高桑 智雄

マクロビオティックの陰陽宇宙論を伝える活動しています

高桑 智雄

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最近の記事

沢木耕太郎『天路の旅人』に桜沢如一が登場

『深夜特急』で一世を風靡した日本を代表するノンフィクション作家である沢木耕太郎氏から、桜沢如一資料室に問い合わせがあったのは、昨年の9月のことであった。 ナゼにそんな大メジャーな作家さんから、直接電話での問い合わせがあったのか? 実は沢木氏は、第二次世界大戦末期に、中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した謎多き日本人で『秘境西域八年の潜行』という旅行記を残した「西川一三」という人物に興味を持ち、長年追っていたそうなのである。 おそらく旅の作家である沢木氏は、その当時誰

    • 宇宙の科学と人間の科学

      人はいつから宇宙の科学を信じられなくなったのだろうか。 この花の形、色、そして香りを創ったのは誰なのだろう。 地球の生命には38億年という歴史があるとされる。そしてこの生命を創り出したのは46億年という地球の歴史である。そして、この地球を創り出したのは、いうまでもなく138億年という宇宙の営みである。 そうこの花を創ったのは、まぎれもなく宇宙の138億年という壮大な科学が生み出した賜物である。 それに対して人間の科学の歴史は、どれくらいになるのだろう。 ホモサピエン

      • 「主食VS主菜」の仁義なき戦い

        久しぶりに母に会う機会があった。 話は食事のことになり、なんでも最近は体型維持のために、夕飯はお米を食べないようにしているという。 生来のアスリート気質であり、80歳になっても今だ社交ダンスの大会で優勝するために、毎日カーブスに通い体を鍛える母ならではの発想なのであろう。 しかし世の中いつから「米のめしは太る」というバカげた流言が広まるようになったのだろう。 「バカげた流言」というと、おそらく「いや実際に米を食べると太るんですよ!」と反論する人もいるだろう。 だけど

        • おにしめ

          自意識の奥底には小さな気の揺らぎがある。 しかし、それがいくら小さな気の揺らぎであろうと、閉ざされた自意識という空間でマイクがハウリングするがごとく反響すれば、巨大な化け物になり恐怖と不安で私たちを脅かす。 鬼とはそういうものなのだろう。 だから「気」も「鬼」も同じ「キ」なのである。 自意識の集合体である社会も同じである。 単なる気の揺らぎが、生真面目に気にしすぎれば、巨大な実体のある鬼となって私たちに襲い掛かる。 いくらその鬼を人が作った刃物で、切り刻んでも、切り刻

          陰陽シコウサクゴ

          現代の栄養学は、例えば大根だったら、その大根そのものを「物質」として細分化し、顕微鏡で分析し、成分だったり、栄養素だったりを算出して評価する。 ところがマクロビオティックの食物の捉え方は、大根という「物質」は、その物質を取り巻く「空間(時空)」が作り出したもので、物質と空間を切り離すことができないと考える。 だから例えば、冬にできた大根と夏にできた大根は体に与える影響が違うし、北海道でできた大根と沖縄でできた大根は同じではないのである。 それだけでなく、栽培方法や作った

          陰陽シコウサクゴ

          柔道でいきなり大技は使えない

          例えば柔道を習い始める時、いきなり一本背負いや巴投げのような大技をやろうとしたらどうなるだろう。 それは大怪我する可能性があるので、指導者はそれを止めて、まずは受け身や基本の型を繰り返すことを教えるだろう。 マクロビオティックにおいて、動物性や砂糖などの極陽や極陰の素材を調理して食べることは、いわばこの「大技」をいきなり繰り出すことと同じことなのである。 まずは身体にとって比較的やさしく扱える中庸な食材を調理して食べることが、柔道における「基本の型」の練習になるわけであ

          柔道でいきなり大技は使えない

          ウイルス生命創造説

          マクロビオティックの宇宙論で「ウイルス」の存在論を読み解くと、ウイルスこそこの宇宙空間から自然発生する生命の根源的存在だということになってしまう。 これは「ウイルス=危険な病原体」という世間的イメージとは、あまりにもかけ離れている主張かなと思っていたのだが、それは単に私の勉強不足だった。 既に最新科学のウイルス観は、「ウイルスは、われわれ生物の創造主か?」というところまで来ているらしい。 東京理科大学教授の武村政春は、近年盛んに発見されている「巨大ウイルス」の研究から、

          ウイルス生命創造説

          「Wa」のシステム論

          これからの世界のシステムに導入されるであろう「Wa」という古くて新しい概念がある。 「Wa」は日本では、和・輪・環・倭・我・吾など様々に表現されるが、これは陰陽の調和が現出する状態をいう。 例えば「Waの会話」とか、「Waの会議」とかを成立させるためには、そこに集う人たちは陰と陽を合わせ持ち、まずはそれぞれが適度な距離をとり、陰性に広がる輪(必ずしも形を輪にする必要はない)を形成しなくてはならない。 そして、それぞれが中心に向かって、それぞれの意見を出し合あい、その意見

