ココ デハナイ ドコカep.8
いろいろな蒼を見た。
ブナ自然林の中で、
透き通る沸壺の池の前で、
崩山の上の雲ひとつない空に、
五能線に揺られながら車窓から眺めた日本海やアオーネ白神十二湖のコテージを出て見上げた夜空。
どれも同じアオと呼ぶには、首を横に振らねばならないと思うほど、蒼に溺れ、青に救われ、碧に癒された秋旅だった。
秋田駅から始まった旅は、北上し青森県西部の日本海沿いにある駅、「十二湖」を目指した。
今回のプランニングは、津軽国定公園に位置する青池及び十二湖散策を中心にしたもので、ルートとしてはそのまま不老ふ死温泉へと移りたいところ、秋旅と称して秋田市内の宿に戻ってくるという、完全なる秋田発着帰着の行程とした。
参考までに、計画プランを少し。
ハイキングがメインだったけれど、その前後も含めて旅Photoにて振り返ってみたい。
事前にえきねっとで、特急券は確保しておいて、当日、みどりの窓口でBOX席が空いていないかを確認。空いている場合は、予約済みの席を一度発行してもらってから、BOX席に取り直してもらえる。今回のリゾートしらかみは『青池』でした。
360度のパノラマから日本海に沈む夕陽を楽しめる展望台から、地下水を汲みあげ沸かした大浴場「アオーネの湯」、芝生広場の先には子ども向けの遊具があり、独立したレストラン棟「アカショウビン」では、日本食のコースがいただける。
連休中のためか、秋田駅前のお店は予約していないと入れないようで、きりたんぽ鍋を食べたかったお店には入れず。仕方なくお寿司を買って、温泉宿でいただくという計画外の出来事もあったが、なによりも絶好の秋晴れに恵まれた3日間だった。
青池が雑誌で見るような美しさを見せるのは、枯れ葉で覆われない春、ゴールデンウィーク頃とのこと。
これも、現地に行ってみてわかったことだが、この抜けるような空の色は、秋ならでは。どちらも良い季節なのではないかと思う。
心配していた熊の出没は、この白神十二湖付近では頻繁に見かけるレベルではないとのことだが、猿は長池に沢山いて、鳴き声含めて少し怖かった。また怖いといえば、中継地点にと考えていた「十二湖リフレッシュ村」が、ほぼ閉村状態で、大型コテージに蔓が絡まり、人っ子ひとり見かけなかったので、休憩することが出来なかった。山も林道も、人の手が入らなくなると、一気に自然へ還る。その生命力を感じながら、森林セラピーを身体いっぱいに浴びて、真の意味でリフレッシュ出来たことが一番の収穫だった。
十二湖と何度も書いているが、江戸時代にこの地を襲った大地震によって谷口が堰き止められて陥没した地盤に形成された33の湖沼からなるものだと知ったのも現地にて。
崩山の中腹から眺めると、小さな池は森の中に隠れて見えず、大きな池だけ12見えたことから「十二湖」と名付けられたそうで…。
今や枯れた池もあることから、何年か経ったら、また呼び名が変わっているのかなぁと思いながら、歴史に想いを馳せた3日間でもあった。
次は春、新緑の眩しい季節に訪れてみたい。