2023/05/14 直近の観察記録
ここ1週間の観察記録をいくつか。
飼育容器に昆虫ゼリーを入れたらゴミムシ2種が並んで食べていた。
湿地性ゴミムシ(特にアオゴミムシ類)は率先してゼリーを食べる事があまり無いが、霧吹きをする暇もなかった日が続いたため、飲み水が不足していたのだと思われる。
通常、アオヘリアオゴミムシはオオサカアオゴミムシの1.5倍ほどの大きさであるが、この個体は飼育下にてとある代用餌で繁殖したためか矮小化している。
その方式で繁殖に成功した個体は世界に2匹しか存在せず、それ故にこの個体は標本にしておかなければならない貴重な存在だが、どうにも愛着が勝って飼育を続けてしまっている。
何人もの先生方から期待されている以上、何らかの形で発表しなければならないデータではあるが、今年中にもう少し研究を煮詰めてから着手したい次第。
今の所はさらに異なる餌のバリエーションがいくつか候補に上がっている。
昆虫マットからコクワガタ幼虫を回収した。
アオヘリアオゴミムシを含むいくつかの生物の餌になる。
石川県ふれあい昆虫館の研究チームはカブトムシを含むコガネムシ類幼虫を与える事で、2015年当時唯一の繁殖成功例となった。(「飼育下におけるアオヘリアオゴミムシの繁殖生態」参照)
幾度も語っているが、自分を含む多くの日本男児が幼少期に刷り込みの如く根差したであろうクワガタやカブトへの愛情を押し殺し、それらの幼虫を刻んで餌にする事は本当に苦しかった。
今ではその感覚も随分と麻痺してしまったが、代わりに幼虫を1匹殺す度にアオヘリアオゴミムシ飼育への覚悟が重石のように積み上がっていく感覚がある。
材割りをほとんど行わない人生だったが、本来はオサムシ採集の副産物であるクワガタ幼虫を第一の目的として採集を重ねておけば良かったと今更ながら後悔している。
恐らく、現在のクワガタ幼虫の頭数だけでは比較実験は難しいだろう。(代用餌の調査を本格的に行うための動機にはなるが)
ダイトウウミコオロギは日増しに食欲を増している。
共食いが発生するんじゃないかとヒヤヒヤするが、今の所その傾向は見られない。
しかし、ミニキャット(肉食魚用人工飼料)しか与えていないので少々不安だ。
この個体の繁殖を行ったでれれ氏はフレーク状の人工飼料を与えているようではあるが…。
各種ビタミン等が含まれているとはいえ、本来岩場の漂着遺骸等で得る栄養が足りていない可能性はある。
餌の傾向を実験する目的も兼ねて色々と与えてみても面白いかもしれない。
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