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ビオトープにてギンヤンマの発生を確認


2024/09/20

ビオトープにてギンヤンマのヤゴを発見。
容器の壁面を泳ぐ影に違和感を感じて掬ってみると、この場所では見慣れないヤンマ系のフォルムに出会った。

幼少期からの夢の一つが「庭にビオトープを作りギンヤンマを呼ぶ事」だったので、悲願を達成した事になる。

このnoteでのビオトープ記事もギンヤンマから始まっており、感無量と言う他無い。
やった事と言えば単純に水面積を拡げただけではあるが、ようやくこの場所もトンボの御眼鏡おめがねかなうビオトープとなったようだ。

ギンヤンマのヤゴ



発生箇所は5月下旬に購入したまま放置していた220Lのトロ舟。

本来はこれを地面に埋め込んで湿地帯ビオトープとして運用するつもりだったが、作業時間を捻出できないままに猛暑が到来してしまったため、ほとんど手をつける事なくベアタンク状態となっていた物だ。

ギンヤンマが発生したビオトープ


何年もの間、予備品として倉庫に眠らせていたタモ網を引っ張り出して、ギンヤンマ探しを行う。


ウスバキトンボのヤゴ

網の中で最も目立って見られたのはウスバキトンボのヤゴ。
画像では大きく育った3個体が中央に集まっている。
その他には何種かのカゲロウ幼虫も見られた。



そしてギンヤンマは合計5匹ほどを確認。
恐らくはすでに4齢以上に育っている。

隠れ家も少ない中で、自身より遥かに大きなヤゴ達から逃げ切った精鋭だ。
ウスバキトンボが旅立った後は、強力な捕食者としてこの場所に君臨する事になると思われる。

ギンヤンマのヤゴ
ギンヤンマのヤゴ(右)と
ウスバキトンボのヤゴ(左)





仮設のトロ舟に大量の水を溜めてしまうと移動がし難くなるため、ここに置いた6月〜9月の期間の内、2ヶ月半ほどは隣り合うトロ舟へ斜めに立てかける形で放置していた。
当時、雨で溜まった水や有機物は現在よりも遥かに少なく、発生する生物も多くはなかった。

立て掛けた特大トロ舟と比較用のiPhone12
雨水が溜まった特大トロ舟



生物が多く発生したのはちょうど各地の水田から水が無くなり、稲刈りが始まった頃。
今シーズン中のトロ舟埋め込みを諦め、上記のような形に平置きして水を蓄えるように運用したタイミングで多数のウスバキトンボのヤゴが孵化するようになる。
水面の面積が増えたため、様々な昆虫がこの場所を発見しやすくなったのだろう。
同様の理由でギンヤンマからもビオトープを捕捉してもらえたのだと思う。
特にここ最近は豪雨が頻発し、シート上の大部分にも水が溜まる事が多かったので、それによってギンヤンマが好む溜池ほどの規模の水面積が一時的に生まれたという点も誘引に影響した可能性がある。

ビオトープの一角にカヤツリグサ科植物を一株置くと、水場を求めて飛来したコシマゲンゴロウやマメガムシ達の良い隠れ家となった。
しかし、今回発生したギンヤンマは水面付近の水草や枯れ草等の内部に産卵をするが、このビオトープにおける産卵場所といえばそれくらいしかない。
そのため、初めてギンヤンマを発見した際には自然繁殖の可能性を信じ切る事ができなかった。

本当にこれっぽっちの水草に産卵してくれたのかと疑問に感じるが、この株は数ヶ月前からこのエリアで管理している物だ。
かつては水路に投棄されたホテイアオイを持ち帰った際、そこに産み付けられていた卵からギンヤンマのヤゴが発生したが、今回こそはヤゴのサイズと水草の保管期間から考えてこの場所で産卵、孵化が起きたものと見ていいだろう。


今後はギンヤンマが無事に育ってくれる事を祈るばかりだが、育ったら育ったで恐ろしい気もする。
ヤンマ類はトロ舟ビオトープにおける捕食者としてあまりにも強すぎる。
メダカが壊滅してしまうような話も聞くほどだ。

もうしばらくの間はシオカラトンボやウスバキトンボによって餌が供給され続けるが、トロ舟の環境収容力をオーバーしてしまう可能性も高い。

一先ずはギンヤンマを個別のビオトープへと分散させ、発生箇所に水草を増やす事で隠れ家も増やしつつ、多種多様な餌生物を誘因する方向でプランを練る事にした。


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