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満員電車に揺られて#9

メグミは、会社から帰ると、すぐにソファに沈み込んだ。外は少し冷たい風が吹いているが、室内は暖かく心地よい。赤ワインを少しだけ飲んでいたせいか、頭の中は少しぼんやりしていて、そのまま何も考えずに眠ってしまいそうだ。時計を見ると、もう23時を過ぎていた。今日は疲れている。だが、何か心の奥でざわめきがある。

「また電車で…」と、ふと思い出す。

メグミはいつも、通勤中に電車に乗っていると、ふとした瞬間に心が逸れることがあった。混み合った車内、他人との距離感が妙に近いあの感じ。触れ合う体温、こすれ合う衣服の摩擦、意識しなくても漂ってくる香り。それが、何かを引き起こすことがある。

今日はその感覚が、いつも以上に強い。

彼女はふと、自分が乗る電車のことを想像し始めた。東海道線、品川駅から出発する電車だ。時刻は19時半ごろ、帰宅ラッシュの時間帯で、車内はぎゅうぎゅうだ。彼女はその中に立ち、何とか身を預ける場所を探しながら、混み合った車内に入っていく。

「なんでこんなに混んでるんだろう……」と、彼女は心の中でぼやく。

メグミは今日、茶のタイトスカートに白いブラウスを着ている。少しヒールの高いパンプスが、駅のタイルの床に音を立てる。化粧は控えめだが、口紅だけは少し赤みの強い色を選んでいる。長い一日を終えたせいか、少し髪が乱れていて、それを気にしながら前髪を直す。

電車が駅に到着する音が聞こえると、彼女は乗り込む。ドアが閉まる瞬間、後ろから押し込まれるようにして、乗客たちがぎゅうぎゅうと詰め寄ってくる。その中に、嫌な感じのする男がいることにすぐに気づいた。40代半ば、スーツ姿で、髪は少し薄くなりかけている。メグミは顔をしかめるが、どうにもならない。押し合いながら、彼の手が自分の腰に当たっているのを感じた。

「やめて……」と、思うが、声には出さない。

電車が発車し、揺れ始めると、その男の手はさらに大胆に動き始める。軽く触れるだけだった手が、次第に彼女のスカートの上から臀部をまさぐり始める。押し寄せる人混みの中で、逃げ場はない。彼の手が徐々にメグミの体に馴染むように、強くなっていく。

「ちょっと……」

小さな声で抗議するが、電車の揺れと周囲の雑踏にかき消される。男の手はそのまま彼女のシャツのボタンに向かい、1つ、2つと外していく。空いたスペースから、ブラジャーのレースがちらりと見えた瞬間、彼の指がその中へと侵入してくる。

「あ……だめ……」

メグミは声を抑えようとするが、感覚が抑えられない。電車の揺れがまるで波のように、彼女の全身を包み込み、抵抗する力を奪っていく。男の指先は、ブラの中の柔らかな部分をじっくりと弄び、彼女の肌を感じながら進んでいく。胸が徐々に熱を帯び、緊張感と快感が入り混じる。

「やめて……」

口から出る言葉とは裏腹に、体は少しずつ反応してしまっている。電車の騒音が妙に遠くに感じられ、彼の指が動くたびに、心臓が早鐘のように打ち始める。押し寄せる人々の波に流されながら、彼の手は彼女のスカートの裾にまで到達し、それを持ち上げる。

「もう……どうして……」

声にならない言葉が頭の中を巡る。彼の手がパンティの上から彼女の秘部に触れると、体が自然と反応してしまう。濡れた感触が彼の指に伝わる。彼はそれに気づいたのか、さらに強く、ゆっくりとパンティの布地越しに押しつけるように撫で始めた。

「あぁ……やめて……でも……」

メグミの声は次第に細くなり、かすかな喘ぎ声が漏れ始める。顔が熱くなり、頭の中が白くなる。体は動きたいのに動けない。押し寄せる快感に、彼女はただ体を委ねるしかない。

「だめ……でも、もっと……」

気がつけば、メグミは自分の部屋で一人、ベッドの上に横たわっていた。妄想の中で彼の指が動くたびに、現実の自分の指が、知らず知らずのうちに体に触れていた。

部屋の外では車の音が遠くに聞こえるだけだ。

メグミの意識はまだ妄想の中に深く沈んでいた。彼の手がパンティの布地をゆっくりとたぐり寄せ、ついに直接、彼女の肌に触れる。その瞬間、彼女の体がビクッと反応するのが分かった。

「あぁ……」

彼の指が、まだ触れられていない部分にそっと忍び込んでくる。熱を帯びた肌に触れ、そこからさらに奥へと進んでいくたびに、メグミの中で感覚が鋭くなっていく。パンティの中に潜り込んだ指が、敏感な部分をなぞり、まるで彼女を探るかのようにゆっくりと動き回る。

「だめ……そこは……」

そう言いながらも、体はもう逆らえない。彼の指がさらに深く入り込み、メグミの秘部をじわじわと刺激するたびに、彼女の体はそれに応じて反応してしまう。電車の揺れが彼女の体を後押しし、彼の動きをさらに感じやすくする。

「もっと……」

口から自然と漏れたその言葉に、自分でも驚いた。だが、彼の指は容赦なく動き続け、さらに深く、さらに強くメグミの奥へと進んでいく。湿った感触が彼の指に伝わり、彼はそれを楽しむかのように、指先でじっくりとその感覚を確かめる。

