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有毒毛虫・タケノホソクロバ



実家の庭で笹藪に立ち寄った際、食痕まみれの葉の縁に夥しい数の毛虫の頭が見えた。

葉裏から顔を覗かせるタケノホソクロバ幼虫達

恐る恐る葉裏にハンディライトとスマホカメラを向けて撮影し画像を確認すると、やはり大量の毛虫が蠢いている。
この時期の笹藪でよく見る、典型的な毛虫だ。

密集するタケノホソクロバ幼虫

自分は鱗翅目にかなり疎い上、あまりにも普通に見られる故に本種の同定を何年も後回しにし続けてしまっていた。
しかし有毒の可能性もある以上、流石にそれは不味いとも思い始めたのでこの度同定を行った。

といっても「笹 毛虫」と検索して真っ先に表示されたものが本種『タケノホソクロバ』だっただけなのだが…。

そしてその和名を見た瞬間、かつて何処かで見聞きしたはずの、忘れていた情報をようやく思い出す。
考えるよりも先に「これ有毒じゃない?」という言葉を口から出してしまった。




タケノホソクロバの成虫は名前の通り竹林に棲み、細身で全身が黒一色に見える蛾だ。
翅を開いた際に見える腹部の青い構造色に渋さを感じる。

この地は竹林や笹藪が多いので成虫を頻繁に目にするが、あまりにも普通種なので今まで撮影を忘れていた事に気づいた。
初夏になれば再び発生すると思うので、その際に改めて撮影しておきたい所。




本種は中々にややこしい名前をしていると思っており、◯◯ホソバという名の蛾も多く存在する事もあって、いつまで経っても自分はこの和名をしっかりと覚えられない。
どうしても思い出すためのラグが生まれてしまう。

そして本種の和名を検索して上位に表示される老舗フォトストックサービス『アフロ』で掲載されている写真などでも誤表記の和名が使われていた。
もしかすると、生態紹介サイトや図鑑等でもこのような間違いが起こっているのではないかと心配になるが、このような見るからにややこしい名前はむしろ校正時に優先して調査されるのかもしれない。

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