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チビヒョウタンゴミムシ類とキベリカワベハネカクシの採集。
過去ツイートにいくつか反応をいただいていたのでnoteにも掲載。
こんな簡単でメジャーな採集法に今まで考えが至らなかった自分が恥ずかしい
— トモロウ (@Day_after___) June 17, 2022
一年に1度偶然出会えるか否かという遭遇率だった庭の微小ヒョウタンゴミムシ類は水を張った桶に土を入れれば大量に浮いてきました
ホースでプラケを濯いでいた際、水責めされ浮いてきたチビヒョウタンを発見したので即実行😭 pic.twitter.com/mJVaIyRFvm
ちょうど近くにいたナガヒョウタンと比較。
— トモロウ (@Day_after___) June 17, 2022
まるでオオヒョウタンゴミムシかと錯覚するな…。
近くに大量に居たハネカクシはチビヒョウタンの繁殖に関わったりするのだろうか。
30㎠内にこれだけ居るのなら庭には数千匹いるのでは… pic.twitter.com/qb9cJLRojO
2022/06/17に自宅の庭で行ったチビヒョウタンゴミムシ類の採集。
土を地表から2〜3センチほどの厚さまで掬って、それを水の入った桶の中に入れていくという簡単なものですが、凄まじい数の個体が浮いてきました。
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/94858016/picture_pc_cd6055b5a0f24b4aaae9b36da9954994.jpg?width=1200)
サムネイルに使用した画像はナガヒョウタンゴミムシとの比較です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/94858309/picture_pc_508ff27a53693ffdb61e8305db6c6409.jpg?width=1200)
チビヒョウタンゴミムシのような体長数ミリの微小昆虫は、いくら庭の中とはいえど、狙って見つけることが非常に困難な印象でした。(上記ツイートのように発見頻度は、多くても年に数度という偶発的なものです)
ただ、洗い場でタライの洗浄等をしている時、時折チビヒョウタンゴミムシが流されている事がありましたので、それならば土ごと水に沈めれば何匹も浮かんでくるのでは?と思い試してみたところ、目論見通り成功。
他種昆虫ではこうした捕獲方法が知られていたのですが、この種に試そうという発想には至りませんでしたね…。
何かしら名前は付いている採集法なのでしょうか?
そういえば、湿地環境に住むアオヘリアオゴミムシ幼虫の餌候補を探している時も、私有休耕田の土を100Lほど持ち帰って自宅で水を注ぎ、中の生物を浮上させて記録していました。
あとはナメクジやカタツムリ類は水没した際、比較的早急に水面に出ようとするので、それらを捕獲する際にもリターを水没させる事で効率的に探せると思います。
キセルガイはちょっと時間がかかるかもしれませんが。
昔、庭でオカトビムシをそうして探そうとした時によく這い出てきていた記憶があります。
チビヒョウタンと同時に採集できたハネカクシ類はハネカクシ専門家の千田先生に同定してもらったところ、キベリカワベハネカクシであると判明。
本当に専門外な分野なので、助かりました…。心底感謝しております。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/94857687/picture_pc_0ab416571057241f49365fa3645b5451.png?width=1200)
Wikipediaのヒョウタンゴミムシの項によると
小型種の中には、沼などの水辺の泥に巣穴を掘って生活し、同様の環境でやはり巣穴を掘って生活しているハネカクシ科のカワベハネカクシ属 Bledius spp. の巣に侵入して捕食する習性を持つ種がいることが知られている。
と書かれています。
両者を同じケースでごく短期間飼育したところ、チビヒョウタンがキベリカワベを捕食するといった場面は特に見られませんでした。
それを観察できなかった理由としては、この年は忙しい中でオオサカアオゴミムシ、ナガヒョウタンゴミムシ、ヒョウタンゴミムシ、マルガタゴミムシ、スナハラゴミムシ、アオヘリアオゴミムシ、マルガタゲンゴロウ、ヒメタイコウチ等の繁殖を同時進行で行っていたというのが非常に大きいですね…。
ちなみに、今でもチビヒョウタンはキベリカワベを捕食(繁殖に寄与)している可能性がそれなりに高いという目論見でいます。
単純に同じ環境を好むだけかもしれませんが、同所生息するキベリカワベを巣穴の奥に追い詰めて襲う事自体は容易だと思います。
甲殻を持つチビヒョウタンはキベリカワベからの反撃も怖くありませんし。
今年も恐らくは片手間になってしまうと思いますが、色々試してみたいです。(もしくはこれを読んだ誰かに試してもらいたいです)
2023/01/04現在、マイナー種すぎてナガヒョウタンゴミムシとヒョウタンゴミムシを両方累代飼育した人間はおそらくトモロウしか生存していないと思うので、いっそオオヒョウタンゴミムシも繁殖に挑戦してしまおうかと密かに思っていたのですが、遠征慣れしていない人間にはあまりにも高嶺の花すぎる。
オオヒョウタンは誰かに任せるとして、チビヒョウタンから先に試しましょうかね…。
そしていずれ誰かが成功するであろうオオヒョウタン繁殖法の勝ち馬に乗って4種繁殖を目指そうかな。
あと、昆虫と自然2007年1月号の「ヒョウタンゴミムシの生態」もいつか読まなくてはなりませんね…。
持っている方がいらっしゃればご一報くださると嬉しいです。
そうでなくてもいつの日か国会図書館等を利用するとは思いますが。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/94858393/picture_pc_b296fc09d1cd1d70f241be4588003356.png?width=1200)
2023/02/21追記
昆虫と自然2007年1月号「ヒョウタンゴミムシの生態」は国会図書館遠隔複写サービスにて資料を取り寄せました。