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フクロウの餌場となる庭の大木
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樹齢100年は優に超えるであろう庭のケヤキ。
その下には、鳥獣に捕食されたミヤマカミキリが落ちていた。
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よく見ると、特定の枝の下には複数の甲虫遺骸が残されている。
何年か前はカラスによるものだと思い込んでいたが、観察を繰り返すうちに夜間に捕食が行われている可能性が非常に高い事に気づいた。
このポイントは周辺で鳴き声が聞こえるフクロウやアオバズクが食事場所としてよく利用しているようで、毎年夏にはこのような状態となる。
実際にフクロウが訪れる様子も観察した事があり、恐らくは自分が生まれるよりもずっと前からこの場所はそうして利用されてきたのだと思う。
一応、昼はカラスも同じように利用している様子なので、大型の鳥類にとって居心地が良いポイントがケヤキ樹上のその局所なのだろう。
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ミヤマカミキリが3匹
ノコギリクワガタが2匹
アオドウガネらしき甲虫が1匹
ウスバカミキリが1匹
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ちなみに、この28年間、庭でミヤマカミキリの生体を見た事はまだ無い。いつもフクロウ達に先を越されてしまう。
というより、庭にコナラ等の発生木が無いので発見する事が難しいのだと思う。徒歩1分未満の裏山では樹液に集まっているのを見ているが、そこでフクロウに捕獲された後に馴染みの食事場所である庭木まで連れ去られ捕食された結果が上記の甲虫遺骸なのかもしれない。
ノコギリクワガタ等も、庭よりも裏山で発見するケースの方が遥かに多い。
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昨年の5月には庭でウマノオバチにも遭遇した。産卵管である針が非常に長い事で有名な種だ。
この虫は樹木内部に生息するミヤマカミキリの蛹に卵を産み付けて寄生するため、このように長い産卵管を持つ。
かつては日本最大のカミキリムシ、シロスジカミキリに寄生するという説が通説となっていたが、5年ほど前に発表された論文にて『ミヤマカミキリの蛹への寄生例』と『シロスジカミキリの蛹化時期の違い』が報告され、その説は否定されるようになった。
近年解明された生態であるため、未だにシロスジカミキリ寄生説が扱われているサイトも非常に多い。
実際、シロスジカミキリは秋に蛹化をするため、ウマノオバチの繁殖期とはズレが生じるのだという。
産卵の様子や幼虫〜羽化までの詳細な観察例は
『ウマノオバチ Euurobracon yokahamae (Dalla Torre, 1898) (Insecta:
Hymenoptera: Braconidae) の生活史 -工業用内視鏡を使った観察-』にて報告されており、こちらはインターネット上にて無料でPDFを閲覧できる。