サムライアリ
ビオトープのプランター近くにある蟻の巣。
その入り口周辺に大量の黒蟻が集まっていた。
これはきっとサムライアリだろう。
行列は一方向へ向かって進んでいった。
本種は大挙してクロヤマアリの巣に侵入し、蛹や幼虫を攫う『奴隷狩り』と呼ばれる生態がある。
そしてサムライアリの巣の中で羽化したクロヤマアリ達は何の疑問も抱く事なくサムライアリの世話に従事する。
まさに奴隷そのものといった様子だ。
サムライアリの働き蟻は完全に奴隷狩りに特化しており、奴隷狩り以外ではほとんど巣の外に出ない。
さらには顎の形も奴隷狩りに特化しすぎており、食事すらも奴隷から口移しで与えてもらう必要がある。
ここまで極端な生態を獲得した本種には、畏敬の念を抱く。
しばらくするとサムライアリ達は、大量のクロヤマアリの繭や幼虫を抱えて巣に戻ってきた。
それらの世話は、以前に同じように奴隷狩りで連れ去られたクロヤマアリ達が担当する。