冷静な妻と、ポンコツな夫。立会い出産珍道中!
2022年4月9日(土)午前7時24分に第二子が爆誕しました!
第一子の時が、緊急事態宣言真っ只だったため、立ち会うことすらできなかったけど、第二子はいろいろな運が数珠繋がりになり、ほぼ最初から最後まで立ち会うことができました。
記憶が鮮明なうちに、家族の出産立ち会いの記録を残します。
冷静な妻とポンコツな夫。
4月9日(土) 午前4時。僕の頬をトントンとする気配を感じた。バッチリ目が覚める。そう、陣痛が来たんだ。
琉生(息子)はぐっすり眠っている。さて、どうしたらいいんだ。冷静を装いながらも、手が震えている。何だか頭が回らない。
妻「ちょっと温めた方がいいかも。ホッカイロとってきて…!」
僕は、押し入れの中にある災害用としてセットしておいたホッカイロセットを持ってきた。まず、背中に2枚貼る。続いて、お腹にも貼った方が良いとも。ホッカイロセットの中に残っていたのは”靴下用”のホッカイロ。僕は躊躇無く、靴下用のホッカイロを手に取り、
僕「ど、ど、どうぞ!」
妻「いや、靴下用じゃん!いっぱいあるよね普通の貼るホッカイロ!?」
そう、押入れの中にいっぱいある。押入れの中から普通の貼るホッカイロを出してきた。マジごめん。
その間にも病院に行く準備が着々と進む。僕は冬用のモコモコしたジャケットを羽織った。いつでも行ける、準備万端!ところが、
妻「暑くない?今日20度近くいくよ?」
僕「えええええ!?」
慌てて春用のコートに着替える。ところが、クローゼットから出してきたコートが、被りタイプのナイロンコートで、着るのに手間はかかるわ、シャカシャカうるさいわで、
妻「あああ、シャカシャカシャカシャカ、気が散るよー!」
ということで、またまたお着替えをした。何回も着替えてごめん。
実は、この間もずーとGoProを回していたんだけど、いざ出発するとき、GoProの残充電30%。これから本番じゃん!何やってんだか…。
何が正解なんだろう。
午前5時、分娩室に入り、妻は制作中の作品が納品できなかったことを悔やんでた。「あとちょっとだったのに、、涙」と。いや、今、それ考えてんの!?
そんなこんなで、時間が進んでいくとともに、妻の苦しさも増していった。
僕「頑張って!!!」と、力を込めて声をかけた。
妻「ガンバってるよ!!!!!!!!!!!!!!」と、豪速球で返ってきた。
や、やばい!僕の引き出しには「頑張れ!」以外のストックがないことに直面する。だめだ、もう詰んだ。なんて、声を掛けることが正解なんだろう…。そうだ!こんな時こそ、Google大先生がいるじゃないか!僕は、時間と空気感の隙を見て、スマホで、
「出産 立ち会い 旦那 声かけ」
と検索した。一番トップにある記事を開く、導入部分をざーとスクロールして、いざ本題から読み始めると、
おおおおおおおおい!いや、そういう意味でスマホを触ってるわけじゃないんだけど…!しかし、全部が言い訳に聞こえるこの状況。声かけの正解を見る前に、スマホなんて触っていないと言わんばかりの素振りで、そっとスマホをお尻のポッケに入れた。
そうこうしている間に、
妻「破水したかも!!!!」
助産師のみなさんの間で緊張感が一気に高まる。あたふたと色々なセッティングがはじまる。
助産師さん「旦那さまは、そこの椅子に座っておいてください!」
僕「は、はひっ!」
スマホを触ってた罪悪感が一瞬で吹き飛ぶ。僕の緊張感も爆速で高まっていく。ちなみに、分娩室には妻からの要望でスピーカーを持ち込んでいた。僕のスマホで繋いで、妻の気持ちが少しでも安定するようジョン・メイヤーを流してたんだけど、僕が椅子に座った途端、音量が爆音に!!!!!