「あぁ……もう……だめ……」

電車の中は相変わらず混んでいるが、周囲の人々は二人のやりとりに気づかない。密集した人々の波の中で、彼とメグミの動きはまるで周囲とは別の世界に存在しているかのようだ。彼の指がまた動くたびに、メグミは内側から熱が広がっていくのを感じる。

その時、彼女はふと彼の顔を見る。無言で動き続ける彼の顔は、無機質な表情を浮かべているが、どこか興奮が滲み出ている。彼の呼吸が荒くなっているのが分かる。

彼女はもう、抗うことを諦めていた。

彼の指が彼女の中で動くたびに、彼女の体は反応し、声が漏れる。そして、彼女の手は自然と彼の腰に伸びた。スーツのズボンの前に手を添え、ゆっくりとチャックを下ろす。金属のファスナーが静かに開かれる音が電車の揺れに混じり、メグミの指先に硬く膨らんだ彼のものが触れる。

「あ……」

思わず声が漏れる。予想以上の感触に、彼女は少しだけ戸惑いながらも、その大きさと形状を確かめるように手で包み込む。熱く、硬くなったそれは、彼女の手の中でさらに主張を強めている。ゆっくりと上下に動かしながら、彼の反応を確かめる。

「いい……?」

彼女がそう尋ねると、彼は低く唸るように答えた。「うん、もっとしてくれ……」

メグミは膝を少し曲げ、電車の揺れに合わせながら彼の前にかがみ込んだ。狭い車内の中、体を窮屈にしても、彼の硬さを口に含むために動作を続ける。彼の肉棒は、すでに興奮で脈打っていて、その存在感は彼女の口の中でますます増していく。

「う……ん、ん……」

彼女はゆっくりと舌を這わせ、その表面を感じながら、唇で包み込んでいく。電車の揺れに合わせて、彼女の動きもリズムを取るように上下に繰り返す。狭い空間での動作は難しいが、その制約さえも、彼女の感覚を一層鋭くさせた。

メグミは電車の中で、ますます彼の存在を強く感じていた。彼の肉棒を口に含みながら、彼の手は依然として彼女の秘部を弄り続けている。外界の喧騒や、混雑した車内の人々の存在は、彼女にとっては遠いものになり、彼との行為が全てを支配していた。周囲の動きがぼやけて見え、彼の呼吸と自分の体の反応だけが現実のように感じられる。

彼は、彼女の唇から自分の肉棒を引き抜くと、無言のままメグミの身体を押し倒すようにして、向き合う形になった。狭い電車の中、背中がドアに触れるが、そんなことはどうでもいい。彼は素早く彼女のスカートを完全に持ち上げ、彼女のパンティを一気にずり下ろした。

「あぁ……」

彼女は低く喘ぎながら、彼が彼女の太ももを掴み、自分の腰を彼女に押し付けてくるのを感じた。彼の熱くて硬いものが、彼女の入り口に触れた瞬間、全身が緊張し、期待感で震えた。そして、彼がゆっくりと自分のものを彼女の中に押し入れた。

「ん……っ、あぁ……」

メグミの声が抑えきれずに漏れる。彼の動きはゆっくりだが確実で、彼女の内側がじわじわと広がっていく感覚が体中を駆け巡る。電車の揺れがそのリズムをさらに強調し、彼が一度動くたびに、彼女の体全体が反応してしまう。

「もっと……もっと……」

彼の動きは徐々に早くなり、彼女の体はそのリズムに合わせて揺れ動く。彼のものが彼女の中を強く押し込むたびに、彼女の体は電車の揺れと一体化し、止まらない快感の波に乗っていた。

しかし、彼は突然、彼女の体を引き起こし、彼女を振り返らせた。今度は後ろから。彼は彼女の腰をしっかりと掴み、再び自分のものを挿入する。バックの体勢に変わったことで、彼の突き上げる動きがより強烈に感じられるようになり、彼女の身体は止まらない快感に包まれた。

「あっ……あっ、あぁ……」

メグミの声が激しくなる。彼の動きは次第に激しく、そして深くなり、彼女の体はその圧倒的な感覚に翻弄される。電車の騒音が彼女の耳に遠く響き、彼の腰が彼女の体に当たる音が耳に残る。それが快感をさらに増幅させる。

「やばい……いく、いく……あぁっ……」

彼がさらに深く突き上げると、彼女の体が限界に達する。波のように押し寄せる快感が、彼女を完全に包み込み、体全体が震え、意識が飛びそうになる。彼のリズムに合わせて、彼女の体は完全に彼に支配され、ついにその頂点に達した。

「あぁっ、もう……やばい……いく、いく……!」

彼女の体が弛緩し、快感が体全体を駆け巡る。彼女は電車の中で、その瞬間を完全に味わい尽くし、現実から遠く離れていた。

しかし、次の瞬間、現実に引き戻された。

自分が電車にいないことに気づいた瞬間、彼女は目を開いた。そこは、彼女の自室のベッドの上だった。メグミは、自分の指が自分の下着の中に入り込み、無意識のうちに自らを弄っていたことに気がつく。部屋の中は静まり返り、窓の外では風の音がわずかに聞こえる。

「はぁ……」

自分がいってしまった事実に気づき、少し恥ずかしさが込み上げてくる。しかし、それと同時に、妙な満足感が心の中に広がっていた。彼女はベッドに横たわり、まだ高鳴る心臓を感じながら、静かに目を閉じた。

「……もう寝よ」

そう呟きながら、メグミは深く息をつき、疲れた体をそのままベッドに預け、意識が遠のいていくのを感じた。

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