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やっぱ好きやねん!中国重慶『火鍋』特集

<写真説明>中国重慶の火鍋特集。火鍋には3種類がある。老火鍋・火鍋・串串である。

重慶市かんたん紹介

私は現在重慶市に住んでいるが、以前は上海で生活しいて、来たばかりの頃はギャップに戸惑う場面が多かった。簡単に平たく言うと『東京から大阪に来た様な人懐っこさ』を感じる街である。夕食の注文時など、店員さんは重慶弁を話し、普通語でも難しい私にとっては、全く聞き取れない事も多いのだが、一生懸命説明し続けてくれるところなど、『あ〜⁉︎』で済まされる上海と違い、とても愛着が湧くのである。そんな重慶を簡単に紹介したい。

重慶都市

<写真説明>重慶の夜景。解放碑、洪崖洞など観光名所もある。意外に都会と言われることが多い。

人口3000万人、意外にも上海より北京よりも人口は多く中国最大の都市である。大都市かと言うと、これまた別問題で、結構土着民が多く出稼ぎ人数も圧倒的に少ないので、独特の文化が醸成されているのも特徴である。1人当たりの平均GDPも、全国で4番目の中央直轄市にも関わらず、33省のちょうど平均値、とても低いw。

また、『霧都』と言われるくらい霧が多い都市である。これは内陸に加えて四方を山で囲われており、超盆地であるからであろう。冬はそこそこ暖かいが、夏は蒸し暑く40℃超えが当たり前である。因みに上海は『魔都』北京は『帝都』、四川省は都市名のままの『成都』など各地で俗名がある様である。

歴史的には、元々重慶市は四川省重慶市と言われ、四川省に属する一都市であったが、1997年の全国人民代表大会の会議で重慶直轄市として設定された。よって四川人と重慶人という言い方をするが、仲がいいのかなあ〜と思っていたら、実は結構仲が悪いと聞いた。「お互いに偉そう」と思っている様だwww。面子同士のぶつかり合いであるが、個人的感覚でいうと、どちらかと言うと四川(成都)の方が洗練されているような感じで、重慶というのは本当に人懐っこい印象である。

また『重慶美人』と言う言葉を聞いたことがあるだろうか!? 日本でいう「秋田美人」という感じであろうか!?重慶の女性にこの話をすると100%決まった答えが来る。①曇の日が多いから肌が色白の人が多い ②辛い物を常に食べているから新陳代謝が良い ③遺伝子的に背が小さい というハンコを押した様な回答である。

一方で、『辣妹子』(ラーメイズ)という言われ方もしている。詳しく知らなかったので、ネットで調べてみた。

『辣妹子』

四川・重慶や湖南省の辛い物好きの娘のこと。 

性格:「刚烈」「火爆」「外向」「直爽」「豪爽」 ⇦中国語

性格:「気性が激しい」「すぐにカッとなる」「社交的」「真っ直ぐ正直」「豪快」 ⇦日本語

なんとなくイメージ出来るであろうか。実際にまさに女性は強くテキパキしている。日本で俗にいう「ブリっ子」な人など今まで見たことがない。これは中国全土で言えるのでは無いだろうか!? 一方で重慶の男性はというと、底抜けに優しい印象であるw。これも北部を除き、南部や沿岸部エリアに限っては共通しているのでは無いだろうか⁉︎

私は、この重慶の人懐っこさが個人的には性に合っている様に感じてしまう。これは私が大阪出身だからであろうか!? もしかして重慶は本当に中国の大阪なのだろうかwww。

重慶のソウルフード火鍋

このような重慶だが、3歩歩けば火鍋屋に当たるほど、火鍋屋さんが多い。至るところにあるが、少し前のニュースでは、4000店の火鍋屋さんが閉店に追い込まれたそう。『健康志向で体に悪いと考えられる火鍋を食べる若者が減った』という理由であった。コロナ禍の影響が少ないと言われている中国でも少なからず影響があっただろう。更に減っているのだろうか…。

私は日本で2〜8月まで約7ヶ月、上海で1ヶ月の滞在期間を経て重慶入り出来たのだが、その間常に思い出すのは『火鍋食べたいなあ〜』である。これは”重慶滞在経験者あるある”であり、漏れなく皆さん同じことを言っている。