          「Wa」のシステム論

          フアンタジック・ストーリー

          マクロビオティックには心理的アプローチが基本的にない。 それはマクロビオティックでは、私たちを取り巻くこの空間、宇宙そのものが精神であり、肉体は精神の電波を受信する端末と捉えるからである。 そして端末は「食」によって整えられる。 特に精神と肉体をつなげ電波をスイッチングするハブ機能を持つ自律神経は、食と自然のバイオリズムに合わせた生活によって整えられる。 マクロビオティックではこの「宇宙の構造」を学ぶこと自体が精神療法であり、心理療法となりうるのである。 しかし、今

          フアンタジック・ストーリー

          陰性なるがゆえの世界観

          心待ちにしていた本は、すでに一ヶ月前に資料室に届いていたが、緊急事態宣言による外出自粛で取りに行けず、やっと一週間前に手に取ることができて、遂に昨日読み終えた。 ライフワークである「桜沢如一」の新刊書籍がでる時は、いつでもワクワクする。 著者である斉藤武次さんとの出会いは、多分2011年の資料室の整理活動を始めた頃だと思う。伝説に聞くMI生とは、菊池富美雄先生や松岡四郎先生のような激烈陽性人のイメージが強かったが、斉藤さんは穏やかで陰性な文学肌の紳士だった。 今回発刊さ

          陰性なるがゆえの世界観

          ウイルスのマクロビオティック宇宙論的考察

          マクロビオティックの宇宙観の中で、そもそもウイルスは私たちにとってどんな存在なのか、新型コロナウイルスの調整作用をどう捉えるかを作図しました。 図A:宇宙の秩序と惑星の秩序の対応図 図Aは、マクロビオティックにおける宇宙進化論と細胞進化の対応図です。 マクロビオティックでは無限から「陰陽」という二つの分化が起こり、その陰陽の交感が「振動」を作り出します。その振動が陰性に広がって「素粒子」を作り、その素粒子が陽性な求心力で「元素」になります。そして元素が遠心力で「植物」を

          ウイルスのマクロビオティック宇宙論的考察

          布マスク2枚、届きました

          おくさんのアロマテラピースクールの後輩が、手作りの布マスク2枚を届けてくれた。 子供用の型から、私と彼女の顔の大きさを想定して型を作り直して作ってくれたそうだ。 しかもポケット付きで、中にエッセンシャルオイルを沁み込ませたガーゼやキッチンペーパーを入れられる優れもの。 うちのマスク在庫があと一個という時のタイミングでの突然の届け物に、二人して歓喜しました。 今回のコロナ騒動で、日本人のマスクの習慣が話題になっているが、なぜ欧米人にはマスクの習慣がないのか? これは、

          布マスク2枚、届きました

          三種の神器を手に入れよう

          八咫鏡、八尺瓊勾玉、天叢雲剣といえば、天皇家が継承してきた三種の神器で、日本の神話において、天孫降臨の際に天照大神が、瓊瓊杵尊に授けたとされる謎多き宝物だ。 この三種の神器とは、一体どんな意味があるのだろう。 名古屋でマクロビオティックセミナーを開催したあと、ぷらりと赤い可愛らしい名鉄にのって、熱田神宮を訪れてみた。 熱田神宮といえば、三種の神器の一つ天叢雲剣を祀る神社として知られている。 梅雨のしっとりとした水分を含んだ境内で、セミナーで高まった熱をクールダウンしな

          三種の神器を手に入れよう

          なぜ人類は多量に塩をとるのか?

          人間に限らず植物性を主な食性とする哺乳類は、どうしてもカリウム過多のナトリウム不足となり、外界から塩をとる必要がある。 なので野生哺乳類が塩水をなめたり塩が混入する土を食べたりする「塩場」があることは有名だ。 人間に近い類人猿もしかりで、オラウータンが積極的に「塩場」で塩を摂取することは、人類学者の研究などで明らかになっている。 しかし、人間は比較にならないほど塩を摂る。しかも、自ら製塩して恒常的に塩を摂取するのはなぜか? これは私の持論だが、500万年前に他の類人猿

          なぜ人類は多量に塩をとるのか?

          アナログとデジタルの陰陽を使い分ける

          情報伝達の主流がデジタル媒体に移行する時代にあって、紙媒体である本は、どんどん読まれなくなっている。 そして私の主な生息地である「本屋」という熱帯雨林も急速な勢いで消滅しつつある。 私は「デジタルより本がいいのだ」などと短絡的なことをいいたい訳ではない。 情報伝達がすべてデジタルに移行すれば、木が材料となる紙の消費が減り、それこそどこかの本当の熱帯雨林の消滅が少し遅れるかもしれない。 しかし、そもそも本とデジタルは、全く真逆の陰陽のエネルギーが働いている。 デジタル

          アナログとデジタルの陰陽を使い分ける

          知らなかったよシャウベルガー

          こんな重要な人を今まで知らなかったのは、とても恥ずかしい。 桜沢如一と同年代で同じく日本ではほとんど無名のオーストリアの在野の自然科学者、ビィクトル・シャウベルガー。 シャウベルガーはもともと自然観察員だったのだけど、ある時、勢いよく流れる川の中で静止して尚且つ、流れとは逆の方向に遡上し、滝すらも昇っていくマスの泳ぎに魅了される。 その原理を解明しようと研究する中で、水が温度差によって動き方が変わる不思議な性質をもっていることを発見し、マスが現代の科学では発見されていな

          知らなかったよシャウベルガー