ヘルプマークを付けること
私はうつ病を患っていて、精神障害手帳保持者だ。
おまけにHSPという、人より感覚が過敏な気質を持っている。
この2つの特性のせいで、人混みの中にいることや電車に乗るのが困難な状態にある。
うつ病サイドでは歩き回ったり、立ちっぱなしの疲労からメンタルの調子が崩れるし、
HSPサイドでは電車の駆動音や人の声で、不安になったりパニックになったりする。
この状態が皆さんにとってどんなレベルなのか、うまく例えられるかどうかわからないけれど、
納期ギリギリに納品したあと、予定の時間に間に合わないと全速力で駅まで走って電車に飛び乗り(駆け込み乗車はおやめください)、
浮かれてお酒をガンガン飲んだ挙句急性アルコール中毒まではいかないが最近の無理がたたって酔いが回って頭痛と吐き気が襲ってきており、長年付き合っていた恋人に振られて尚且つ自分の奢りでスカンピンになり、とどめに納品に不備があったとお怒りの連絡が入ったあと終電を逃すものかとまた走って間に合ったくらいの体力とメンタルで電車に乗るような感覚が一番近いだろうか。
この疲労レベルがデフォルトである。
この感覚で毎日出社している。
この疲労レベルを少しでも軽くするために、私は一番端の車両に乗り、優先席など空いている席に座り、ノイズキャンセリングのイヤホンをつけて目を閉じて周囲の情報と音を遮断している。
このどうしようもないデバフまみれの身体のため、私はヘルプマークをつけて外出している。
ヘルプマークをつけて優先席前に立っていると、ありがたいことにマークを見た人が席を譲ってくれる。
譲ってくれる人はさまざまで、若い方もいれば、定年間近であろうサラリーマン風のおじさまなども、これから出勤で体力を温存したいだろうに、どうぞどうぞと譲ってくれる。
数年前までは「ヘルプマーク? なにそれ」とか「スイス好きなの?」とか認知度がめちゃくちゃ低かったが、鉄道会社などアピールもあって、最近は支援が必要な人のマークという認識が広がっている。
もし心身に障害を持っていて、支援が必要な人は、役所の福祉課などでヘルプマークをもらってカバンなどにつけて欲しい。
確かにマークを付けていると、チラッと見て嫌な顔をする人もいる。でも、自分のことは自分で守らなければいけない。だから私は、ヘルプマークを付けて今日も電車に乗る。
世の中、思った以上に優しい人たちが多いから。