辛さだけなら湖南省が一番辛いが、重慶は「麻辣」。麻薬が入っているのでは!? と思うぐらい中毒性が高い様に思う。実際の「麻」というのは山椒の実のことだが、直接かじってしまうと舌がビリビリと痺れてしまうくらい強烈なのだが、病み付きになるコクを醸し出すのである。

『火鍋』と一言でいっても3系統ある。大鍋に真っ赤な出汁は全て一緒だが、そこからが違う。皿から具材を入れる一般的な『火鍋』、火鍋と全く同じに見える『老火鍋』、串に刺された具材を串ごと鍋に入れて食べる『串串』である。

火鍋3系統 & 辛さレベル
<火鍋種類>

①火鍋     一般的な火鍋。具材は皿で出され、鍋で煮込んで食べる。    

②老火鍋    火鍋に比べて牛脂が多くコクが半端ない。その理由は出汁の継ぎ足しで使い回し。

③串串     大鍋に辛い出汁は同じだが、具材を串に差して串ごと煮立てて食べる。

<辛さレベル>

清汤(チンタン)      全く辛く無い。 

微辣(ウェイラー)    少し辛い。普通の日本人は通常このレベル。

中辣(ジョンラー)    重慶人の標準。日本人でも食べれるかも!?

特辣(ターラー)     辛い物好きの重慶人レベル。重慶弁で「黒辣」(ヘイラー)。

変態辣(ビエンタイラー) 重慶弁。辛さトップレベル。


私は、この『火鍋』と『老火鍋』の違いが分からなかったので、スタッフに聞いてみた。私は噂で『老火鍋というのは、出汁が使いまわされている』と聞いていたので、そのまま聞いてみたら、何とも言いにくそうに『牛脂が多いのが老火鍋ですが、継ぎ足しというのはその通りです。でもコクがあって美味しいのは、間違いなく、老火鍋‼』『一旦出汁を煮沸消毒しているから問題ない‼』と結構説明に必死感が出ていた。私は心の中で『本当だったんだ~。でも食べる時はグツグツと煮沸するし問題ないか~!?』程度にしか思わなかったが、潔癖症気味の上海人のスタッフは『火鍋は食べるが老火鍋は絶対に食べない‼︎』と言っていた。なるほど!潔癖症の方からすると一気に食べる気が失せるのか!私は全く気にしないし、確かに老火鍋の方が美味く感じるのだが…。

ある日、日系居酒屋で知り合った美容師の25歳男性の重慶人との会話で「どこの火鍋が一番美味いか⁉」と言う話になったのだが、重慶人からすると、火鍋には4つの種類があるという。甘い系、旨味系、塩系、酸味系の系列である。そして、好みに合わせて辛さを調節できる。『微辣』『中辣』『特辣』『変態辣』と4段階ある。その中で、コクはやはり老火鍋があるという。う~ん!なるほど‼ などと思う訳がない‼ 我々にとっては『微辣』でも辛すぎて、味の系列など見分けることが出来る訳もないのだから‼ しかし病みつきになるのは確か!! 美味いものには毒があるってことか⁉

また、重慶人は極めて他のエリアに住むことを嫌う傾向にある様に感じる。それは重慶ソウルフードである『火鍋』が原因ではないだろうか⁉︎ 重慶以外で食べる火鍋は重慶人からすると全く別物で美味しくないという。更に重慶弁や特徴的な性格もあり、文化的に合わないのでは無いだろうか!? おそらく幼少期から食べている火鍋を食べないと生きていけない人種なのだろうwww。

一番大好き『串串』特集

私は火鍋の中で一番好きなのは『串串』である。日本で言う回転寿司の様な気軽さがある。自分の好きな串を選んで串ごと煮立てて食べる。また基本的に、火鍋は全て大鍋であり、具材によってはしゃぶしゃぶの様にして食べるのだが、箸から滑り落ちてしまい見失うケースも少なく無い。せっかくのおいしい肉など、後から底の方から縮こまった煮過ぎた肉として発見されることが多い。要するに火鍋・老火鍋のしゃぶしゃぶは面倒くさくて疲れてしまうのである。その点『串串』は時間が来れば串を取るだけである。

