私有水田にてマルガタゲンゴロウ幼虫を発見
私有水田にてマルガタゲンゴロウの幼虫を発見する。
近辺で成虫を確認したことがあるとはいえ、良好な湿地環境にのみ生息する絶滅危惧種である本種が私有地で繁殖を行っていた事に心底驚いた。
マルガタゲンゴロウやメススジゲンゴロウ類の幼虫は細長い首が特徴的で、いずれもミジンコなどを好んで捕食する。
これらはゲンゴロウ類全体の中でも比較的特異なフォルムをしており、以下の動画のようにしゃくり上げるようにして頭上のミジンコを捕食する事に特化しているようだ。
私有水田は業者に管理を任せているため畔に除草剤等が散布されているが、マルガタゲンゴロウが終齢にまで成長できる程度にはミジンコ類の密度が高く、生物の多様性も保たれているものと見ていいだろう。
ちなみに、マルガタゲンゴロウは終齢にまで成長するとミジンコのみの捕食では栄養が不足するようで、羽化不全や体格の矮小化が起きると聞く。
過去に飼育観察をした際にはボウフラを与える事で羽化率が向上し、羽化後の体長も平均を保っていたので、水面付近を活発に遊泳してミジンコ以上の体長である節足動物や多数の落下昆虫の存在が野外での本種の生息密度に大きく関わっているのかもしれない。