「親父ギャグ」はダメ。ゼッタイ。
僕はダジャレが好きです。
ところが、世の中には「ダジャレが好きです。」と言っておいて、親父ギャグを連発する人がけっこういます。
って、「ダジャレと親父ギャグって一緒じゃん。」と言う人も多いでしょうか。いえ、僕に言わせれば全く異なるものです。
これについて、「日本だじゃれ活用協会」さんのワークショップに参加させていただいた時に、とても良い違いを教えてもらったので、それをふまえてここで紹介させてもらいます。
2015年6月5日の東京新聞より。左下の笑ってるメガネが僕ですね。新聞に載ってるのだし、他の方の顔へのボカシはしなくていいよね?
ダジャレと親父ギャグの違いとは?
年齢?いや、若くても親父ギャグな人もいます。
性別?たしかに女性で親父ギャグを言う人はあまりいない気がしますが、もっとしっかりした違いがあります。
親父ギャグにはなくて、ダジャレにはあるもの、それが違いです。
ダジャレにあるもの。それは。
ダジャレには、愛があります。
その場を和ませる。行き詰まりを打開する。縁起を担いで幸せを願う。それがダジャレの持つ愛です。
対して親父ギャグは、TPO関係なしに「思いついたから」言っちゃう、なんとも自己中心的な言葉です。
愛想笑いをされることもあるでしょう。普通の人は愛想笑いは愛想笑いと理解しますが、親父ギャガーはなんと、調子に乗って親父ギャグを繰り返します。酷すぎてこっちが恥ずかしくすらならないです。
他人に気を使わせ、エネルギーを奪う行為、それが親父ギャグです。親父ギャグもドラッグも楽しいのは自分だけで他人には迷惑かけまくりなのです。もし不幸にしたい人がいるのであれば、どんどん親父ギャグ連発マシーンになってください。ただし人を呪わば穴二つ、ですが。
※ 後半からは僕個人の意見であり、日本だじゃれ活用協会さんは親父ギャグをこんなに悪くは言ってはいません。
これは親父ギャグの様でも愛がある 1.ゲン担ぎ
日本人はゲンを担ぐのが好きです。神社やパワースポットに行くのもそうですが、言葉でゲンを担ぐことも多いです。
例えばおせち料理。黒豆は「まめに働ける様に」との願いだし、昆布巻きは「よろこぶ」に掛かっています。もっと身近なところでは、勝負事の前に「カツ」を食べて「勝つ!」。これは親父ギャグなんかではない、立派に愛のあるゲン担ぎです。
また、悪い言葉を良い言葉に置き換えることも。スルメは「スる」としてゲンが悪い、ということで「あたりめ」と呼ぶことがありますね。
2.造語(混成語)
十数年前のCMだったでしょうか。会社の上司が、酒の席で「飲みニケーション♪(飲み + コミュニケーション)」と部下の女性に絡む描写がありました。これはCM内では親父ギャグとして描かれたていたのですが、けっこううまいこと言ってるな、と当時から思いました。って、ディレクターさんが考えてるのだからうまいのは当然なんですが、親父ギャグを言われたリアクションをする設定なのにうま過ぎるかな、と。
このように、今では普通に通じる「飲みニケーション」という言葉も、最初は親父ギャグ扱いもありました。ちなみに、検索してみたのですがどうもこのCM、見当たりません。記憶では上司役は西田敏行さんだった気がするのですが、そんな大物なら検索で出てきてもいいはず・・・僕の記憶違いでしょうか。
と、話が逸れましたが、このように、言葉を組み合わせて新しい言葉を作る、というのは良くあるネーミングの一つです。
ブレックファースト + ランチ で ブランチ、 ネット + エチケット で ネチケット、などはもう一般の言葉として使われていますよね。
このような横文字の混成語は調べてみるとたくさんありますが、なぜか日本語含みの造語は親父ギャグ的扱いをされがちな気がします(例 安倍首相(当時) + エコノミクス = アベノミクス )。でも個人的には、十分に知的な創作だと思います。
3.フリとして使う
CMで親父ギャグと言えば、大塚商会さんのたのめーるのCMもありますね。オフィス用品に関する親父ギャグを発し、マスコットキャラ?の犬がのんきくんのドピューみたいなリアクションをするCMです。あれはリアクションが本番みたいなものですし、パターンもめちゃくちゃ豊富なので楽しく見れます。本物の親父ギャグはパターンが豊富ではないですしね。
00年代前半頃に流行った、さまぁ〜ずさんの「悲しいダジャレ」もある意味、フリとして使う親父ギャグかもしれません。ダジャレ自体は古典的で誰もが聞いたことのあるものを言い、大竹さんが悲しい一言を加える。素晴らしい、オリジナリティのある作品です。本物の親父ギャグは古典的なだけでオリジナリティのカケラもないですからね。
4.児童書
ダジャレが好きな子供は多いですよね。日本語に親しむきっかけとして、平易で古典的なダジャレを使うのは良いことだと思います。絵本でも、コロコロコミックでも、コロタン文庫でも良いです。高学年になっていくと「同音異義語」と、いかにも勉強って感じになりますが、それまではダジャレで頭の柔軟体操をしておきましょう。そして親父ギャガーは、いつまで子供なのでしょう。
番外編.A○のタイトル
この業界、特にパロディものに多いんだけど、なぜか言葉遊びがめちゃくちゃうまい。こんなもん、愛に決まってます。
下ネタ系で言えば、「カメレオン」など加瀬あつし先生の漫画もやけに言葉遊びがうまいですね。男子は、こういうところでクリエイティブを発揮する生き物なのかもしれません。
他人を不幸にする人は幸せになれない
序盤で人を呪わば穴二つ、と書きましたが、まさにその通り。親父ギャグを言うだなんて、自分が落ちるための穴を掘ってる様なものです。たとえ本人にその気がなくても、人に迷惑などかけていては幸せになることは難しいでしょう。
あなたの周りにもいませんか?別に仕事ができないわけではないのに、なんだか昇進できない人。そんな人に見られるのは、自己中心的、客観的に自分を見れない、いつも同じ話ばかり。全て親父ギャガーの特徴です。
逆に言えば、「この人と一緒に仕事をするとなんだか捗る!」となる人が出世するのは当然です。大切なのはコミュニケーションと思いやり、そして愛です。
愛とはつまり、前向きで、創造的で、能動的で、win - winで、世界が拡がって、未来に向かっている。そんな想いで紡がれるものがダジャレです。
私( I )と「相」手が出「会い」、「空い」た心を「合い」ますようにというオープン(「開い」てる)な視点( eye )から見るための一つ( eins )のもの、それが「愛」です。
さあ、最後のこれは、皆さんから見てちゃんと、「ダジャレ」になっていましたでしょうか。
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