【ポケカAdvent Calendar2023】サイドレースとその先【4日目】
本記事は、いちょー氏が企画したポケモンカード Advent Calendar 2023の4日目の記事です。
概要はこちら。
簡単に言うと25日連続でポケカに関する記事が読めるぞ~!ってことです(埋め込み上手くいかなくて見えないけど25日埋まってません)(無理に埋めるものでもないらしいが)(ぜひ誰か書いてください)。
今回のカレンダーはこちら。
↓去年もなんか書いてたので一応置いておきます。
アドカレとは関係ないですが個人的おすすめ記事(自薦)はこちら2つ。
さて、本題。
今回は「サイドレース」について考えてみたいと思います。基本的なサイドレースの話から、それを崩してでも勝ちに近くなっていくルートの話なんかを書けたら良いなと思っています。
試合中のプラン立ての基本、デッキ作成の基本となるサイドレースについて正しく理解しようというのが目的です。
1.サイドレースって何?
ポケモンカードは、「相手より先にサイドを6枚取りきったら勝ち」のゲームです。ほかの勝利条件は当記事の内容と少しずれるので割愛します。
その際、お互いにサイドを取り進めていきますが、どのようにサイドの枚数が進んでいくのか、それを「サイドレース」と呼んでいきます。
こちらの動画は非常にわかりやすいと思います。正直これを見れば終わりな気もするのですが、もう少し深堀して考えていければと思います。
サイドレースを有利に進める基本は「相手より多くサイドを取る」ことです。それではどのように「相手より多くサイドを取る」のか考えていきましょう。
2.サイドレースがうまいデッキ
サイドレースのうまいデッキとして【サーナイト】があります。上の動画でも紹介されていますね。
このデッキはサイド1の優秀なアタッカーがおり、サイド1のポケモンでサイド2のポケモンを倒すことで「相手より多くサイドを取る」ことができます。
そのため、序盤は『ミラージュステップ』など展開に時間をかけてサイドが取れなくとも、後から逆転できる構造になっています。『カウンターキャッチャー』『リバーサルエネルギー』は逆転する構造にぴったりフィットしていますね。
3.見かけのサイドレースと本当のサイドレース
上のサーナイトの例だと、1-2交換を続けることでサイドレースを逆転していきました。これだと基本的にサイド差が4枚付いてしまうと、逆転することができません。(『カウンターキャッチャー』『ナンジャモ』『サケブシッポ』で相手には攻撃させないで一方的にサイドを取り続けるという例外はあります。)
しかし、自らサイド差を4枚程度つけてでも「あえてポケモンを倒さない」というプレイが存在するデッキがあります。それはロスト軸のデッキです。「見かけのサイドレース」は大きく離されても「本当のサイドレース」は拮抗していることがあります。
それを成立させるのが『ヤミラミ』の存在です。対ロストでは序盤から「見かけのサイドレース」ではなく「本当のサイドレース」を考えてプレイしなければなりません。例えば次のような盤面を考えてみましょう。
一見すると『かがやくゲッコウガ』は『おとぼけスピット』を耐えるのでサイドが進んでいないように見えます。しかし、この場面での『おとぼけスピット』はサイド1枚分の攻撃になります。よくこのような場面で『かがやくゲッコウガ』で耐えようとする人を見ますがこれはかえって悪手で、『キュワワー』でサイドを取らせた方がよいほどです。
少し先のターンにはなりますが、20残った『かがやくゲッコウガ』は、『ロストマイン』で『キュワワー』を倒すときのついでで倒すことができます。上図のように後1『おとぼけスピット』を『かがやくゲッコウガ』で受けた場合、『キュワワー』3体と『かがやくゲッコウガ』でHP70×3+20=230なので『ロストマイン』2回ですべて倒せてしまいます。つまり『おとぼけスピット』+『ロストマイン』2回でサイド4枚をとれます。
