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旅の記録 12月1日・乗りつぶしで大移動

旅の2日目。
今日から12月、と言うに相応しい、寒〜い高野山の朝。

朝の宿坊

6時過ぎに起きる。
夜中は結構ほかの人が廊下を通る音が聞こえてうっすら目覚めたけど、そのわりには深く眠った気がする。

雨がしとしと。出かけるまでに止むといいなーと思いつつ支度。
この寒さに、実家から持ってきてみた父のダウンベストが役に立った。それと極厚靴下などで防寒バッチリにして。


6時半、朝の勤行。お堂の中はやはり薄暗く、たくさんの蝋燭の灯りが幻想的。
坐禅かと思ったら椅子で楽ちん仕様。ヒーターもガンガン点いててむしろあったかいくらい。
楽しみにしてた声明と真言はそんなになくて、読経がメイン。それも聴いてるだけだから、一緒にお勤めするというよりは、見学?
まあでも真言宗のお勤め自体は初なので、所作とか使ってる法具などは興味深い。

お勤めが済み、少しお話が。こちらは高僧がご住職で通常はその方がお勤めをされているようで、至らぬ点が〜などと仰る。いえいえそんなことは感じませんでした。
それと寺院の説明など。お大師さま開創からの略歴から始まり、お勤め場所のお堂にある上杉謙信や夏目漱石など有名人の位牌の話に、文化財の仏像も安置とか聞いてワクワク。

解散後、見学してよいとのことで、堂内を拝観。
位牌は戒名で書いてあるからわかりづらいけど、大きいのはやはり有名人。
御本尊は通常秘仏なので見られないけど、文化財の不動明王などを見せていただく。最初遠くから見ていたら、近くでどうぞと仰っていただき、ごく間近で拝見できその説明もしていただいた。

満喫して、昨日と同じ会場で朝食。
朝は本当に質素。汁物にがんもどき、焼き海苔、煮豆とお漬物くらい。
今回の汁はお味噌汁で、これがまたほんっとに美味しい。。。ほぅっとなる。
そしてやっぱりお米が美味しくて、私の好きな芹で副菜があったこともあり、なんと完食!福島出身で米にはうるさい私が言うんだから、何かあるに違いない。やっぱお水かな??

食事を終えて部屋に戻ろうとしたところで、読経の声。般若心経だった。
また何か別のお勤めしてるのかなーと思いながら食事場所を出ると、さっきお勤めをされてた僧侶の方が、堂内にある小さな御廟的なものとか神棚のところで読経をしていて、堂内各所でお勤めするんだと初めて知った。

部屋戻って出立準備。
昨日のお土産類が増えた分、テトリスのように荷物を詰める。きっちり入って満足。
そうこうしてるうちにバスにちょうどいい時間になり、チェックアウト。昨日のおじさんがいて、酒の話などをする。
ちなみに芹の副菜は作り方聞いたら、出来合いだそうでwお土産やさんにはないらしいから業務用かな?そうだよね、精進とはいえ業務用もあるよね〜と妙に納得。そしたらお出汁も…?まさかサトウキビ由来のアミノs(ゴフッ)
美味しかったからいいけど。

外でたら、ちょうど雨が上がったところ。やったね、これで傘出さなくて済むー!
最後に御朱印いただき、ご挨拶をして。一の橋を遠目に見てお大師さまにもご挨拶をし、出立。

大移動スタート

バスもすぐに来て、そのまま高野山駅へ。
途中のお土産屋さんもう開いてるのを見て、高野山は朝早くて夜早いと実感。
駅で、当初組んでた予定より早い時間だから1本見送ってお土産見ようかなと思ったら、次の発車が40分後だと言われてあわてて乗り込む。
極楽寺でも次の発車がすぐ。接続がいいのは助かるけど、逆に良すぎてもう2、3分余裕が欲しいわ。。。
行きは見れなかった谷側の車窓を楽しむ。
というかすれ違い待ちが多く、だいぶ時間かかった。

橋本で降り、JRのきっぷを買いにみどりの窓口へ…と思ったら、営業してない!!!
ここから和歌山経由紀勢線での名古屋行きというへんな経由の長距離片道切符を買ってやるぜ!と思ってたのに〜〜〜〜
仕方がないのでとりあえずSuicaで入場、、、電車すぐ来たから乗り込む。奈良線も初。
途中、学生がいっぱい乗ってきて騒がしいのと車窓が見えないのとで、寝落ち。
気づけば和歌山の手前。1時間くらい寝たかな。

和歌山途中下車

終点降りて、ホーム内にIC改札があるのを見てびっくり。どゆこと??
ホーム両端にあって、改札通らないとほかのホームにも駅外にも出られない。きっぷ買いたいんですけど〜〜〜汗
システムがよくわからず、精算窓口がホームにあったのでそこで聞く。
行き先告げると、Suicaの上限超えるから(そらそうだ)乗り越しのきっぷはやはりみどりの窓口で買わないとならないとのこと。
Suica入場してるので、この場合どうなるかと聞くと、ホームの改札はタッチしてもらって、そのあと駅改札に出てからの精算とのこと。
しょうがないので、橋本発紀勢線経由名古屋ゆきの記載は諦め、駅改札もSuicaで通って精算。

みどりの窓口で乗車券を買う。
紀勢線経由名古屋いき乗車券は難なく買えた(変な経由で買うとたまに戸惑われる…)乗りつぶしの人がいるんだろうな。

特急券は後で。次の特急は、すぐ来るのは白浜止まり、新宮まで行くのは1時間少しあと。
早いのに乗って白浜で途中下車もいいかな〜と思いつつ、和歌山駅ビルをぶらり。
地酒の試飲コーナー発見!!うん、これは次の新宮行きだね。と決めて、ゆっくり酒を選び数種類いただく。
やっぱ知らない酒が多くて、わが母校の創立者大隈重信が名付けた酒もあった。と言いつつ結果、南方熊楠の実家の酒を買う。

