外科室 泉鏡花
30分で読める古典文学の紹介です。青空文庫にあります!
~あらすじ~
上流階級御用達の病院に所属する主人公。医学士の友人、高峰と共に勤務している。
伯爵夫人の手術を任されたのだが、夫人は「麻酔しないで、手術してくれ」という。理由を聞けば、
"麻酔で朦朧としていると、秘密を喋る"
という話を信じている。立ち会ってくれる夫にも言えないので、このまま始めてくれと譲らない夫人。高峰はそれを承諾する。看護婦も驚く中、手術は進んでいく。
夫人と高峰は、学生時代に植物園ですれ違ったことがあった。その二人が手術台で相対している。
「あなたは私を知らないでしょうね!」と言う婦人に「忘れません」と返す高峰。高峰は地位も年齢も文句なしのはずなのに、独身を貫いている。
しばらく時が経って夫人がこの世を去ったあと、高峰も後を追うように旅立った。
🟡好きなところ
主人公は、手術台でのやり取りを見て
二人の身辺には、天なく、地なく、社会なく、全く人なきがごとくなりし。
ただの男女、人間同士が感情をぶつけ合ってるみたいな感じって私は読み取ってます。それから、後を追うように逝ってしまう高峰に、
お前、、お前ー!!(語彙死亡)って天を仰ぎました。
本文が昔の言葉すぎるので、気をつけてください。私はフィーリングで読んでます。