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インセクトフェア初参加:その⑤

前回




初参加のインセクトフェアは、あっという間に終わってしまった。
典型的な『楽しい時間の過ぎ去り方』で、会場に訪れたフォロワーのほんの一部としか話せないままに、挨拶に回れないままに初参加を終えてしまった事は心残りだが、来年以降も毎年通う事でそれは少しずつ解消できるだろう。

会場がある大手町サンケイビル






会場を出ためごぴす氏、ティーノ氏、トモロウの3人で打ち上げを行う店を探す。レイ氏は後々合流する事に。



流石に土曜かつ祝日の東京駅周辺ではどの店も混み合っており、特に東京駅内は行列店しか存在しなかった。

そこでティーノ氏の発案により、以前西に遠征をした際に食べて美味しかったというチェーン店の『世界の山ちゃん』へと向かう事に。
駅からさほど遠くないが、夕方前という事もあり幸いにも席は空いていた。


開宴

お二人は下戸のようなので
ビールはトモロウだけ


幻の手羽先
温玉どて飯

名古屋方面の手羽先はいくつかの味付けに分かれるが、この店の『幻の手羽先』はコショウと塩を効かせたものだった。個人的にはかなり好みだ。
ティーノ氏が手慣れた様子で皆でつまめる物を次々と頼むが、どれも全く外れる様子がない。


『幻の手羽先』は以前に冷凍食品としてスーパーにて売られている物を食べた事があるが、こちらの方が遥かに美味だった。
空腹であった事や揚げたてであった事もその理由の一つだとは思うが、それよりも同好の士が集まってトップシークレットな話題に花を咲かせながら食べた事が大きかった気がする。

途中からレイ氏が合流して以降は会話の内容もさらに濃密になっていった。
扱う情報が本当にシークレットすぎてほとんど紹介できないのが惜しいくらいだ。その場にいたトモロウ以外の3人は皆、『幻の昆虫』複数種に辿り着いている。それほどの席だ。

紹介できる話といえば、「夜間採集の際に吸い込むユスリカとウンカは『喉越し』が違う」というあるあるが成立していた事、レイ氏は危険なフィールドの赴く際に『ドッグタグ』を身に付けていると知った事くらいか。

彼が首から下げている物が『2枚の金属プレート』である事に気付いた時、自分は真っ先に「あっ」「なるほど!」と感じてしまった。
ドッグタグは主に兵士が戦死した際の身元確認のために使われる。

認識票(にんしきひょう)は、軍隊において兵士の個人識別用に使用されるものである。アメリカ軍のスラングでは、これを指してドッグタグ (Dog tag) と呼ぶ。近年ではIDタグ (ID tag) へ呼び名が変わり始めている。

Wikipedia-認識票


自分はそれを「本当に理に適っている」と思えたし、後に採集装備に追加する事を検討した。
基本的に自分の赴く採集地は湿地帯のみだが、近所の川辺ですらなんとなく『事故』の気配や予感がする。水田のような環境ではマムシも多い。
楽しんで歩いている場所ではあるが、常に薄らと『死』が匂っているし、この席に集まっている者は全員フィールドで死んでいても違和感がない。

勿論、そうなった場合は採集者に対する世間からの風当たりが強くなる事を考えてリスクを避けるように皆心掛けているはずだが、フィールドにおいて「死んでいてもおかしくなかった」と感じる場面は多い。
自分はそうならない為の事を考えてばかりいたが、そうなった後の事に関しては考える事が少なかった。

実際、その場にいた4人中2人はフィールドで人の亡骸に遭遇しているので、本気でドッグタグの採用を考えても良いはずだ。

少なくともワイシャツの胸ポケットに入れた『泣き顔のキーホルダー』はフォロワーに対しての身分証明にしかならない。
仮に野晒しになった骸骨からこれが出てきたら、それは嫌すぎるだろ。

胸ポケットのトモロウ
また会おうサンケイビル





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