串串の仕組みが面白いのでその流れを簡単に紹介したい。私の串串が好きな理由を分かってもらえるかもしれない。

串串屋

<写真説明>住まいの近くの有名な火鍋の串串屋さん。低いテーブルと低い椅子が定番。野外で食べることも多い。

一般的に、火鍋屋さんに予約は出来ない為、季節や時間帯によると大行列で並ばなければならない。低いテーブルに低い椅子は定番。先ずはビールのみ注文しよう。冷えたビールと言わないとぬるいビールが出てくるから注意www。

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<写真説明>串火鍋。しゃぶしゃぶであろうが無かろうがこの状態で待つだけ。串串のお手軽さ。

この状態で待つだけのお手軽さ。火鍋だと肉などもしゃぶしゃぶの場合が多く、一つ食べるのも大変だが、串串の場合は待つだけ。私が好きな理由の一つ。

串串具材

<写真説明>串串火鍋の食材コーナー。自分の好きな具材を好きな量だけテーブルに持ち帰る。

肉・海鮮・野菜など種類が豊富で日本にはない食材もあるので選ぶのも楽しい。

冷蔵庫

<写真説明>冷蔵庫からも選べる。串に刺せない具材はプレートとなっている。

冷蔵庫からも選べる。串に刺せない具材はプレートで提供される。

ここで、火鍋で絶対に欠かせない食材を2つ紹介しよう。

センマイ

<写真説明>毛肚(マオドウ)日本で言うセンマイ。

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<写真説明>鸭肠(ヤーチャン)文字通りの鴨の腸。


火鍋と言えば!と言われるくらいこの「毛肚」(マオドウ)日本で言うセンマイと「鸭肠」(ヤーチャン)鴨の腸は注文される。火鍋で食材が出来上がるのを待っている間、この2つの食材をしゃぶしゃぶで食べるのである。鴨の腸は20秒と言っていたが、半煮えだと怖いので私はもう少し時間を掛ける。

タレコーナー

<写真説明>火鍋のタレ作りコーナー。自分で好きな味付けを選択できる。


火鍋の食材が煮立つ前にしなければならないことがまだある。自分オリジナルのタレ作りである。私はいつもニンニクとネギとゴマを山盛り、甘い胡麻ダレがあればもう言うことがないぐらい最高のタレができる。

ご飯、漬物、スープ、アイスクリームは嬉しい無料提供!好きなだけ食べることが出来る。

タレ

<写真説明>一般的なタレ。老舗となればなるほど胡麻ダレがないのが悲しい。
一般的なタレ。老舗となればなるほど胡麻ダレがないのが悲しい。


重慶の火鍋のタレというのは一般的に「胡麻油」「ネギ」「パクチー」「ニンニク」「味の素」と「酢」のみである。老舗となればなるほど私のこよなく愛する胡麻ダレはない。また酢を入れるのは重慶人からすると邪道らしいw。

火鍋会計


<写真説明>串串火鍋の会計は簡単。食べた分の串の重量を量るだけ。しかも激安!

串串火鍋の会計は簡単。串の重量を量るのみである。高級食材などは串が2本刺さっており、日本の回転寿司によく似ている。また、成人男子がお腹いっぱい食べて呑んでも80〜150元(1200円〜2000円)程度である。


如何であろうか!? 私が串串火鍋を好きな理由を分かっていただけたであろうか!? かなり気軽に火鍋を楽しむことができるのである。

まだまだ絶大な人気の火鍋

先日同僚と超有名な火鍋屋さんに行った時の写真を紹介する。冒頭で若者が火鍋を食べなくなってきていると申し上げたが、見ての通り若者だらけであった。

若者並ぶ

<写真説明>火鍋屋さんに並ぶお客たち。客層を見てもらいたいのだが、全員若者であった。

超有名店の火鍋屋に並ぶ若者たち。夕方6時と早めに行ったのだが、それでもこの行列。

若者女子

<写真説明>女子大生であろうか!?ワイワイガヤガヤしながら火鍋を楽しんでいる。

火鍋を楽しむ女子大生たち。皆さん同じカラーの服装、眼鏡まで同じ。。勉強一筋で死に物狂いで大学に合格し、憩いの場の一つとして火鍋があるのだろうか…。そんな想像をしてしまう一枚である。


重慶のソウルフード火鍋。これだけ若者が集っていることを考えるとまだまだ火鍋が廃ることがなさそうである。一安心である。

皆様も旅行などで重慶に来ることがあれば、火鍋だけは食べることをお勧めする。



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tomosakari
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