一方この後1『おとぼけスピット』を『キュワワー』で受けた場合、残りは『キュワワー』2体と『かがやくゲッコウガ』でHP270残っており、『ロストマイン』2回でやられることはありません。この差は『おとぼけスピット』を110ダメージとして受けるのか70ダメージとして受けるのかにあります。もちろん『いれかえカート』や『ジラーチ』などによって技の回数は変わりますが、目先のサイドを取られないことだけを考えて安易に耐えるプレイをすると、中終盤に『ロストマイン』の柔軟なバラマキによって効率よくダメージを食らってしまうことがあることは覚えておいた方が良いです。
このような考え方を「サイドレース」とは別に「ダメージレース」と呼ぶこともあります。「ダメージレース」を考えれば「本当のサイドレース」が見えてくるような気がします。例えば今のポケモンカードだったらだいたい600~700ダメージくらいを最適で与えられればサイドを6枚取れます。最適で進むのは難しいのでもう少し余裕をもって準備する必要がありますが。
『ヤミラミ』はほかにもあえてギリギリ倒さないことによって『ナンジャモ』『ツツジ』『カウンターキャッチャー』などの強力な逆転カードを使えるようにすることも得意です。この中で『ツツジ』については過去に記事を書いているのでお暇な方はご覧ください。
最近はこの『ヤミラミ』の対策として『ジラーチ』が採用されていることがあります。今回の「サイドレース」の話から少しそれますが、こういうピンポイント対策カードを入れる際には入れたら本当に勝てるのか、また、対策されている側はどのように対策の対策をするのか、練習段階で決めておかなければならないですね。対策カード入れても勝てないのであればいっそのこと入れない方が他のデッキ対面ではいいですね。
4.サイドレースから逸れたように見える勝ち筋の話
後1技使えず、先2『ヘイルブレード』240ダメージで『ミライドンex』がやられ、サイドを2枚先行された状況です。ここで何をしますか?
確かに目先のサイドレースだけを追うならバトル場の『パオジアンex』を倒すと思います。2枚取られた返しに2枚取り返さないと突き放されるだけですからね。しかも【ミライドン】側には【サーナイト】や【ロスト】のような非exのアタッカーで相手のVやexを倒すことはありません。
しかしここでの正解択は『ボスの指令』でベンチの『セグレイブ』を倒すことだと思います。
ここでサイド1のポケモンを倒すことは、実はサイドレースの観点でそんなにおかしいことをしているわけではありません。
『セグレイブ』を倒すと、普通の【パオジアン】のデッキだとこちらのアタッカーがやられることがありません。『きょくていおん』で一気にエネルギーが付くことがありませんからね。
そのまま別の非exを倒せば一気に2枚取ることができ、これは『パオジアンex』を倒すこととサイドレースに変わりはありません。とるサイド進行も1-1-2-2が見えてきて綺麗です。
ではサイドレースで言えば変わらないのに後者の方が優れていると言っているのはなぜか。それは「盤面干渉力」にあります。
『パオジアンex』を素直に倒した際、ベンチに次の『パオジアンex』『セグレイブ』『ビーダル』がそろっていることから、次の攻撃に転じるのは容易でしょう。後者の場合は『セグレイブ』が場からいなくなり1ターン攻撃できないと説明しましたが、その攻撃できないターンに『セビエ』を置く要求を満たさないといけません。ましてやこちらの手札には2枚目の『ボスの指令』があるので『セビエ』を2体置かないといけなく、1体しか置けないようならさらにもう1ターン攻撃できなくなります。そうなれば一気に【ミライドン】側のペース、いつの間にかサイドレースも逆転できています。
こういった盤面のサポートポケモンを倒していくことを私は盤面干渉と呼んでいるので「盤面干渉力」という言葉で説明させてもらいました。例えば『セグレイブ』を倒した後に『セビエ』が出てこなかった場合は追い打ちで『ビーダル』を倒しにいっても良いですね。後のために『ボスの指令』を残しておきたい気もするので必ずそれが良いとは言えませんが。
