マトウダイ
出張先にある市場で見覚えのある魚を見かけた。
(撮影許可済み)
人生のうちで何度見ても真っ先に「この魚名前なんだっけ」と思い、数秒遅れて「マトウダイ」という名前が浮かんでくる。
的鯛(マトダイ)という呼び名もあるので、体の中央にある特徴的な模様がその名前の記憶を呼び起こしてくれるのかもしれない。
初めてその姿を見たのは数年前。
市場からさほど離れていない海岸で、先程の店頭で売られていたような大型の個体も打ち上げられていた。
発見当初は今よりも魚に疎く、本種の名前をほとんど覚えていなかったが、一目見た時に薄らと浮かんだ和名はしっかりと『マトウダイ』だった。
どこで見聞きしたのかも忘れてしまったが、やはり外見から連想される和名が付けられていると頭の奥底に焼き付けられやすいようだ。
同じ砂浜では黒いプリケツ昆虫が埋まっており、掘り起こしてみるとそれはヒョウタンゴミムシだった。
マトウダイを含む、砂浜の遺骸を食べるスカベンジャーの側面もある。