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わたしの推し美術館とつながる世界『昭和モダーン モザイクのいろどり』【泉屋博古館東京】

今回も「#灯火Art Week」期間ということもあり、Art Repotをお送りします!泉屋博物館東京のことを書くのは、今回が2回目となります。
2回目に買ったぐるっとパスで行ってきました!

そのなかで、「あぁ、わたしはここの美術館が大好きなのだ」としみじみ思ったので、今回は1つの企画展を紹介するに留まらず、少しテイストを変えてお送りしていきたいと思います!

泉屋博古館東京
『昭和モダーン モザイクのいろどり 特別展 板谷梅樹の世界』

・開催期間:2024年8月31日~2024年9月29日【会期終了】
・特集展示「住友コレクションの茶道具」
・住所:東京都港区六本木1丁目5番地1号
・最寄駅:六本木一丁目駅が最寄り駅で、神谷町からも近いです。

今回紹介する企画展

▽公式HPはコチラ

泉屋博古館東京は、旧住友家の別邸跡地に、住友家が蒐集(しゅうしゅう)した美術品の保管、調査研究、展示公開を主な目的として、設立された美術館と説明されています。いわゆる、私設美術館ですね。

▽ちなみにこちらが、前回『歌と物語の絵』のArt Repotです!

ここがスキ! ①広さと空間

公式HPのフロアマップより

⑪のエントランスから入って、⑥の中央ホールを起点に各展示室を回っていきます。展示室ごとにテーマが設けられていることが多く、非常に見やすいのと、全体をじっくり回って大体1時間くらい

余りに規模が大きいと、一つ一つじっくり見ていると何時間もかかるケースもあります。もちろん、それはそれで気合いを入れてスケジュール調整をして1日浸るのがいいのですが、この規模感はわたしはジャストフィットでした。

また、延々と1本道が続く形ではなく、1展示室ごとにホールに戻ってくるため、一息つくことも可能です。構造上ホールから各展示室の奥まで見通せるわけではないのですが、なんというか「手が届く範囲」の安心感のような感覚が心地いいと思える広さでした。

ここがスキ! ②展示の仕方

わたしが伺った企画展は、どちらも展示室の写真撮影が不可のため、写真でお伝えすることができないのですが、展示品の置き方やキャプション、展示室前のテーマ説明など、個人的にドンピシャでした!

もちろん、他の美術館がダメという話ではないのですが、全体の明るさと間接照明、置き方などが個人的な好みと凄くマッチしているということだと思います。

最初に行ったときには比較対象が少ないこともあり、実感として薄かったのですが、複数の美術館や博物館に行くようになったことで、改めて身に沁みた感覚でした。

ここがスキ! ③ショップのラインナップとクオリティ

今回の企画展グッズから しおり

泉屋博古館東京のショップは、規模感としてはとてつもなく広いというわけではありません。しかし、泉屋博古館のオリジナルグッズや企画展ごとのグッズが多く、毎回ワクワクしながら選んでいます。

また、マスキングテープやブックカバー、一筆箋など個人的に好きなジャンルのものが多いのも好きな理由です。

前回も紹介した、内装に使う壁紙素材のブックカバー

モザイクへの「リ・キュレーターの視点」

今回の企画展でホールに展示されていた目玉作品の一つ
板谷梅樹《三井用水取入所風景》(部分)

さて、泉屋博古館へのパッションが溢れて過ぎてしまいましたが、改めて、今回の企画展にも触れていきたいと思います。

陶片から作られたモザイク画。0→1で何かを創ることが苦手なわたしは、可能性を感じながら見ていました。色の濃淡の付け方、1枚1枚の境界ははっきりしていながらも全体から見ると形作られたものに見えるそれは、わたしのテーマである「境界とグラデーション」に対して、強くインスピレーションを受けました。

ただ、見ている内に思いました。モザイク画の真髄は陶片の色や形ではない。陶片を置かない輪郭線や、線の部分であるのではないかと。実は境目も色が入って強調しているところと、密接させているところがあることに気づきました。

「家族」の芸術性

また、今回の企画展では、板谷梅樹(いたやうめき)さんにフォーカスするとともに、お父さんであり近代陶芸の巨匠と言われる板谷波山(はざん)さんの作品も展示されていました。

なかでも、こちらも目玉の一つである花瓶の迫力は圧巻で、波山さんご自身でも仕上がりに満足していることが伺える資料も添えてありました。下絵から既にかなり綺麗に描かれており、見事に立体に仕上げられている様に息を吞みました。

公式HPより

また、波山さんの奥さんである、板谷まるさんの日本画も展示されており、「天真爛漫で明るく、また自分でも絵を描くなど、芸術への理解が深い人でした。波山にとっては『戦友』のような存在だったことでしょう。」という人物だったようです。
*「」内は、板谷波山記念館HPより

元々、父親が砕く陶片の美しさに魅了されて、モザイク画の制作に取り掛かったという梅樹さん。もちろん、苦労やすれ違いもあったとは思いますが、家族の芸術への理解が深さに、素直に「いいな」と思っていました。

梅樹さんの柔軟さ

これは完全にわたしの想像なのですが、作品群を見て思ったのは、時代の移り変わりにうまく対応されていたのではないかと思いました。
飾箱や莨(たばこ)箱、ネックレスや帯留めなど、モザイク画だけでなく、生活に使われるようなものもたくさん制作されているのが印象的でした。

この辺の背景は勉強不足なので、単にわたしが展示を見た感想として留めておきたいと思います。

つながる、ひろがる

わたしは、学んでいる知識や体験がつながっていくことが何より楽しいみたいです。
先日、陶炎祭(ひまつり)や秋市に行った、笠間市の笠間芸術の森公園。そこに隣接する茨城県陶芸美術館では、茨城県生まれである板谷波山の作品が展示されています。

近代陶芸の祖とも言われる方であり、筑西市にある生家は記念館になっていることもあり、当然と言えば当然なのですが、ある意味「予習済み」のものだったので一気にうれしくなってきました。


以上、今までのアートレポートとはだいぶ違うテイストでしたが、いかがでしたでしょうか。

個人的には、だいぶ自分の”色”を出せたレポートになったのではないかと思っています。
今後もパッションを伝えつつ、少しずつ知識も付けているので自信を持って解説できる部分を少しずつ増やしていけたらと思います。

#灯火artweek

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灯火 @カタチ・ヅクル「リ・キュレーター」
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