「どうもトモロウです!」
「目玉焼きは醤油派。どうもトモロウです!」
noteで毎日記事を書き始めてもうすぐ365日が経過するが、上記一例のような『主題とは関係ないワンフックと名乗りを同時にかます挨拶』というものを今まで使用した事がなかった気がする。
というか意図的に避けていたかもしれない。
そういえば、自分と全く性格の異なる親友はそういった文体でいつも面白く文章を書けていたが、一生をかけても彼の領域に到達できる気がしない。生まれ持ったものが違いすぎるのだろう。
この世にあるブログ記事の大半は、自分の思考や体験を他人に見てもらうために存在する。
ならばその都度、自己紹介はしておいた方が良いはずだ。
しかしそれを行わなかったのは何故なのか。
少し考えて、思い出した。
出だしの短い文字数で1話題を消費してしまう上に、主題とは別にそこで何を語るかという点で毎回悩まなくてはならなかったからだと思う。
具体的にそこで悩んだというより「多分そうなるだろうな」と感じて行えなかった。
1記事最低1000文字は書きたいと考えながら365日近く連続で更新をしていると、「一つの話題でどれだけ引き延ばせるか」という小手先の技術だけが磨かれていった感覚がある。
その下心とあまりにも相反しているのが冒頭のワンフックなのだと気付く。
それに加えて、「冒頭の名乗りでスベッたら真っ先に切られるだろうな」という恐れもある。
どう考えても自分では面白くできそうにない。
深く掘り下げるわけでもない目玉焼きの話などは『虚無』であり、完全にスベッている。
トモロウのnoteは「何処かの誰かが、いつか勝手に見つけてくれるだろう」と考えて書いた飼育観察関係の経過報告やトラブルシューティング記事が多めなので、はっきり言って他人から見てどうでもいいような挨拶を挟む余地も少ない。
芸能人の日記等ではファンである読者が筆者そのものに興味を持って読みに来ている事が前提となっており、この挨拶部分こそが「読者の知りたい事=筆者の内面」という肝の掴みになっている。
しかし、トラブルシューティング記事の読者は現在進行形で困っていたり、情報に飢えている検索者が多い。
「さっさと本題に入れよ」という気持ちで前置きを読み飛ばしたい事がほとんどだと考えているし、自分がそうだった時もある。
そもそも相手は笑いに来ていないし、その準備もできていない。だから本題だけを書いて終わらせるのだと思う。
そこでわざわざスベリポイントを入れてしまったらと考えると、非常に恐ろしい。
正直言って、冒頭での小ボケと名乗りの組み合わせは『ヌードル亭麺吉』を想起させるのも嫌なのかもしれない。
ヌードル亭麺吉とは、「こういう臭い文章を書くラーメンブロガーって居るよね」という局所的なあるあるを基に2ちゃんねるで作られた架空のラーメンブロガーのコピペだ。
モデルとなった人物も存在するという。
基本的には、コピペが作られた当時ですら少し旬を過ぎたお笑い芸人のネタが名乗りとして使われており、自意識過剰で内輪向けなオッサンらしさが強調されている。
ラーメンに限らず、食レポ関係はやたらと長い前置きと自分語りによって構成された文章が多い。
そこに生まれた"あるある"と"嫌悪"が麺吉コピペを産んだのだろう。
個人的には麺吉コピペのような文章は気味が悪く、忌むべき対象だ。
ナチュラルに書いてしまったらと考えると恐ろしい。
しかし反面、身内と出会った際の文章を内輪に向けて公開する際は、少しはヌードル亭麺吉式にした方が良いんだろうなという意識もずっと頭の片隅に在り続けている。理想とまではいかないが…。
実際、イベント参加記事等を書く際は、ほぼ毎回ヌードル亭麺吉の事を考えていた。
麺吉コピペを検索しようとしたら
『ヌードル亭麺吉 最期』
というワードも候補で挙げられているのを見つけ、「何?」と声が出てしまった。
人気作品のキャラ名で検索するとサジェストでネタバレを喰らうやつみたいだ。
でもこういうものは「好きになったキャラが死んでしまうかもしれない不確定な未来に耐えきれず、実際に死んでしまった場合の悲しみを軽減するために自己防衛気味に展開のネタバレを検索する」
もしくは「死んでいない事を知って安心したい」という目的で『◯◯ 死亡』と検索され続けてサジェストに上がる部分も大きいので全くアテにならず、実際には死亡していない事も非常に多い。
元気に選挙に参加していた上にお見舞いにも来てくれたHUNTER×HUNTERのツェズゲラも
『ツェズゲラ 死亡』ってサジェストが出てくるからね。
普通にご健在よ。
ツェズゲラがキャラクターとして本気で好きな自分は「お前は何を読んでそんな疑問に至ったんだ」と思ってしまうが、そんなサジェストが生まれるほどにはツェズゲラに死んでほしくない人が多いのかもしれない。
あそこまで『プロハンター』たるキャラはそうそういませんよ。
もしくは「ツェズゲラなら、なんか死んでそう」と思われてしまうくらいの脇役っぷりだから、そう検索されているのかもしれない。
多分、こっちの方が有力だと思う。悲しい事に。
次回