大きくサイドを先行されたとしても『ナンジャモ』『ツツジ』のハンド干渉と上記の盤面干渉(『カウンターキャッチャー』などを使い重要なポケモンを倒す)を同時に行い、相手の要求を上げれば(ハードルを上げれば)、いつかは相手の動きが止まってそこから捲って勝利するなんて試合も少なくありません。
サイドに限らず相手より少しずつアドバンテージを取ることはどのカードゲームでも重要です。
5.サイドレースは同じだけど本質は違う話
未来古代環境になり、「サイドレース」に関して見逃せないカードがあります。
そう、『テツノカイナex』です。ワザ『ごっつあんプリファイ』でポケモンを気絶させると1枚多くサイドが取れ、非exを倒してサイド2枚獲得するというのが主な使われ方でしょう。
今回は【パオジアン】に入れたときについて、以前までサイドを一気に2枚取る手法として重宝されていた『かがやくゲッコウガ』(+『クロススイッチャー』『キャンセルコロン』)と比較してみたいと思います。
未来古代発売直後は『かがやくゲッコウガ』を高く評価していました。これは先述の盤面干渉力が高いからです。
例えば【サーナイト】対面、相手が『ラルトス』を2体しか出せなかった場合、そこに『げっこうしゅりけん』を当ててしまえば一気に優位に立てます。また、『ミラージュステップ』の返しに『リファイン』を持つ『キルリア』を2体倒すのも強力です。
しかし最近は『テツノカイナex』も悪くないなと思いました。ポイントとしては「手軽さ」「場持ち」「連打性」があげられます。
『テツノカイナex』は一度エネルギーをつけてしまえばそのまま攻撃し続けられます。HP230というのは仮想敵の非ex主軸のデッキにとっては十分に大きいHPで、やられないで一気に『ごっつあんプリファイ』を2回使ってサイドを4枚先制なんてこともあり得ます。こうなってしまえば盤面干渉力が少し乏しいとしても十分すぎる活躍をしています。『かがやくゲッコウガ』の場合は相手の場に『マナフィ』がいると一気に技のハードルが上がり、「手軽さ」や「連打性」が一気に下がってしまいます。
2つの手段についてこのくらいは考えてから今の環境でどちらが優れているか(通りやすいか)を考えてデッキ制作をするべきだと私は考えます。逆もまたしかりで、『テツノカイナex』入りが多いならその対策をすべきだし、『キャンセルコロン』+『クロススイッチャー』が多いならその対策をするべきです。(後者の対策ってなんだみたいな話はある。)
同じ「非ex相手に1ターンにサイドを2枚取る」でも意味が違うということを理解してくれれば充分です。
6.あとがき
今回は「サイドレース」について考えていきました。これはポケモンカードの対戦を考える上での一つの指針にすぎませんが、デッキ作成のとき、対戦中、どちらでも必要な考え方なので少しでも参考になれば幸いです。
今回のアドカレ1日目の対【カビゴンLO】の記事は「サイドとリソースのレース」であり少し特殊な話にはなりますが、その基礎の基礎は「サイドレース」にあります。相手よりも少しだけ先にゴールすればいい。それだけです。
年の瀬ということで個人的な振り返りをすると、新潟で体調崩したこととWCSで稼働したことが特に印象に残っていますかね。健康が一番ですよ。本当に。
直近のバトルツアーもかなり良かったです。
シティリーグは… 1回優勝してJCS出たいですね。
CLは久しぶりにスリーブもらいたいなというか、2日間開催になってから全然出られてないのでまずは優先権リレーできるような立場になりたいですね。
来年は生活様式が大きく変わりそうで今まで通りポケカと関われるかはわからないのですが、引き続き楽しめたら良いと思います。
よ~し、この記事も書いたし、サイドレースおもろいデッキ使うぞ~と思って最近は赤ロストを結構いじいじしてます。
おわり。