エアーポテト、その命
ネットを張る時間が作れず、エアーポテト(ムカゴが巨大化する外国産山芋)を一向に移動させられていない。
上方に延びたツルが行き場を失って倒れ、再度ツルに巻き付くといった状態になっている。
庭にある元ビニールハウス。その骨組みをそのまま利用してしまっても良いかもしれない。カボチャの空中栽培のように。
空中栽培に関しては、支柱とネットの組み合わせでも小規模なものが大量にできるので、祖父母が利用していた庭の土地も資材もトラクターも有り余っている現状なら来年以降も行えそうだ。
フォロワー内でエアーポテト・トレーディング・ネットワークが構築されているので、大半の者が失敗しても誰かから複数個を貰う事が可能だと思う。
正直、エアーポテトの芋が小さくても発芽に全く影響がないというか、むしろ小さい物を大量に用意した方が数を稼げると思う。
拳を超える巨大ムカゴなんていらんかったんや!
「ワイ将は、エアーポテトで1発当てるんや!」
そういった気概で臨みたい。
嘘、本当はできない事なんて分かりきってる。
エアーポテトが流行ってるところを見たことがないし、「なんかそこそこの味」に収まっている話ばかり聞く。
俺たちは雰囲気でエアーポテトをやっている。
1発当てる云々は置いておくとして、すでにインターネットを介する事なく5人ほどから秋以降のエアーポテト買い取りの予約が入っている。誰も味を知らないのに。
というか、そこまで来たら『生産者の責任』が生まれて失敗できなくなるだろ。遊びでやってるんだよ、こっちは。
遊びじゃなきゃ、『神』と一緒にムカゴを買ったりしないんだよ。
買い取りの際、収穫する物が無かったら、いっそフォロワーから買った物に上乗せして転売してしまおうか。
エアーポテト買い取り……後悔するぞ。
虫も色々発生し始めた。
致命傷となるネキリムシは未発生だが、アオバハゴロモ、アブラムシ、シャクトリムシの類がいる。
ウンカ・ヨコバイ食であるアオヘリホソゴミムシを入手できていればアオバハゴロモもいい餌にできたかもしれないが…昨年から今年にかけては某有名湿地帯に赴く事なくセアカオサムシの捕獲ができてしまったので、生息地に訪れる事ができていない。
葉が増えて、多少の食害が致命傷にならなくなった事もあり、少しばかりは目を瞑れる。
何なら、シャクトリムシをもっと大きく育てたい気持ちの方が強い。その方が餌になる。
エアーポテトの苗を増やせば増やすほどにシャクトリムシを手軽に収穫できる事に気付けたのは自分にとって有益だった。
ここにアトボシアオゴミムシ及びキボシアオゴミムシ幼虫のような鱗翅目(チョウ目)食の肉食生物を放てば数日で全滅してしまうと思えるほどにシャクトリムシの密度が薄く、サイズも小さい。
それらの肉食幼虫は登攀性も強いので、よく草上に登っている様子が各地の畑でも観察されている。
かつて祖父母がこの地で農業を行っていた際は、今より多く生息していたのだろう。
庭に自生するヤマノイモにシャクトリムシを移動させても良いと思い始めてきた。恐らくは問題なく再摂食を始めるだろう。
今後サトイモにセスジスズメが発生した際も、庭のヤブガラシに移動させて蓄養した方が良いのかもしれない。
エアーポテトとサトイモを餌虫の養殖地とするのではなく、餌虫の発生源に留めて、蓄養を別の植物で行うという方式だ。
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