師走の怪異|たらはさん毎ショ「忘年怪異」
最近、「怪異」というのが流行っているらしい。視える人にしか見えないとか。そういえば、「思春期症候群」とかもあったっけ。あれみたいなものか。
どちらにせよ、ボクには関係ない。
世間は、すっかり一年で一番キラキラした時期に向けて動いてる。
「師走」なんて、いかにもじゃないか。一年の締めくくり、飲み会や年が越せない仕事、印刷済みの年間行事。詰め込み過ぎだろう。
そんなとき、キミに出逢った。この集まりに興味がないことが露骨にわかる席に座っているボクに、キミはたくさん話を聞いてくれて、キミの話を聞かせてくれた。あぁ、こういう人と過ごしたら毎日が楽しいかもしれない。
「この後どうする?」
こっちはやることがあるんだ。帰るに決まってるだろう。何かを狙う意思が透けすぎてイヤだった。
あれ、キミは?
毎回飲み会に行くときにどこかで願っているイメージ。アニメや小説で何度も見てきた展開。あぁ、これが忙しい師走が見せる「忘年怪異」なのか。
<了> (405文字)
今回は、たらはかにさんの毎週ショートショートnoteのお題「忘年怪異」に参加させていただきました!
いいなと思ったら応援しよう!
エール・投げ銭的な形でいただけるとうれしいです!わたし自身もエシカル消費的な発想が好きなので、お互い応援したい人にサポートしましょうね!いただいたサポートは、お気に入りの文房具やツール関連の費用に使わせていただき、noteでも紹介しますよ!