2023/05/10 トウキョウヒメハンミョウの成虫を確認
2023/05/10
自宅玄関先でトウキョウヒメハンミョウの成虫を5個体ほど見かけた。
トウキョウヒメハンミョウは体長約1センチほどの小さなハンミョウの仲間。
トウキョウの名を持つが、全国で見つかる個体に遺伝的差異が無いため、ここ数十年以内に定着し分布を拡大している外来種である可能性が非常に高いとされている。
当地域では大体5月下旬から6月初め辺りから成虫が出現するイメージだが、今年はかなり早い気もする。
トウキョウヒメハンミョウは初夏に十分な栄養を蓄えた3齢幼虫となっている個体だけが日照時間や積算温度等の条件を以ってして、ほぼ一斉に巣穴を塞いで蛹化する。(そのため、物陰に巣穴を作った個体は羽化が少しズレる)
晩秋に越冬に入る際も短日条件によって巣穴を閉じるとされている。
………というデータがあった気がするが、今は電車に乗っているため、自宅にある参考文献を確認できない。間違いがあるかもしれない。
北隆館出版の『日本のハンミョウ』にはナミハンミョウ及びトウキョウヒメハンミョウに関する詳細な研究が多く記載されているため、興味のある方は是非購入していただきたい。ハンミョウの発見〜捕獲の際に役立つデータも多い。
Amazon等ではプレミアが付いているかもしれないが、書店への取り寄せ等は可能だと思われる。
今年は早くも夏日となった日が続いたため、蛹化及び羽化が早まったのだろうか。
GW前には3齢幼虫の巣穴がほとんど閉じていたため、「しまった」と思っていたのを思い出した。
今年も蛹の観察を行いたかったが…蛹化タイミングを読み間違えた自分が悪いのでこればかりは仕方がない。
以下は過去に撮影したトウキョウヒメハンミョウの蛹〜羽化の様子。
上記のようにハンミョウやゴミムシ類の蛹を観察する際は、コルク栓と塩ビパイプを組み合わせた以下の器具を使用している。『日本のハンミョウ』p66参照。
尚、ゴミムシの蛹は平面にてハンミョウ程の体の安定を保てない構造となっており、この容器での観察の際は倒れてしまう場合も多い。丸みを帯びた蛹室内での安定に特化しているようにも思える。
ゴミムシに使用する際は、最下層に崩れにくい粘土質の用土を数ミリほど使用したり、人工蛹室へと移動させる対策を考えている。