思い出の一冊『MISSING』本多孝好さん著
今日は、本の紹介をしようと思います。
このnoteでやろうと思っていたジャンルで、1回目の本紹介では、私にとって「思い出の一冊」とも言える、この本の紹介からさせていただければと思います。
メンタルヘルスやビジネス、習慣術などのジャンルも、少しずつ追加していきますので、好きなジャンルのお話が来るまで、気長にお待ちいただけたら幸いです。
行間の息遣いを感じた本
私の「思い出の一冊」は、本多孝好さんの『MISSING』(双葉文庫)です。
2001年11月に第1冊が刊行された本で、本多さんのデビュー作となる短編集です。
完全に私見ですが、最初の作品にはその人のベースとなる個性がふんだんに輝いている気がしていて、デビュー作に贔屓目なところがあるかもしれません。
ちなみに、時代背景でいうと、当時大学生の私は、2002年に開催される日韓ワールドカップに夢中で、夜中まで友人とサッカーゲームに明け暮れる普通の大学生でした。
私自身は、普段からスポーツ熱はまったくないので、このとき、いかにサッカーワールドカップが盛り上がっていたかを察していただけるとうれしいです。
そんなときに、出会ったのがこの本で、読了以降、親しくなった人が「何かいい本ないかな」と口にしようものなら、必ずオススメしていたのがこの『MISSING』でした。
ざっくり説明すると、「このミステリーがすごい!」にランクインしている作品で、ミステリーの要素が散りばめられています。
しかし、私が虜になったのは、そこに描かれる恋愛と価値観、そして、このセクションのタイトルにもなっている「行間」でした。
頁を繰る手が止まる。本を閉じ、目を閉じる。
衝撃的な展開、と書くと安っぽくなってしまいますし、大どんでん返しのような類のものではありません。
しかし、「そうきたか」という(悲しいほうへの)展開、そして、本のタイトルでもあるMISSING、どの短編も共通して「喪失感」だけが確かに存在しています。
衝撃を受けた段落を読み終わった後、そのままスッと読み続けることができませんでした。
一度本を閉じ、深く息を吐いて、気持ちを整えてから続きを読み始める。
行間に息づくものを感じたこと、そして、味わいながら読み進めること、そうした読書体験は初めての経験でした。
*本好きのみなさんからすると、日常茶飯事かもしれません。
今も心のどこかにある作品
内容に関しては、短編集ということもあり、ネタバレになってしまうので、あまり多くを語ることはしません。
*ここまで本の内容について触れていない「書評」も珍しいのではないでしょうか(笑)
この本を通して、何か人生の大きな学びを得たとは言い難いと思いますし、直接的に人生が大きく変わったこともないと思っています。
しかし、あの独特の切なさ、儚さとも言える感覚は今も確実に残っていますし、こうしたことが正に、「取るに足らない大事なこと」なんだと私は思うのです。
本が大好きな方、ぜひ色々教えてください
私は本が好きで、電子書籍で読む本も多いですが、やはり、大好きな本は印刷物として手元に置いておきたい派です。
本が好きなことと、Webライティングの道を選んだことは、決して無関係ではないと確信しています。
しかし、完全にマイペース、しかも、独学でやってきたため、読書会や素敵な読書スペースなど、いわゆる読書コミュニティのことを知りません。
Xで、今改めて「素敵だな」と思うみなさんのポストを拝見していますが、まだまだ初心者なので、みなさんの
・好きな本
・お気に入りの読書空間
・読書コミュニティの情報
など、どんどん教えてもらえたら、うれしいです!
最後に、今回の記事を書くにあたって、本当に本がお好きなんだなというあったかい気持ちがあふれていた、ひじりさんのnoteもご紹介します。
ひじりさん、素敵な記事をありがとうございました。
コメント欄やXのDMなどで、ご意見やご感想、「私もMISSING大好きです!」というお言葉、待望しております!