もうちょい時間があり、お昼どうしようかなーとさらにぶらり。駅弁はあまり魅力を感じず、普通のお弁当屋さんもあるけど好みのがない。
結果、和歌山ラーメンを食べてみることに。父もラーメン好きだし。
豚骨醤油の細麺、濃いめだけどそんなに脂強くなくておいしかった。

時間的にもちょうど良い頃合いに。特急券買って、指定席は海側にしてもらった。車内用の酒とつまみの調達にキオスクへ。見てたらなんと!「銀河」のグッズが!!!乗ってないけど買う。やったね!

改札通って、入線待ち。
来た特急は、パンダ車両ー!そこまでチェックしてなかったからラッキー感強い〜。
車両ラッピングだけでなく、車内のドアやシートのカバーなどにも動物。楽しい。
結構混んでいて、ガヤガヤと賑やかな車内はレジャー電車の風情。遠慮なく酒を開けて、まったり。白浜までは乗ったことあるけど、その先の未踏路線はほんと楽しみ。

とか言いながらちょっと寝てしまっていた。
白浜の少し手前で気がつく。見たことある風景。
そーいえばアドベンチャーランドでコウテイペンギンの雛がいるんだよな…時間あれば寄りたかった。。。と寝ぼけ眼でうっすら思う。
8割くらいの人が白浜で降り、車内がかなり空いた。さあここからが今日のメイン!やっぱ鉄道乗りつぶし地図持って来ればよかったなあ。
海が見えてくると俄然テンション上がる車窓派の私。けっこう波が荒い熊野灘。この海を越えてきた古代の渡来人に想いを馳せてみたり。
そして橋杭岩!「銀河」乗ってたらこの辺で朝日と朝食だったのかー。空海の伝説もさもありなんな奇岩と荒波。
この付近。紀伊半島南端は私の中で、中上健次の影響かすごく寂れた陸の孤島のイメージだったけど、駅付近を見る限りでは普通の田舎の町。私の実家付近も似たようなもんだからかな。百聞は一見に如かず。

新宮到着!

和歌山から4時間弱はさすがに長いかなーと思ってたけど、ちょっと寝たのと高揚感のおかげでわりに早く感じた。
気分的には、小笠原初上陸の時と同じくらいの達成感。
こないだ「八雲立つ」読み返してたから、そういう意味でもわくわく。
「銀河」のウェルカムボード的なやつとか、八咫烏のイラストがそこかしこにあって物珍しく、遠くに来た感が高まる。

今日はまだこの後、湯の峰温泉まで1時間以上バス乗って行くから気は抜けない。
明日の戻りを踏まえてバスの2日間フリーパス買って、徐福公園をちらっと見て。ぜんぜん徐福伝説は感じない、アジア風なちっこい公園だった。
バス待ちの間に軽く飲めるところを〜と歩いてみたけど、当初予定してたお店が休みで(さすが閑散期…)、近くでやってたお寿司屋さんに入る。でっかいクエ?が生簀にいた。
ゆっくりできるなら食べたいものいろいろあったけど、かるーくお刺身と日本酒ちょっと程度。これから湯の峰まで行くと言ったらびっくりされた。

コンビニで非常食兼つまみと酒を買い込み、バスへ。
1時間以上乗ると思ってた余裕と暗いせいか、すぐ寝落ち。
起きたらちょうど目的地の3つ前くらいで、自分の腹時計というか体内磁石というか感覚にびっくりする。ほんと人乗ってない。

湯の峰温泉

バス降りて。ほんっとにレトロな風情の、いい意味で鄙びた小さな小さな温泉町。日本最古の謂れがあるのも頷ける。これは明るい時にちゃんと見たいなあ。
街灯も少ないし結構坂もあるしで、夜目の効かない私はやや迷いながら宿に到着。個室のあるゲストハウス。
チェックインして、フロントで売ってた熊野ビール買って部屋へ。個室にしたから、荷物や生活音やもろもろ気にしなくていい。荷物が多い時のドミトリーはやっぱ気を遣うしな。

門限後は暗証番号で出入りとのことで安心して散歩がてら、ここの目的の一つである壺湯を見に行く。
と空いてるので、受付してそのまま入浴することに。ラッキー!ここ絶対入ってみたかったし、明日の朝だと空いてないかもしれないもんね。
これは…ほんと、すごい…!いろんな意味ですごい!実際行ってみないとわからないよこれ!最古の湯という謂れも相まって、ちょーテンション上がる。
これはあえてあんまり詳細書かないでおく。

ホクホクしながら帰ってきたら、なんと宿の扉が開かない・・・!
何回やってもダメで、夜間電話も通じないしで、さすがにドキドキ…しながら他のお客さんのいる部屋の窓を叩いて気付いてもらい、事なきを得た。マジでどうしようかと思った。

気を取り直して、宿のお風呂。自由に貸切できるタイプの小さい浴室で、空いてたからすぐ入れた。
お湯自体は濁り系でとろみある感じ、すごくあったまる。とはいえ壷湯も入ってるし、湯あたりしない程度に短めで上がる。

体と心の緊張が一気に解けて、ビールちょっと飲んだだけで寝落ち。
いかに私が乗り鉄とはいえ、若い時の18きっぷ旅と同じノリ(行けるとこまで行っちゃおうぜハッハー!)は身体にはやっぱキツいってことかな。
本日の移動距離、何キロ??






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