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自分の最期をどう過ごすかは決めておいた方がいいと思う。

病院で働いている私は、高齢者が増えていることを実感している。
病棟にいる患者の6割が70代以上

病院だから、元気な老人っていうより
どこか体の調子が悪くて病気を抱えてる人ばかり。
元気に登山したり旅行してたのに
入院した途端に歩けなくなってしまうような寝たきり予備軍の人たち。

90代でペースメーカーを入れに来ることも普通にある世界。

家族にしてみたら、
お父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃんの心臓の調子が悪くなって、いつまた倒れるかわからないなんて心配だろうし、いつまでも元気でいてほしいと思うことは当然なのかもしれない。

だから、医者に言われるがまま、同意書にサインをしてしまう。

心臓の調子が悪くなって、それを整えるためにペースメーカーを入れる。
その結果、心臓は正しくリズムを打つようになって失神はしなくなったけど
寝たきりになったり、認知機能が低下してADLが落ちてしまう。

もちろん、入院中にできるだけADL落とさないよう、
医師も看護師も理学療法士も栄養士も心理士も努力するけれど、
いくら頑張っても落ちる時は落ちてしまう。

回復しないわけではないけれど、元に戻るにはかなり時間がかかる。
そしてなにより、患者本人に相当の努力を要する。

結局、元に戻らなくて自宅には退院できず、
施設入所になってしまうこともあったりする。

あれ?
これでよかったんだろうか。

患者さんも家族も、こんな未来を少しでも想像してただろうか。
まさか、元気になるために治療受けると決めたのに
結局、入院する前より衰えてしまうなんてこと。
でも、死に近づいたわけでもない。
心臓は規則正しく動いている。

「こんなはずじゃなかった」って思ってないかな。

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私が患者だったら…どうするだろう
自分の意思と違うところで、自分の命の期限を家族が決めてしまうとき。
「お母さん、いつまでも元気でいてよ、治療しようよ」なんて言われたら。

自然に死ぬことも許されないのかな。

きっとそう思うだろう。
人間は誰しもいつか死ぬ

どうせなら、最期まで好きに生きていたい。

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患者さんと話をしていると
「家族に悪いから」「迷惑かけるから」
と、自分の意見を言わない方が多い。
でも、どうしたいかどう生きていきたいかを考えていないわけではない。
ただ、自分を主張してはいけないという気持ち。

今の高齢者の方たちは、辛い時代を生きてきた方も多く
そう考えるのも仕方がないのかなと思うこともあるけれど。

もっと自分の意思を主張するべきだろう。

どうせ、迷惑かけるんだし
だったら、自分が生きたいように生きたらいい。

これから、老人になる私たちは、
今から本気でどう生き抜くか考えた方がいい。
医療がどんどん高度になるにつれ、
「命を長らえる」ことが難しいことではなくなってきている。
でも、QOL(生活の質)的なことは、また別の問題。
自分で自分らしさを考える必要がある。



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ともも|助産師
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