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「中国隔離生活10日間の記録」in大連
突然の中国出張
※ここに記す内容は2022年11月のものである。2年前につらつらとまとめていたが公開することなく月日が経ってしまった。読み返してみるとこんなこともあったなと感慨に耽け、よくわからないこのタイミングで公開することにした。
2022年9月中旬に唐突に出てきた上海出張案件。10月初旬出発とのことだったため、その翌週からせっせとビザの申請や社内手続きを行なっていた。入社後初めての出張が上海とはわくわくするなと能天気に喜んでいた私であったが、紆余曲折あり結局11月5日の出発となった。
上海出張宣告から2ヶ月の間、少しずつコロナ禍の中国の過酷さを知り、当初の海外出張に対する高揚感とは真逆の感情を抱き始めていた。
出張の目的地はShanghai。現地事務所から早くきてほしいと強く要望があったため、最速の便を考慮した結果、大連直行便で現地で10日間の隔離ののち、上海移動が最善と判断された。
これは10日間の隔離生活の記録である。
中国入国までの煩雑な手続きについてはここでは割愛する。ビザ取得から直前2回のPCR、健康コードなどの取得がある。とにかく面倒。
隔離生活記録
DAY 1 (SUN)
13:30 ホテル到着
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ホテルに着くと入り口にはわかりやすく「政府指定隔離ホテル」の看板が掲げられていた。ホテル自体は4つ星らしいがかなり年季が入っている。あくまで我々は隔離客なため、エントランスの照明は最小限に抑えられていた。エントランスには豪華なシャンデリアが吊ってあったが、照明は消されていた。
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エレベーターの中はこのようにビニールで覆われ、全体に消毒液がかけられている。部屋番号を伝えると防護服の人がボタンを押してくれたので私は触れることはなかった。
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隔離部屋はご覧の通りとても広い。私が住んでいる東京のワンルームより広い。おそらく50㎡くらいはありそうだ。広いのはいいことだが、無駄な空間に1人というのは落ち着かない。
16:00 晩ご飯
初日のご飯は鰻重とマヨネーズのかかったサラダ、卵とトマトのスープ、洋梨(っぽいやつ)。こちらは他の隔離レポートの方と同様で、不満は出なさそうな内容と思われる。少なくとも私は10日間食事面で辛くなることはないと思った。
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問題は配膳の時間である。1日3回ある配膳は、朝7:00~、昼11:00~、夜16:00~とどれも非常にはやい。特に朝と夜。初日は13:30にホテルに着いたため昼ごはんは提供されず、この時間の提供は少し嬉しかったが、かなり生活リズムが前倒しになる。「早寝早起で健康になれ。」ということか。
18:00~
前日までの出張準備で疲労困憊でなにもやる気が起きなかった。
とりあえずシャワーを浴びて、ゴロゴロしながら日本の友人とグループ通話などを少しして、気を失うように眠りについた。
DAY 2 (SAT)
7:00 朝食
タイマーは7:30にセットしていたのだが、うなされて目が覚めた。そこから今何時なんだろうと思いながら必死に寝ようとしていると。
コンコンコン。
部屋の扉がノックされた。
ご飯の合図だ。
時計を見ると6時58分。まだタイマーの時間にもなっていないではないか。
DAY1のところで食事時間を記したが、実はこの時まで配膳時間を正確に確認しておらず8時くらいにくるものだと思っていた。
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ちなみに朝ごはんはこちら。
チキンサンドと牛乳。ちょうどいい。
Day 3~10
ここからは特に変わりない日々のため割愛。
月曜から金曜の平日は仕事。普段は在宅多めなため意外と苦にならない。
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隔離期間おすすめの持参品
ここで隔離期間中に持っていって正解だったおすすめの持参品を厳選して紹介する。
生活用品
石鹸
液体手洗い石鹸を小ボトルに持参。直前にいるかも、と思い準備たが毎日使っている。また固形石鹸も体を洗うように持参した。
洗剤
隔離期間は洗濯ができないため下着などを洗うときに使用。
針金ハンガー
洗濯物を干す。干せればなんでも良いが、形体追従性が良いため針金ハンガーを選択。紐類はひっかけるのが困難なためおすすめはしない。
タコ足配線
ガジェット類が多いためこちらは必要不可欠。
スピーカー(ポータブル)
普段音楽を聴かれる方はおそらく必須。ある程度良質な音があるだけでかなり生活が楽になる。
縄跳び・ヨガマット
隔離期間は運動不足になる。私は普段から在宅多めなのでリフレッシュがてらに持参。部屋の床の埃など気になる方はマットなど持参するのがおすすめ。
食料系
コーヒー・紅茶など
隔離では水しか支給されないため、これらはある意味必須。普段自分がよく飲む飲み物を持参しよう。
ふりかけ
隔離ご飯はたまに白ご飯の量が多い時があり、味変アイテムとして持参。
その他
VPN・日本のコンテンツ対応のSIM
中国国内のwifiでは日本のネットにアクセスできないため、VPNなどの対策は必須。隔離期間に動画コンテンツやSNSなどが利用できないのは辛い。
ちなみに私が契約していたのはMillenVPNとせかいVPNの2つ。
両方とも接続はできたが安定していたのはせかいVPN。複数契約していると繋がらなかった時に対処できる。
大連の隔離状況と他都市への移動
大連での10日間の隔離は比較的楽な方だと感じる。実際、入国時の検査は比較的スムーズで、隔離期間中のPCRも喉をサラサラっと擦るだけのものであった。
こうした理由の一つにコロナ警戒レベル(正確な名前はわからない)がある。
中国では警戒レベルを都市ごとに4段階に分けている。危険度が高い順に「高・中・低・常態化管理」となる。大連では新規感染者0人らしく、危険度が一番低い常態化管理であるため入国や隔離時のPCRなどが緩和されていたと思われる。
以上の警戒レベルにより、他都市への移動難易度も変わってくる。例えば常態化管理の大連から他都市、例えば上海などは容易であるが、北京に行ってから上海となると突然困難になる。それはこの2都市が警戒レベル高もしくは中のエリアであるからだ。警戒レベルが高い都市間の移動はその都度PCRや最悪の場合はさらに隔離が必要となるケースもあるらしい。
こうしたことを踏まえると、最終目的地が1都市の方は、日本から直行便で行くか、低リスクエリアから移動するのが良いだろう。私の場合、こうしたことを考慮していたわけではなく、単純に上海直行便がなかったからであるが、結果としては良かった。
さいごに
ところで、Youは何しに上海へ? と思われた方が多いと思うが、それについてはまた次回暇があればまとめたいと思う。(守秘義務のオンパレードなので上海の建築とかについて…)ではまた。