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院長の小言 vol.33

「冬の寒さ VS 私」~勝負の行方は?~

1月後半ともなると、寒さが本気を出してくる。
まるで冬将軍が「ここからが本番だ!」と叫んでいるような冷え込みだ。
私はもう、布団から出るのに毎朝全力を使い果たしている。
目覚ましが鳴るたびに、「あと5分…いや10分…いやいっそ春まで寝かせてほしい」と交渉するが、現実は非情である。

そんなある朝、ついに事件が起こった。
寒さに耐えかねて、布団の中で丸まりながら「これ、布団ごと移動できないかな?」と考えたのが運の尽き。
私は布団を肩にかけたまま、ペンギンのように歩き出したのだ。

だが、ここで問題が発生する。

布団を羽織ると、視界が悪い。
さらに、足元も不安定。
結果、私はリビングのテーブルの角に足の小指を強打。
あの衝撃、あの痛み…!人間は極限状態に陥ると声が出ないというのは本当だった。
私はしばらく、無言で床を転がり回った。




そんな私を見つめる香織先生の冷たい視線。


香織先生:「何してんの?」

院長:「……冬と戦ってる」

香織先生:「負け戦じゃん」

まさにその通りである。

そんな戦いを繰り広げている私だが、寒さ対策に関しては真剣だ。
今年は「着る毛布」を導入し、動きやすさと暖かさの両立を狙った。
しかしこれが思いのほか優秀で、気づけば私は家の中でずっとモコモコした怪しい生物と化していた。


そして、家族からのクレームが入る。


「なんか家に未知の生物がいるんだけど」

「せめて普通の服を着て」


香織先生の冷たい目線 イメージ


いやいや、寒さには勝てないのだ。服よりも暖かさ優先である。
私は堂々とモコモコ怪獣として生活を続けることを決意した。


そんなわけで、冬の寒さとの戦いは続く。
春が来るまであと少し、それまで私は布団と着る毛布に守られながら、なるべく足の小指をぶつけないよう慎重に生活していくつもりだ。


…それにしても、小指を強打すると何であんなに痛いんだろうか。
冬よりそっちのほうが敵かもしれない。

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