【膝】鵞足について-概要と評価-
こんにちわ!
最近noteの記事の「いいね」やダッシュボードの「ビュー数」が1ヶ月前よりも少し増えていてうれしく思います。
初めは「これってどうやって0⇒1になるんだろう?」と思いながら
作成していたのですが、継続しているとありがたいことに見ていただける機会が増えて嬉しい限りです!
特に同じ理学療法士の方からにも見ていただけてありがたいです(^^)
これからもよろしくお願いいたします!
そして今回は鵞足について書いていこうと思います!
●鵞足とは
鵞足とは縫工筋腱・薄筋腱・半腱様筋腱の停止部のことです。
脛骨内側に上記の腱が付着しているのですが、これらの3つの形が扇状に広がっているようになっており、鳥の足に似ていることから鵞足と呼ばれています。
次にそれぞれの筋肉のついてです。
縫工筋
薄筋
起始:恥骨結合から恥骨下枝
停止:脛骨粗面内側、下腿筋膜
作用:膝関節屈曲 股関節内転 下腿内旋
触診:大腿部の最内側にあり、他動的に股関節外転することによって緊張が高まるためその緊張を触知する
半腱様筋
起始:坐骨結節
停止:脛骨粗面内側、下腿筋膜
作用:膝関節屈曲 股関節伸展・内転 下腿内旋
触診:膝窩の内側を走行する腱のうち、最も後方・外側にあるため、膝を屈曲させて最も後方へ突出する腱を触知する
上記の3つの筋肉の腱から鵞足はできています。
●鵞足に疼痛が生じる原因
鵞足に炎症が生じている病態のことを「鵞足炎」と言いますが
動作の中で膝の曲げ伸ばしや脛骨の外旋が反復して行われると鵞足に負担がかかりやすくなり、炎症を起こします。
特に注意しておきたいアライメントとしては
大腿部に対する下腿外旋が過剰なアライメントです。
鵞足を構成している筋肉は下腿内旋作用を持っており、
すなわち下腿外旋を制動する筋肉になります。
そのため、なんらかの原因で下腿が過剰な外旋アライメントを呈してしまうと鵞足には伸張ストレスがかかり続けてしまいます。
例えば歩行時や荷重時に膝関節伸展制限や殿筋群の筋力・筋出力低下によってKITOアライメントが生じ、その際に大腿骨内旋・脛骨外旋位となるようなアライメントを生じてしまうと、下腿外旋を制動する鵞足をはじめとした膝関節の内側部の組織に伸張ストレスがかかることが予想されます。
鵞足炎になる原因はこれだけではありませんが、
大腿骨に対する過剰な下腿外旋アライメントになっていないか
は必ずチェックしておきましょう。
●トリガー筋鑑別テスト
縫工筋
側臥位で検査側の股関節伸展+内転位の肢位から、他動的に膝関節伸展+下腿外旋させて伸張させる
薄筋
背臥位で検査側の股関節外転+伸展位の肢位から、他動的に膝関節伸展+下腿外旋させて伸張させる
半腱様筋
背臥位で検査側の股関節屈曲+内転位の肢位から、他動的に膝関節伸展+下腿外旋させて伸張させる
それぞれのテストをすることによって鵞足の痛みでもどの筋肉が疼痛の原因となっているのかを鑑別できます。
鵞足のトリガー筋鑑別テストについての報告では
という報告があります。
上記の報告から薄筋の関与が大きく、半腱様筋の関与はあまりないような印象がありますが、
【膝関節前内側回旋不安定性が関与したと考えられる 鵞足炎の一症例 】
という論文では半腱様筋が関与した鵞足炎の症例報告がありました。
下の方からご確認していただけたらと思います。
と考えると当たり前なことではありますが、
鵞足炎と考えられる症状の場合には上記のトリガー筋鑑別テストでどの筋肉が原因なのかは必ず詳しく評価していく必要があります。
まとめ
今回は鵞足についての概要と評価について書かさせていただきました。
私が普段臨床で経験している中でも膝の患者さんで鵞足周辺に痛みがあり圧痛も見られる方はよくおられますので、その際には今回上記に挙げている評価を行う必要があると思っています。
今後のみなさんの治療に役立てていただけたらと思います。
ではでは。
<参考文献>
1.赤羽根良和, 林典雄:鵞足炎におけるトリガー 筋の鑑別検査,理学療法ジャーナル.2012; 46 (2): 175-179. >
2.近藤 森海ら:膝関節前内側回旋不安定性が関与したと考えられる鵞足炎の一症例.愛知県理学療法学会誌 第 32 巻 第 2 号 2020 年 12月
3.工藤慎太郎:運動器機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略.医学書院,2017:235-242