全員「…えええっ?」
一瞬、分娩室の時が止まる。どうやら、お尻のポッケのポジショニングが悪かったようで、座った途端、ボリュームアップになった模様。
マジか!マジか!さ、下がれ!早く音量よ下がれ!1ボリュームダウンがもはや1時間クラスの体感時間。一気にブワッと汗が出る。そんな動揺全開の僕を見て、
妻「…大丈夫?」
そんな冷静な声色で言わないで!いや、一番言われたらアカンやつやん!悲惨すぎるボケをぶちかましてしまった。穴があったら入りたい。
妻はとにかく強い人だと実感した。なんというか肝が座ってるというか、「何くそ、やってやらぁ!」精神というべきか、もちろん頼るところは頼るんだけど(水ちょうだい、タオルとってとか)、それ以外は基本、大丈夫!なんとかする!その精神がヒシヒシと伝わってきて、生物としての強さを実感した。
「パパ、愛してるよ。」
あれは産まれるまで何号目のところだろう。破水したかも!?から、妻のいきみがドンドン激しくなる。
「ああああぁぁぁーーー!!!!!!!」
とにかく産むことに全身全霊で、普段触れたことのない圧倒的な力強さがビリビリと伝わってくる。もうその場には、ママと、産まれてこようとする赤ちゃん、先生、助産師さんしか存在しないんじゃないだろうか。その生命を産む行為と一体感に、しだいに目頭が熱くなる。だけど、僕はそこにいるんだろうか…?
そんな矢先、妻から、
堪えていた、何かが一気に出た。もう全部。
その特等席に座れるのは僕しかいないじゃん!他の誰が座るんだよ!?いるだけでいいじゃん…。何もできないけど、応援するしかできないけど、良いじゃん!2人の子どもなんだもん!
大切なことに、気づかせてくれてありがとう。
そこからはあっという間だった。
午前7時24分。ベイベイ爆誕!はじめまして、待ってたよ。いや、天使!僕はGoPro片手にボロボロ泣いていた。
無理してお兄ちゃんにならなくていいんだよ。
僕は琉生(息子)のことが心配だった。
もう、ベイベイのことしか頭にないんだって、悲しみに満ち溢れていてもおかしくない。朝起きたら、パパとママがいなかったんだもん。何かあったんだと察しがつくはず。
午前10時、僕は病院を後にしたその足で、保育園に寄ることにした。保育園のお散歩出発の時間に間に合うかもしれない。どうか間に合いますようにと、半ば祈りながら保育園に急いで向かう。
いたぁー!
ちょうど今からお出かけするタイミングで、子どもたちと一緒に玄関の外にいた。琉生に向かって大きく手を振る。
てっきり「パパー!」と甘えてくるもんだと思ってた。けれど違った。
そう言わんばかりに、平然とした琉生がいた。きっと、お兄さんになる心の準備をしてたのかも。
でも、無理してたみたい。保育園の先生より「あの後、安心したかのように30分お昼寝しましたよ。」って。
そして、その日の夜、ママとのビデオ通話。
バイバイするのが寂しかったね。キミはたくさん、バイバイしたくない〜と言ってた。我慢してたんだね。寂しいのはパパも一緒だよ。一緒にいっぱい寂しがろうね。
無理してお兄ちゃんになる必要はひとつもないよ。立派だよ。かっこいいよ。かわいいよ。
安心してね。パパは家族みんなのことを全力で愛するから。
きっと神様が立ち合わせてくれたんだ。
第一子の時、立ち会えなかったことが唯一の後悔だった。世の中がそうさせない状況だったから、そんなことを言ってもしょうがないんだけどね。
今回は、いろんな運が繋がって立ち会うことができた。きっと神様が、
そう、言ってくれたに違いない。
出産立ち会いを通じて、妻の偉大さ、子どもの誕生の奇跡、家族の尊さ、壮大な愛を十分すぎるほど味わうことができた。これからは、受け取った愛を育み循環させていこう。僕は家族が大好きだ。
まだ名前が決まっていないキミへ。
ようこそ澤田家へ。
生まれてきてくれてありがとう。生まれてきてくれたことが最大の親孝行だよ。
いっぱい遊ぼうね!