正月・おふざけ食材
年末年始にかけて複数回の加熱を行った自家栽培クワイは、味が染みていくと同時にシャキシャキ感が薄れ、芽の部分も含めて完全に芋類のようなホクホクとした食感へと変化した。
この食感の違いが楽しめるという点でも食材としての利点があると思う。
クワイは直立する芽の部分を残す調理法によって「めでたい」や「立身出世」の験を担ぐ事ができるとされている。
こうして見れば「おふざけ」の賜物のような姿になるが、実際に食べると芽の部分に香りが集まっている上に食感も良いので、調理法としてそこそこ理に適っているとも言える。
以前にも言及したように芽を残しながら皮を剥くという作業はかなり面倒だ。
しかし、芽を切り落として一緒に煮たとしても、鍋物のネギ以上に分離してしまう事は想像に難くない。
正月の「おふざけ」の代名詞といえばチョロギだろうか。
あまりにも見た目がおふざけすぎる。梅酢で赤く染まった姿すらもそういう小ボケみたいだ。
一昨年は少量の栽培を行なったものの、収穫後の管理が不適切だったために結局全ての塊茎が枯死してしまった。
そもそもあまりチョロギを好んでいなかったために正月に食べようともせず、春目前になって嫌々収穫をしていたというのも宜しくない。
自分はもう一度、チョロギと向き合い、和解しなくてはならない。