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2023/11/13観察記録
2023/11/13
秋の陽気に暖まりつつも、冬の気配を含んだ冷たい風を感じる。
玄関先の植え込みでは、合計4匹ものオオカマキリ達が日光を浴びつつ獲物を待ち伏せていた。
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寒空の下で餌を求めるカマキリ達を見ると何か虫を捕まえて与えたくなるが、この手の肉食昆虫は低温による消化不良がトドメとなって亡くなるケースも非常に多い。
産み付ける事ができるはずだった卵を残せなくなってしまう可能性もあるので、余計な手出しは無用と考えている。
屋内でカマキリの飼育を行なっている者は、この時期の低温には注意してしっかりと保温を行った方が良いだろう。
今回発見した個体は全てがメス。
この時期に生き残っているオスはかなり珍しい。交尾を終えたオスは大きく疲弊するため、メスの捕食から逃れても寒暖差に耐えられないのかもしれない。
「カマキリは空腹のメスがオスを捕食するためにフェロモンを放ち、交尾ついでにオスを栄養にする」という仮説も存在し、実際にそうした生態を持つ種類も海外に存在するが、オオカマキリにおいてそれが当て嵌まるかどうかは不明。
むしろ空腹のメスよりも満腹であるメスの方がオスを誘引する。既交尾よりも未交尾のメスの方がオスを誘引する。といった否定的なデータもあるようだ。
しかし、この時期は「低気温故の餌の乏しさ」と「腹部に卵が詰まっているが、以前に受け取った精子を使い切ったために体内の卵が無精卵となっている」という条件が両立しているので、空腹でありつつも交尾を求めてフェロモンを放ち、その果てに目の前で動くオスを衝動的に捕食してしまう。といった事故はよく起きていそうに思える。
時間ができたら最新の研究結果等をもう少し調べておきたい。
ちなみに、室内でカマキリのメスを飼育していると、室外機からフェロモンが排出されるためにその周辺にオスのカマキリがよく集まるといった様子が観察される。
以下の画像では右端と左端にそれぞれ獲物を待ち伏せているオオカマキリが見える。
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今はそれぞれの個体が別方向を向いているが、ここまで近づくとお互いの動きを察知し合って近づき、共食いに発展するパターンも大いにありえる。
1週間ほど前には玄関先でオオカマキリのメス2匹が互いの首に致命傷を与え合って共に絶命しているという壮絶な光景を目の当たりにした。
こちらも前述のパターンの一つだろう。
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これが飼育下のような環境で起きた事故ならば飼育者の管理不行き届きによる『無駄死に』となってしまうが、自然界では必ずこの亡骸を糧にする生物が存在するため、そこに無駄は存在しない。
そして翌日には両者の亡骸は跡形もなく消えていた。鳥か何かの餌となったのだろうか。