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ウジ食ゴミムシの少なさに関する空想



先日、フォロワーのライバーが配信で「パートナーがハネカクシを持ち帰ってきた」との旨を語っていた。
種名はキンボシマルズオオハネカクシ(旧和名:キンボシハネカクシ)との事。黒色の体を金色の体毛が覆う美しいハネカクシだった。
モンハンのラージャンが激昂した際の体色に近い。
フォロワーの島田さんが過去に上げた以下の記事を読んでいただければその魅力が分かりやすいと思う。


キンボシマルズオオハネカクシ

発達した大顎が目立つ顔をした種だ。

ハネカクシに関しては完全に専門外だが、初見の際に何となく感じた事は
「何食べるんだろう…この大顎…」
「動物死体食にしては構造に無駄が多い気がする」
「顎が大きいと肉を齧り取るのに不便な気がする」
「となると餌は外皮が頑丈な生物…?死体に発生するウジ虫とか?」
などといった連想ゲームだった。

調べてみると、オオハネカクシの仲間はウジ虫食が確認されている種類が多いようだ。
こうして予想が当たる瞬間、掠る瞬間が本当に気持ち良い。
専門外の素人だからこそ、そんな自分が専門家の知見に少しだけ近づけた事が、少しだけ誇らしくなる。

ただし、実際はもう少し深く切り込んだ生態や違う専食対象等が存在するであろう事は想像に難くないため、刹那的な快楽で終わる。
この虫もウジ食の祖先から発展した別の専食対象がいる種類かもしれない。





シデムシやハネカクシのように獲物の匂いを嗅ぎつけてあちこち飛び回るタイプのゴミムシを、自分は未だ知らない。
飛翔能力によって移動性の高いゴミムシは数多く存在するが、それは湿地帯等の冠水リスクが高い不安定な環境に住むために必要な逃避能力であったり、樹上等の高所へのアクセスを行うためのものである事が多い。
そんなゴミムシ類だが、基本的にシデムシやハネカクシと比べて飛翔能力は劣り、中には飛ぶための翅が退化したものさえ存在する。
多くの種類のゴミムシがその体を持って生まれた時点で、離れたポイントに突如発生する動物遺体とそれに群がるハエ及びウジのような生物を専食対象とする事、及びそうした方向に進化するイレギュラーの発生に不都合だったのかもしれない。
そもそも飛翔性のウジ食生物にニッチが埋め尽くされているため、ウジ食への進化の芽が発生しても競争に負けて淘汰されていた可能性もある。


農業害虫となる双翅目幼虫の捕食例は多く観察されているが、専食対象と見なされる事はほとんど無い。
水際に住むハエ類を捕食する種類は…もしかしたらいるかもしれない。



ちなみに、ウジ専食生物の餌は比較的簡単に用意できる。
釣具屋に売られている白サシを購入すれば、冷蔵保存して長期間使用できるためだ。
さらに一度常温に置いてそれらを蛹にすれば、再び冷蔵する事で半年以上は生存させたままのキープが可能だ。
蛹の冷蔵後も、常温に戻す事で羽化させる事もできる。

ただし、ウジまで与えるような飼育方は『飼育する』ではなく「命をかけて、繁殖させますワ❗️💪👴」といった気概を持ったはみ出し者のやる事なので、推奨はしない。
普通に肉や赤虫等の動物性タンパク質と水分のみで飼育が可能だと思われる。

もしくは、当noteにて一番アクセス数の多い以下のような方法でウジを増やす事も可能だが、ここまで行き着けばはみ出し者を通り越し、『カタギの生活を捨てる』のと同義なので、こちらは本当にオススメできない。
自分も周辺に迷惑がかからない私有地があるからできているだけだ。

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