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アマミサソリモドキの脱皮



アマミサソリモドキが脱皮をしていた。
開始から終了までの一部始終を撮影する事ができたため、ここに書き留めておきたいと思う。


この個体はガレージで飼育をしていたが、脱皮に気付いた明け方には気温が10℃ほどしかなかった。
低温に強い種とはいえ、脱皮不全が発生する事を懸念して暖房を効かせた屋内へと移動させてから観察をした。

その甲斐もあってか、脱皮は無事に成功した。

半日ほど経過した頃には分身のような脱皮殻に寄り添うようにして休んでいた。

・追記

脱皮後1日が経過すると体色が墨色に変化していた。


本来は石裏や土中で脱皮を行うようだが、タッパー内に床材を浅く敷いただけの環境でも問題なく脱皮と成長が行える。
今の所は十数匹をタッパーで単頭飼育しているが、脱皮不全を起こした個体は一匹もいない。(ただし、多頭飼育では共食いが起きてしまう可能性が高いと思われる。)

サムネイルに使用した個体はしばらく前に観察したもので、撮影時の照明を嫌って脱皮殻で顔を隠していた。



ミルワームを捕食するアマミサソリモドキ

サソリモドキ幼体の飼育においては、生体が捕食できるサイズの小さな生き餌が必須であるように思われがちだが、意外にも置き餌も捕食する。
自分はほとんどの場合、千切ったミルワームかハイイロゴキブリの幼虫を与えている。

この画像の個体が食べている物もピンセットで千切って床材の上に置いたミルワームで、獲物が一切動かずとも体液の匂いで餌と判断してその都度拾い食いをしている。

置き餌による給餌に思い至ったきっかけは、サソリモドキをフォロワーから送っていただいた際に、床材の中にハエの繭(囲蛹いよう)の破片が入っていた事だった。
恐らくはフォロワー宅にて白サシやそれが蛹化した物を与えており、特に頑丈な囲蛹は通常では餌として使用できないため、予め破砕してから使用されたのだと考えた。(ハエが羽化したとしても繭は大きく損壊しない)

それならばミルワームの断片も置き餌が可能なのではと思い立ち試した所、上記画像のシーンが生まれた。

他には小さく切った鶏肉等のような、スーパーで購入できて冷凍保存が可能な物も置き餌で与える事ができると思われる。



サソリモドキは水切れには弱いが、湿度さえ保たれていればかなり丈夫なようで、以前に飼育容器のいくつかを目立たない場所に置いたまま1か月以上忘れてしまった際も全ての個体が一切弱る事なく生き延びていた。
しかもそれが夏場の出来事だったというのだから恐ろしいほどの飢餓耐性だ。

また、氷点下のような極度の低温でなければ寒さにも耐えられるようで、九州や四国、本州の一部でも国内外来種として定着している。

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