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親の相続ミニ知識:自筆証書遺言書保管制度って結局何でしょうか その2(あれこれ便利になりました)
こんにちは、ゆうき行政書士事務所です。
令和2年にスタートした自筆証書遺言書保管制度は、今までの自筆証書遺言とどう違うのでしょうか。ゆっくり見ていきたいと思います。
ざっくり言うとどんな制度なの?
自分で書いた遺言書を3900円で法務局に預かってもらえる制度です。
ちょっと細かい条件を記載すると、、、
・形式は法務局の定める形になります。
・申請者が法務局へ出向き申請します。
・住所変更等した場合、変更届が必要です。
・申請時の希望で、お亡くなりになった際に相続人等へ法務局が遺言書保管の旨を通知をしてくれます。
・相続人は申請者がお亡くなりになった後、法務局で遺言書の閲覧や写しを請求できます。(戸籍等の添付書類要•手数料要)
この制度を利用する場合と利用しない場合の比較はこちらのとおり
![](https://assets.st-note.com/img/1730836198-yTJqlfzx8IQSZdYE3m6sbcWF.png?width=1200)
こんなメリットがあります
この制度のメリットを見ていきましょう。
①申請の際に、法務局にて形式的なチェックをしてくれます
→形式不備で無効になることは極めて少なくなります。
②遺言書は原本と画像データで保管されます(原本:遺言者死亡後50年、画像データ:遺言者死亡後150年)
→自宅で保管している場合と違い、紛失や改ざんの心配がないですね。
③お亡くなりになった後、家庭裁判所の検認(※)が不要です
→相続人にとってかなりの負担減ではないでしょうか。長くなるので、家庭裁判所の検認については次回ご紹介いたします。
④希望すれば、お亡くなりになった時に相続人に通知が届きます
→せっかく作った遺言書が、忘れ去られる危険性がなくなります。
⑤お亡くなりになった後、相続人は最寄りの法務局で遺言書の画像データを閲覧できます(原本は預けた法務局のみで閲覧可能)し、郵送で内容の写しを取り寄せることもできます。
→遠方の相続人にも便利ですね。
⑥⑤の作業を相続人のどなたか行った場合、相続人の全員に遺言書が保管されている旨の通知が行きます。
→一部の相続人のみが遺言書の存在を知っている、といった事態が回避できます。
デメリットとして考えられるのはこちら
①遺言書の内容の有効性を法務局が保証してくれる制度ではありません!
→例えば、申請者が実は遺言書を書いた時点で認知症であった場合など、内容が無効となる可能性もあります。法務局に預ける際に形式チェックはしてもらえますが内容はチェックしないので注意が必要です。
②法務局で定められた形式はかなり厳格です。
→1)大きさ:A4サイズ
2)余白:上側5mm,下側10mm, 左側20mm,右側5mm
3)片面のみに記載
4)各ページにページ番号を記載 (1枚のときも1/1と記載)
5)複数ページでも,とじ合わせない (封筒も不要)
記載の際はぜひリンク先のパンフレットをご覧ください
https://houmukyoku.moj.go.jp/asahikawa/page000001_00203.pdf
②数千円とはいえ、手数料がかかります
→手数料の一覧はこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1730909358-lq61JNvrtFUIEWGejLYZHmDO.png?width=1200)
③申請者が法務局に行く必要があります
→法務局に行けない状況の方は利用できないのが現状です。
④遺言を預けた後に住所等の変更があると、変更届を出す必要があります
→状況によっては変更届を出すことが難しいことがありそうです。
⑤原則として預けた遺言書の原本は返ってこない
→相続人は原本の「閲覧」や「写し(証明書)」の交付は請求できますが、受け取ることはできません。申請者は遺言書を撤回する場合のみ、原本を回収することができます。
せっかく作った遺言書、後々争いが内容にしたいですね。
次回は家庭裁判所の検認って何?についてご紹介いたします。司法書士さん、弁護士さんのお仕事内容なので、このテーマは自筆証書遺言書保管制度がどれだけ便利になったのか!をお伝えするために、公的機関が公表している内容をゆっくりご紹介します。
読んでいただきありがとうございました。