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トモロウnote記事あとがき.Part1&日記


上記記事は今年、トモロウが繁殖に成功した昆虫「アオヘリアオゴミムシ」の飼育記録ツイートまとめ。
「絶滅危惧種IA類」というカテゴリに属しており、その隣のカテゴリは「野生絶滅」。
近年は目撃例が増えたとはいえ、それほどに、大変希少な昆虫であった。大切な趣味仲間がこの精霊に出逢わせてくれた。

ここから先は自画自賛が多く入ってしまうが、そのくらいならしても良いと思えるほどに心身を捧げ、喪失した。

当時のツイートはゴミムシとしては本当に異例な伸びを見せ、多くの人にこの危うい宝石の存在を知ってもらえた事が嬉しかった。

・機密情報の取り扱い上、生態や生息環境に関する情報は現時点ではまだ載せられないです。申し訳ありませんが。

・この虫は世界的に見ても繁殖に成功した例が極端に少なく、恐らく自分は国内(世界?)で4人目の成功例であり、今回新規に発見した餌を使用しての成功例として見れば初めてだと思われる。
先の3人は渡部晃平氏、福富宏和氏、須田将崇氏という「石川ふれあい昆虫館」の1チーム。
この3人によって飼育繁殖の論文が発表されたのは2015年だが、なぜかそれ以降は誰一人として繁殖に成功した例が見当たらない。(近年まで目撃例自体が極々稀だったというのもある)
しかし、このプロフェッショナルチームが嘘をついているわけがない。
自分が論文を参考にして繁殖に挑戦した感想として、確かに論文通りの餌を与えれば成長はしてくれるものの、ほとんどが途中で亡くなってしまった。
それでも、確実にあの論文は確固たる成功例だったのだという納得も同時に得られた。
この気持ちや当種の傾向は、現時点では世界でトモロウただ1人だけしか味わえない感覚だ。これが本当に心地良い。現実感が無くて、胡蝶の夢とさえ思える。

一時はトモロウの名前がサジェストに上がっていた事を複数のフォロワーからも教えられた。
あまりにも「夢」すぎる。


・繁殖を試みたTwitterユーザーの記録を見ても同じ餌を与えているようだが、成功には至らなかった様子。理由は…なんとなく分かった。
そもそもの難易度に加えて、この種特有の癖や傾向もあるように思えたからだ。
そして論文筆頭著者の渡部氏曰く、「2年連続で繁殖には成功したものの、非常に生存率は悪かった」との事。
その言葉をいただいた当時は、まさか渡部氏に並ぶ成功例になれるとは思わなかったので、非常に感慨深い。
今後、なんらかの紙面上で発表できるように準備していくつもりだが、誰かに先を越されてしまいたいという気持ちも大きい(執筆しなくてすむため)。
現在は、来年の繁殖期にさらにデータを取ってから執筆に移ろうと考えている。

・しかし、自身の著書でアオヘリアオゴミムシに触れている小松貴氏がそのうち論文を発表するのではないかとも予想している。
今年は小松氏の論文を参考に、スナハラゴミムシの繁殖にも成功できた。
その論文ではゴミムシでは通常考えられなかった驚くべき生態も紹介されていたので、気になる人は是非、月刊むし2022年8月号を取り寄せていただきたい。その生態に気付ける目を持たぬ自分が非常に情けなかったとも感じた。
小松氏のブログやツイート、著書や出演ラジオを拝見、拝聴するに、現時点のトモロウという個体の諸々の人間性をあまり好きになってはもらえないタイプだと勝手に思っているが、これからも一方的な1人のファンであり続けたい。(そもそも誰かに先を越されたいなんて言う人間は研究者から好かれる器ではない)
小松氏は「マニアの在り方」「オタクの在り方」という風格が漂う筋の通ったタイプの虫屋だ。



・この虫はnoteを始めた理由の一つ。
140字でしか文章を書けなくなってしまった自分では、アオヘリアオゴミムシの論文を書く事は不可能だと感じ、そのリハビリのために、とにかく長文を書く機会を一刻も早く作らねばという気持ちで当時はアカウント登録をしていた。


・冒頭で紹介した記事によって始まったトモロウのnoteは、当時反応をくれたほとんどのフォロワーが「これからも生物関係の記事を書いてくれる」と思っていたらしい。申し訳なさもあるが、してやったぜ!という気持ちの方が圧倒的に強い。


農閑期と例えるべきか、子供の頃から冬場は大抵の生物関係の事を意図的にしないように生活しているため…というのも大きいが、その後の投稿は露悪的な思想やONE PIECEネタ考察、小ボケを垂れ流すだけとなってしまった。
ただ、自分のそうした投稿を見て、「死ね」という言葉を使わなくなったり、考え方がポジティブになったり、命を繋いだといった人達が片手では数え切れない程に出てきた事は、自分にとって本当に嬉しいし、生涯忘れる事がないと思っている。


・もう少ししたら生物関係の記事を増やしたいと思っているし、そもそもそうしないとネタが続かない。
現状、空き時間を見つけて毎日投稿をしているが気が狂い始めてもおかしくない。
昨日は78歳のおじいさんが日焼けサロンに行く話の構想をしていた。




もう始まってるんだよね。

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