄したい!でもいつまでに?

相続財産を放棄するかについては、お亡くなりになった事実があって、その方の財産を相続する可能性があると知った時から3ヶ月以内です。
なお、この期間は利害関係人か検察官の請求によって、家庭裁判所で延長することができます。(民法915条1項)
もし、何もせずに3ヶ月過ぎた場合は単純承認したとみなされます。(※)
(民法921条2項)
(※)単純承認したとみなされるケースはほかにもありますが、相続放棄がメインなのでここでは割愛します。

相続財産については以下の3パターンを選ぶことができ、②と③については家庭裁判所に申出が必要となります。
①単純相続:プラスの財産もマイナスの財産も全部引き継ぐ
②相続放棄:プラスの財産もマイナスの財産も全部引き継がない
③限定承認:プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ

一見すると③の限定承認はマイナスの財産がある場合便利そうですが、
相続人全員の同意が必要であったり、そもそも弁済の必要があるなどデメリットもあるので、慎重に判断することが大切です。
なお、令和5年度の相続放棄の受理件数は299,211件、限定承認の受理件数は760件(令和5年度司法統計より)です。

相続財産がわからないけど、、、

民法では、相続人は相続の承認又は放棄をする前に相続財産の調査をすることができる(民法915条2項)とありますが、亡くなった方の財産の確定は大変です。

マイナスの財産の確認方法として、メモや督促状、契約書を探すことのほかに金融機関情報の管理先に借入先を確認することができます。
①JICC(株式会社日本信用情報機構)消費者金融や貸金業者からの借入
②CIC(株式会社シー・アイ・シー)主要なクレジット会社の借入
③全銀協(一般社団法人全国銀行協会)銀行からの借入
ご参考までに開示した書類のサンプルをご紹介します。

CICのホームページより(上部の登録元会社が借入している会社です)

なお、これらの機関に問い合せても、個人間の借金などは掲載されませんので、別途確認することが必要になります。できれば相続になる前にエンディングノートなどで財産を洗い出しておくといいですね。

次回は相続放棄の方法についてゆっくりみていきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。

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