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文章中の「太字」の美学 教科書の太字に蛍光ペン引く人は要領が悪い

SNSにおいてはたまにできないところもあるんですけど、太字が書けるっていいですよね!

僕のように、まだファンがついてないくせに長文を書く時、読者に特に読んでもらいところを太字にするわけです。

まとめサイトにおいては、核心をついてるレスや面白いレスについて、色やフォントサイズを変えることで表現されたりもします。

バラエティ番組のテロップでも、強調したいところはできるだけ下品な装飾が施されていますね。



太字、というと、教科書や参考書って、太字が良く使われていたのを思い出します。これは特に「テストに出るよ!」という点が太くなってるわけですね。

ここで思い出すことがあるのですが、教科書に、赤ペンでアンダーライン引くとか、蛍光ペン引くとかあったじゃないですか。まあ、みんながやってるって理由で小学生くらいの時は僕もやってたと思うんですが、中学生くらいからは「みんな何を意味のないことやってるんだ」と思ってました。だって教科書の重要なところは、もう既に太字なんですよ。お前にされるでもなく、文字は強調されてるだろ、じゃないですか。そんで僕は蛍光ペン引いてないのに、ほぼ毎回学年10位以内の成績でした。まあ今となってわかるのは、僕はMENSA会員になれてるのだからそれでかもしれません。でもつまり、蛍光ペンを引かない理由をちゃんと持った上で引いてない人が一番頭のいい人ではないでしょうか。

とはいえ、引きたくなるのはわかります。なんせ僕は、文房具大好きです。蛍光ペンには、ある種の憧れがありました。

なんせ小学校の頃はシャープペンも禁止ですし、あの頃エスパークスの文房具も先生に怒られました。中学生ならお小遣いも増え、蛍光ペンも5色は持てます。そんなに使い分けられるわけがないのに。



さてここまで書いていて、僕が大して重要でもないところも太字にしている傾向が見て取れるかと思います。それはやはり、自分の若い頃の習性、いや、ある種の美学が、今でも出ている、ということだと思うのです。

太字の付け方の一つの指針、それはズバリ、ファミ通町内会の「わたしの報告書」コーナーですね。そう、ファミコン通信の読者コーナーです。ジャンプ放送局に勝るとも劣らない、最高水準読者コーナーの一つです。僕もかつて4コマを投稿したりしたのですが、全くガバスを貰うには至りませんでした。

今手元にある参考資料(かつて読み過ぎてけっこう汚れてしまっている)からいくつか引用させてもらいましょう。一番面白いの、とか言うとセンスが問われちゃうので、真ん中へんのページから、下ネタは避けて引用。

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○ 霊能者が科学者の説明にうっかり納得してしまっている絵柄のトレーディングカード。
○ タイ語で”はしゃぎすぎた日本人のOLの夜”という意味の航空会社
○ ブラジル人が「あたためますか」でウケてたよ。
家庭内でも靴を隠される

太字がなくてももちろん面白いのですが、太字の付け方のセンスが素晴らしい。

高校〜大学生の頃、将来はお笑いでボケをやりたいと思っていた僕は、脳内の吹き出しで太字を想定しながらしゃべっていました。とはいえ今思い出すと当時の自分なんてそこまでクオリティ高くない。今のネットなら「早口で言ってそう」なんて煽りがありますが、あの頃の僕は「太字で言ってそう」で煽られてしまいます。



さて、話は現代に戻り、大人になってからも僕たちは、太字が多く出てくる本に出会います。

それは、自己啓発などのビジネス書です。太字や図表やイラストなど多用され、読みやすく書かれているものが多いので、速読できない僕でも2時間もあれば読める本もよくあります。

なるほど、太字ではたしかに重要なことが書いてあるようです。ただ、これはテストに出ません。なぜテストに出ないか?それは絶対的な答えのない内容だからです。

でも、タイトルなのか表紙デザインなのか、あなたは何かが気になってその本を手に取りました。だからあなたにとって重要なことは、そこにきっと書いてあります。これこそ、太字でなくても蛍光ペンを引く価値のあるものです。「線を引いたらブックオフで売れない」とか考える必要はありません。大人の僕たちこそ、本に線をどんどん引くべきです。どんどん引き過ぎて全部線じゃん!となっては太字に蛍光ペンのあの頃と一緒ですが。

本当に重要なこと。「世間一般の」じゃない、「あなたの」価値観の優先事項、とは何か。ジョーシキなんて狭い考え方とは、線引きして生きていきましょう。

そして書体では、太字のことをboldと言いますが、boldには太い以外に、大胆な、とか果敢な、という意味があります。

boldな人生を。

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