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受粉用ハエ養殖&在来寄生蜂によるサシバエ対策
現実世界のトモロウの正体がチラ見えしてしまうため具体的な紹介はできないが、知人の農家にトモロウが書いたハエ養殖の記事を紹介したところ、その手法を用いて増やしたハエが冬季のハウス栽培における比較的大規模な受粉を成功させたようだ。
まさかそんなご立派な話になっているとは思っていなかった。
受粉用昆虫の購入費用を節約したいという話に対して、こちらからあの記事が参考にならないかと勧めたのだが、自分が餌のために繁殖していた虫とその手法が受粉用昆虫として転用できるなんて考えた事もなかった。
自分の頭がいかに固かったか、というのがよく分かる。
受粉用昆虫の存在やその販売は知っていたし、そのために全国で利用され定着してしまったセイヨウオオマルハナバチは侵略的外来生物、果ては特定外来生物となって法規制にまで至ってしまった。
その話を聞いて外来生物の利用を嘆いた日もある。
トモロウは幼い頃より趣味で農業書などを読む事が多かったが、農業に携わった経験が無い。
「一定の品質の作物を一定量作り、消費者に届ける」という責任を持った農業に励む事などとは程遠い世界で生きたため、自分の中では「外に作物を植えとけば何かしらが来て受粉するだろう」「庭にミツバチもいるし」という気持ちしか無かったと思う。
冬季のハウス栽培の恩恵に与る食生活をしていたはずなのに、それに関する意識などは尚更に薄かったはず。
それ故に、ハエを受粉用昆虫として利用するアイデアが頭から抜け落ちていたのだろう。
しかしこのハエ養殖なら…外来種問題に少しばかりの貢献ができている。
近所から採集して駆除したアメリカザリガニを用いてその地域の在来のハエを増やして利用する。
遠方から外来種や細菌を持ち込む事も無い。
そもそもトモロウ式のハエ養殖装置の設置ハードルが高いとはいえ、こんなに上手い話があるのかと驚いてしまった。
ちなみに、知人の農家に当記事のハエ養殖法を紹介したところ、冬季のハウス栽培に使う受粉用のハエを購入せずとも充分に賄う事ができたと聞く。
その際は近所の水路のザリガニを用いて繁殖を行い、秋のうちに回収し冷蔵保存した蛹を用意。
作物の開花時期の少し前にハウス内の一角に蛹の入った容器を置く事で羽化したハエ成虫による受粉を成功させたようだ。
そして元々持っていた農業資材や廃材を装置作りに、付近の外来種を餌に用いたため、その元手は0円だったという。
確かにこの手法であれば他地域のハエや細菌を持ち込む事なく栽培が行える上に、受粉用昆虫生体の購入費用が大幅に節約できる。
そして逸出してもほとんど問題が無い。
こうした農家の視点は自分一人では気づく事ができなかったので、非常に大きな刺激となった。
(一応、在来種ではない作物の花粉を近隣に拡散させてしまう可能性はあるが、これは受粉用昆虫を用いない場合でも侵入する生物によって起こり得る事であり、そもそも全ての農業にも言えてしまう事なので考えるだけ無駄かもしれない)
やはり考察や知識は外部に放流しておくのが良いとしみじみ感じた。
子供の頃から(今は亡き)生物関係のブログをやっていたが、その動機は「アクセス数や繋がりが欲しい」ではなく「考察や経験を書いておけばどこかの誰かが勝手に踏み台にして役立ててくれるかも」との気持ちで書き続けていたし、このnoteもその部分がほとんどだ。
この動機で論文の一つでも完成させる事ができれば…という話になってしまうので、今後は短報の一つ辺りから始めて実際の学術に貢献していきたい。
この話を受けて、昨年7月に『ハエ養殖装置を利用した畜舎のサシバエ対策案』という記事を書きかけていた事を思い出した。
これもその地域のハエや寄生蜂を用いた手法の案で、アンチ購入生体、アンチ外来生物利用の思考が生んだものだ。
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実際に効果があるかは分からない。
しかし海外産の寄生蜂を購入したユーザーが畜舎でのサシバエ被害の激減を感じたクチコミを目にした事があるので、自分の持つハエ養殖経験と組み合わせて情報の放流はしておきたいと思って書いていた気がする。
完成はいつになるのか分からないし、完成しないかもしれない。(というかただの「ハエの蛹を集めてサシバエ対策の寄生蜂増やしましょ〜よ‼️☝️👴」というだけの話なのだが)
アイデアが閃いたその時に浮かぶ電流のような速度かつ膨大な量の情報は手書きでもフリック入力でも残しきれないので、いつも半分ほどが霧散してしまう。人に伝える用の文章構成が面倒臭すぎる。
そうして下書きの海に埋もれてしまうのだろう。
そして、改めて上記の下書き文面を見ると「こんな断片的な書き方で記事作ってるんだ…」と不思議になる。
いつも自分がどうやって記事を完成させているのか思い出せない。