自宅ビオトープにて怪虫オオキベリアオゴミムシを確認
※当記事には捕食されるカエルの画像が掲載されております。ご注意の上、閲覧ください。
昨日の記事内で庭に多数生息する国内外来種ヌマガエルについての懸念を書いたが、同日に天敵がビオトープへと来訪した。
なんと、先日に私有水田にて生息を確認した怪虫オオキベリアオゴミムシが自宅の湿地帯ビオトープに飛来していた。
庭や裏山ではそれぞれ一度だけ生体を確認しているが、今回は稲刈り後の水田地帯から数百メートルの旅路を経て訪れたのだと思われる。
このビオトープは街灯の近くに存在するため、イナゴやスズムシ等も飛来する。恐らくは同じような経路だろう。
本種は当noteでも何度か専門的に紹介しているように、カエルを好んで捕食を行うという特異な生態を持つゴミムシだ。
特に幼虫はカエルに噛みついたまま消化液を流し込み、その溶けた血液等を啜る事で成長をする事で知られる。
以下記事のサムネイルに写る幼虫の牙はカエシが付いており、食らいついたカエルから離れ難い構造となっている事が分かる。
※以下記事では当記事よりもさらに凄惨な捕食生態の画像が多々あるため、閲覧の際はご注意ください。
成虫は、時には自分よりもはるかに大きなカエルに食らいつき、脚の筋肉を断裂させた末に動きを封じ、捕食を遂げてしまう。
その様子は以下リンク先のYouTube動画が詳しい。
オオキベリアオゴミムシ成虫を飼育する際には自宅周辺にて毎日のように発見されるヌマガエルの轢死体を餌にして飼育を行なっていた。
当県では野外においてもヌマガエルが主要な餌メニューの一つとなっており、捕食シーンが何度も観察される。
その生息数の多さもさる事ながら、ヌマガエルの四肢は草上や樹上に登るための機能をほとんど持たず、生活の大半を地表及び土中で過ごす。
そのため、オオキベリにとってはアマガエルよりも遭遇しやすい相手となっているようだ。
上記画像は倒木によって封鎖された路上で観察されたシーンであり、決して車による轢死体の捕食ではなく、ヌマガエル生体と接触したオオキベリによる捕食であった可能性が高いと考えられる。
冒頭でも語った通り、庭に多数生息するヌマガエルは国内外来種だ。
ビオトープを構成する重要な一種である事は間違いないが、ヌマガエルが蔓延る当県の湿地帯全域の環境含め、それが健全であるかどうかは分からない。少なくとも良い影響ばかりではないだろう。アマガエルを捕食したり、ニッチを奪っている可能性も高い。
今や私有水田を一周するだけで100匹以上のヌマガエルと遭遇する事もざらにある。
自宅ビオトープにおいても徘徊性昆虫を多数捕食し、食物連鎖の上位種となっていたヌマガエルは懸念材料の一つであったが、今回こうして天敵であるオオキベリアオゴミムシが自力で飛来した事でそのバランスが少しばかり変わるかもしれない。
少なくとも水田よりはるかに数が少ない庭のカエルを頼りに世代を重ねる事は難しいと思われるが、今後ビオトープにてカエルの繁殖が確認されるような事があれば、定着の可能性はかなり高まる。
今後はオオキベリアオゴミムシの定着を狙った『エコトーン付きビオトープ』『湿地帯ビオトープ』の更なる増築も視野に入れていきたい。
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