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相続ミニ知識:戸籍集めが劇的に楽になりました!(その2)
こんにちは。ゆうき行政書士事務所のゆうきです。
前の記事に引き続き、2024年3月1日からスタートした新制度「戸籍証明書等の広域交付」で、戸籍集めが劇的に楽になった!ことをご紹介します。
誰が、誰の戸籍を取れるの?
戸籍を取れるようになった、とはいえ取れる親戚の範囲は限定されています。
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相続ではお亡くなりの方の出生から死亡までの戸籍と、各相続人(※1)の現在の戸籍が必要になります。
(※1 誰が相続人になるかについては、話せば長くなるケースがあるので別記事で取り上げます)
例えば、Aさんのお父さんが亡くなって、存命のお母さんと弟がいるパターンの戸籍集めはどうなるかというと、、、
①Aさんが最寄りの市町村役場で取れる戸籍
•お父さんの出生から死亡までの戸籍全部事項証明書(※2)
•お母さんの現在の戸籍全部事項証明書(※3)
•Aさんの現在の戸籍全部事項証明書(※4)
②Aさんが取れない戸籍
•弟の現在の戸籍全部事項証明書
ということで、Aさんがメインで相続手続きについて動きます!となった場合、お父さん、お母さん、Aさんの戸籍は最寄りの市区町村役場で準備できて、弟さんの戸籍は「自分でとってね」となります。(※5)
(※2)前回の記事でご紹介したとおり、コンピューター化される前の戸籍は本籍地以外の市区町村役場では取り寄せできません。お父さんの出生時期によっては本籍地の市区町村役場に取りに行くか、郵送で取り寄せることになります。
(※3)お母さんの現在の戸籍は、お父さんの亡くなった時点の戸籍に載っているケースが多いです。誰かの戸籍に一緒に載っている場合は、その人単体での戸籍は取り寄せなくて大丈夫です。
(※4)相続する人の戸籍は「戸籍全部事項証明書=戸籍謄本」ではなく「一部事項証明書=戸籍抄本」で大丈夫です。前回の記事でご紹介のとおり、本籍地以外の市町村役場で取れるのが、戸籍全部事項証明書であることと、戸籍全部事項証明書も一部事項証明書も発行手数料が450円と同額なので、今回は一律で戸籍全部事項証明書と記載しています。
(※5)委任状がある場合などは弟さんの分もAさんが取れますが、弟さんの本籍地の市区町村役場に取りに行くか、郵送で取り寄せることになります。
戸籍のサンプルはこちらです↓
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次回は、最寄りの市町村役場の例外をご紹介します。
この制度について、法務省が提供しているチラシのリンクも貼らせていただきます。ご参考になれば嬉しいです。
https://www.moj.go.jp/content/001409033.pdf