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OIを波紋から潮流に変えていく。eiicon founder 中村が、新ブランド名「AUBA」に込めた想い。

こんにちは、TOMORUBA(旧・eiicon lab)編集部です。2020年7月10日、オープンイノベーションプラットフォームeiiconは「AUBA」として生まれ変わりました。そこで今回は、eiicon/AUBA founderの中村亜由子さんにインタビュー。これまでの歩みを振り返りつつ、リブランディングの経緯やオープンイノベーション(OI)の最前線を見つめてきた中で感じた変化、さらなるOI加速のため、今後の展望を聞きました。

2017年2月にeiiconがローンチして約3年半、この度「AUBA」にリニューアルしました。これまでを振り返ってみていかがですか?

中村(以下略):いやあ、本当に早かったです。「3年半あっという間だった」というのが率直な感想です。eiiconのベースとなる構想が生まれたのが2015年。2016年からはリクルーティングやメディアの立ち上げなど準備を初めて、サービスがスタートしてからはずっと走りっぱなし。今振り返ってみると「駆け抜けてきたな〜」ってしみじみ思いますね。


これまで数々のOI事例に携わってきて、変化はありましたか?

正直、2016〜17年頃は「OIは一過性のものだ」と言われることも多くありました。今は以前に比べてネガティブな意見も減り、少しずつOIが市民権を得てきているなという感覚があります。一方で、地方の企業や自治体では中途採用や外部人材の登用が増えているものの、OIの意味合いを知らない人も多いのが現状です。浸透にはまだまだ時間が必要だなと考えています。

今回のリブランディングでは『「波紋」から「潮流」へ』をコンセプトに掲げました。eiiconを通して、数多くのつながりを創出してきたことに手応えを感じつつ、OIをあたりまえの「文化」として根付かせていくため、10年単位の長期視点で取り組みたいと考えています。


改めてeiiconの由来と「AUBA」の名前に込めた思いを教えてください。

eiiconは「Ecosystem Innovation Inspired CONtact」の頭文字を取った造語で、英語のどんぐり(arcon)から音を取ったのが由来です。アメリカのことわざに『樫の木(森)も、はじめはひとつの”どんぐり”から(Every oak must be an acorn.)』という言葉があるのですが、一つの小さな出会いから大きなイノベーションが生まれることを支援したい、という想いから名付けました。

イノベーションにもさまざまな形がありますが、OI実践において生まれるイノベーションは、企業それぞれが脈々と培ってきた技術や文化をベースにコラボレーションし、お互いの強みを生かし弱みを補完することで新たな事業が誕生するという組成経路を辿ります。
企業と企業が出会い、それぞれの良さを掛け合わせ磨き上げながら「樫の木」になりいずれ「樫の森になる」ことが理想形だと考えています。

「AUBA」には、これまでのeiiconの理念を受け継ぎながら『企業同士が「出会う場」』にしたいという思いを込めました。

私たちのミッションは「価値ある出会いが未来を作る」です。OIもまずは会うことから全てが始まります。なので、ブランド名に盛り込むことも考えましたが、当時はまだOIが浸透していなかったので、出会い系やマッチングアプリみたいな意味に取られかねないなと思って(笑)。でも「波紋」から「潮流」へとフェーズが変わりつつある今なら伝わるのではとリブランディングを決意しました。

「AUBA」は日本語の語感も大事にしながらも、自分たちの強みがストレートに伝わる名前になったと思います。ゆくゆくはAUBAプラットフォームを海外にも輸出していけたらと考えています。

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今回のリブランディングのポイントは?

一つはプラットフォームをリニューアルしました。
OI支援に関しての仮説はあれど実績もデータも何もないゼロの状態からスタートして3年が経ち、社内にもノウハウが蓄積してきました。ユーザーの声も活かしながら、導線をよりわかりやすくしたり、「領域」・「創業からの期間」・「OIの目的」などからパートナーを検索できたりと、OIに特化したUIを実現しました。
アクティブな企業を現在の数千社から1万社程度に増やしたいなと思っています。改めてAIによるOIマッチングの向上機能も実装しています。

オンラインコンサルティングもこのタイミングでサービスとして確立し、さらに充実を図ります。ユーザーからのご相談を受けながら面談率と共創実現率の向上を目指し「AUBAで会えば価値につながる」環境をより強固なものにしていきます。

リブランディングにあわせてリリースした「OI REPORT」にも詳しくまとめていますが、ここ数年で新規事業の創出プロセスも多様化しました。OI専門の部署が推進したり経営企画が主導で進めたりと、企業側のハードルも低くなった気がします。

また、「会社の内部から変えていきたい」という人も実際たくさんいるんだとeiiconを通して初めて気づきました。今後は企業同士の価値創出だけでなく、企業内のイノベーション創出領域へも進出していけたらと考えています。


これまでを振り返って印象的なエピソードは?

eiiconの立ち上げ当初は「3年くらいあればOIは浸透する!」と思ってたんですけど、思った以上に文化を作るって大変なんだなあ2年くらいで気付きました。笑
ですがサイクルを回していくうちに「eiiconを通じていい出会いが生まれた」「新規事業が加速できた」といった声をたくさんいただけるようになったのは嬉しいですね。

eiicon companyはいわゆる企業内起業なので、スタートアップドリームのようなイグジットが待ち構えているわけではありません。ただ、実践していることは、
1.経営方針を決定する、事業計画策定と推進 2.資金繰りをする、株主報告と資金調達 3.社員の採用と組織構築 4.環境整備、構築 5.事業推進!でして、企業経営と変わりません。
そのため、一つの会社として「OIを加速させるのは自分たちしかいない!」という覚悟でやってきました。
なんだか中2病っぽいですけどね(笑)。やっぱりOIは面白いし希望ある手法であることは間違いない。これがもっと広まって大きな潮流を作れたら日本は変わるんじゃないかと本気で思ってます。


ある企業を取材した時にも「中村さんの思いに共感して自分も火がついた」と話していた方がいました。

単なる一過性のムーブメントじゃなく、eiiconが潮流のキーになっているのはすごくありがたいですね。最近では企業のみならず、内閣府や経済産業省、地方自治体など公的機関のアクセラレータープログラムも増えました。

私自身も、特許庁の「オープンイノベーションを促進するための技術分野別契約ガイドライン(AI等)に関する調査研究」事業の委員に就任し、OI支援者としてのノウハウ・知見が役立っています。様々な方から「話を聞きたい」と相談を受けることも増えました。最初は私なんかで務まるのかとびっくりしましたけど、結果的にはお伝えできることが山ほどあって、それほど日本のOI界隈は黎明期なんだなと実感しています。

勝手な責任感はすごくあって、そのあたりも中二病感があるんですが(笑)OIのプレイヤーも有識者も少ないからこそ、自分たちが先陣を切って積極的に動いていかなければと思っています。


最後に、中村さんの今後の野望は?

イノベーション領域は日本が生き残るために絶対に必要です。今はAIやIoT、ビッグデータなどの技術革新が進み、第4次産業革命の時代とも言われていますが、将来”GAFA”を超えるプロダクトの世界がやってくるんじゃないかと思っています。日本の優れた技術やサービス、それらを掛け合わせて市場で製品化したら、大きな化学変化が起きるんじゃないか。そこを後押ししていきたいですね。

海外にもたくさん面白い企業や技術があります。将来的には、海外企業が持つ課題をAUBAのプラットフォームで解決したいと考えています。OI で世の中のイノベーションを後押しし、ビジネスに寄与する。そんな存在になりたいですね。

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