ヌマガエルを食べるオオヒラタトックリゴミムシ
退勤時に路上でヌマガエルの轢死体を拾い持ち帰り、それを自宅のオオヒラタトックリゴミムシに与えた。
ヌマガエルは関東に進出した国内外来種で、いつの間にかこの地域一帯はほとんど支配されてしまったように思う。
しかし元々カエルが好きな自分にとって、侵略的な外来種と言えども亡骸を見るのはあまり気分が良いものではない。
というより、かなり苦手な部類に入るだろう。
特に今回のように瞳孔と口が開いた無惨な亡骸を見ると、ヒトのそれに似たものを感じて非常に不快な気分になる。
TVで遺体を映す時、顔だけにモザイクがかけられている場面をしばしば見るが、やはり顔が映るか否かが人に与える印象の差というのはかなり大きい。
ヌマガエルの轢死体は春から秋にかけて無限に作られ続けてしまうので、それを求めたスカベンジャーの更なるロードキルを防ぐ為にも亡骸を餌として回収、または草地へと移動させているが、その度に心にダメージを負ってしまう。
オオヒラタトックリゴミムシにヌマガエル轢死体を与えると自身の腹部が著しく膨張するまで摂食するが、オオキベリアオゴミムシのようにカエル生体を積極的に襲うシーンは見た事がない。
ゴミムシ類は空腹であれば動物の亡骸を何でも食べるので、今回もその範疇の行動だろう。
例えば、その気になれば襲えそうなサイズの小さなヌマガエル幼体を生きたまま飼育容器内に入れ続けても、全くと言っていいほど捕食に至らず、互いをどこか疎ましく感じながらの同居が成立してしまう。
となると、在来地域のヌマガエルとオオヒラタトックリが共に生息する環境でも、野生下で好んで捕食するわけではないのかもしれない。
オオヒラタトックリが野生下で捕食していた生物2種は地味に数を得にくいので、今後もヌマガエル轢死体を与える機会が多くなるとは思うが、これが栄養面及び毒性面で悪影響を及ぼさない事を常々祈っている。