読書記録・2010/09/06「この国のかたち 二」を読んで

2010年9月6日
司馬遼太郎著、「この国のかたち 二」を読んで
これを読むと、日本がどのようにして成り立ってきたのか、どのような歴史を積み上げてきたのかがわかる。著書は江戸期頃から昭和にかけての様子が描かれており、今現在の日本の事情の原型が垣間見られる。私自身の物の見方や感じ方が、まさに日本の歴史の土台の上に立っているものというのがよくわかる。また、著書のような日本の歴史について書かれた本を読むことで、自分自身のものの考え方のくせとその理由が明らかになる。他の国、他の地域も同じようにして積み重ねてきた土台があり、それをよく学ぶことによって、他の国、地域の人々の考え方や感じ方を理解できるのではなかろうかと思う。
歴史が少しずつ積み重ねられて価値観という土台は形作られていくものであるが時として突然ちがう価値観がその土台を覆うことがある。それを感じたのは著書のなかでも二次大戦にふれていた部分である。
繊細な感受性をもっている少年少女の時代に戦争中にあった人たちは、天皇陛下のために命を捧げるということが絶対価値となってしまった。国をあげた洗脳とも言える教育によって日本の価値観を決めるというのは何とも恐ろしいことである。教育というのはすばらしいパワーを持つとともに、扱い方を間違えれば凶器にさえなりえる。
歴史の層の中で、戦争時代の層の部分だけ違う色を放っているように感じられてならない。
子どもの頃は、誰もが時代と地域をマユのようにして育つという。
マンニャン族にとって、一般タガログ人社会の中に入り教育を受ける子どもが増えている今こそが、歴史の転換期なのかもしれないと思う。
これらのことをふまえて、感じやすい年齢の子どもたちにどう接し、何を教育していくべきか、もっと慎重になる必要があると、自分自身の子どもたちへ接し方を振り返って思う。
教育者としての重みを感じながら、子どもたちが生きるために必要な力をつけられるようにサポートする心意気が必要だ。

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